IT系と呼ばれる仕事は多岐にわたり、職種の名称も新しいものがどんどん生まれるため、理解しづらい面があります。
ここでは、そんなわかりにくいIT系の仕事について、いくつかの種類にわけながら解説します。
目次
ITの仕事とは何か?
そもそもIT系といったときに、その指す範囲は非常に幅広いです。
IT(Information Technology)とは情報技術を指します。
昔はパソコンやインターネットを使うサービスは一部に限られていましたが、今はあらゆる業界・職種で使っています。
ここでは、そのIT系の仕事を商品のタイプごとに、大まかに4つに分けて説明します。
- ウェブ系・アプリ系
- 情報処理系
- ソフトウェア
- ハードウェア
それぞれを簡単に見ていきます。
ウェブ系・アプリ系の会社の職種
皆さんのイメージするITに一番近い仕事かもしれません。ウェブエンジニア、単にエンジニアなどと呼ばれます。
もし、Facebookを描いた映画の『ソーシャル・ネットワーク』を見たことがあれば、そのイメージが近いです。
皆さんが普段触れるような、Google、Facebook、Line、メルカリなどのサービスはすべてここに入ります。
もしあなたのスマホにアプリが入っていたら、だいたいここです。
プログラミングする仕事としない仕事があるので、分けてみていきます。
プログラミングする人
こうしたサービス(プロダクトとも呼ばれたり)を実際に開発する業務を担当します。
会社によっても違いますが、この中でも大きく分けると、だいたい
- フロントエンド
- バックエンド
- インフラ
の3つに分けられます。
1.フロントエンド:
デザインなど見え方を作る仕事です。デザイナーにも近く、Webデザイナーなども含まれます。
フォントの色を変えたり、要素の大きさを指定したり、クリックしたときの動作を作ったりします。
おもに、HTMLやCSS、Javascript、フォトショップやイラストレーターを使います。(アプリはJava、Swiftなど)
このような職種名のものです。
- フロントエンドエンジニア
- UI/UXデザイナー
- Webデザイナー
- コーダーなど
2.バックエンド:
裏側の処理を作る仕事です。
検索エンジンもそうですし、ECサイトでフィルタリングをしたり、お問い合わせのフォームを作ったりするものです。
このカテゴリーを選んだときに、そのカテゴリーだけを表示するとか、このボタンをクリックするとどこのページに遷移するとか。
PHP、Ruby、Java、Swiftなどを使います。
職種名としてはこのようなものです。
- エンジニア
- ウェブエンジニア
- ITエンジニア
- サーバーサイドエンジニア
- プログラマーなど
3.インフラ:
基盤を作ります。
サービスを攻撃から守ったり、サーバーの負荷が大きくなったときに対応したり、会社内の回線やイントラ、ファイルやフォルダの権限をつけたりします。
Webページが表示されなかったり、回線が重かったりすることもありますが、そのようなことを防ぐのも仕事です。
このような職種名です。
- インフラエンジニア
- サーバーエンジニア
- ネットワークエンジニアなど
プログラミングをしない人からすると、エンジニアはなんでもできる魔法使い見えるかもしれませんが、得意・不得意は人によります。
全部できる人をフルスタックエンジニアと呼んだりします。この人は魔法使いに近いです。
小さい会社の場合は、1人で複数やるのはよくあります。
プログラミングをしない人
プログラミングをしない人は、
- プロダクトを管理する人
- 営業・マーケティングをする人
- バックオフィスをする人
の大きく3パターンです。
プロダクトを管理する人
会社によって切り分けは異なりますが、サービスを作るにあたっては、全体や部分を管理する人がいます。
おもに、CTO、プロダクトマネージャー、プロジェクトマネージャー、ディレクター、プロデューサーなどと呼ばれる人が担当します。
会社によっては、エンジニア出身の人が担うこともありますが、プログラミングの理解がある非エンジニアの人がすることもあります。
営業・マーケティングをする人
会社によって役割はさまざまですが、エンジニアに近いところで動くケースも多いです。
マーケティングの場合には、新しい機能やサービスに合わせてプロモーションを行ったり、施策の効果測定をエンジニアやプロダクトマネージャーにフィードバックするため、その距離は近くなります。
営業の場合には、ややプロダクトからは離れますが、技術的な理解は必要です。
がっつりプログラミングができる人は必ずしも多くありませんが、HTMLやCSSくらいならわかりますという方も結構います。
バックオフィスの人
人事、経理、法務、総務などの人はほかの会社同様にいます。
2.情報処理系
ウェブ系が自社のサービスを作るものだとすると、こちらは他社のサービスを作るものです。
ITコンサルタント、ITアーキテクト、システムエンジニア(SE)などの職種があります。
たとえば、どこかの会社の受発注用のシステムやECサイトを作ったり、業務管理システムを作ったりします。
みなさんが普段触れるものとしては、銀行のATMの画面などです。
顧客のためにサービスを作るので、顧客とのコミュニケーションやプロジェクトマネジメントなどに人員が割かれる傾向にあります。
注意点としては、下請けの構造があり、顧客との要件定義(こんなものを作ります)というものだけ固めて、後は下請けに投げるという方法がよく取られます。
下請けの会社では、『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』という映画のようにブラックが常態化していることもあります。
Web系と同じものは省きますが、以下の3つについて解説します。
- ITコンサルタント
- ITアーキテクト
- システムエンジニア
ITコンサルタント
アクセンチュア、アビームコンサルティングなどが会社としては有名です。
企業の課題をITソリューションによって解決するため、企業の本質的な課題を見出すところからが仕事となります。
ざっくり以下のような役割分担です。
- 営業(課題を持っている顧客を探す)
- ITコンサルタント(課題発見とそれを解決する方法を考える)
- ITアーキテクト(解決する方法をどのように実現するかを計画する)
- プロジェクトマネージャー(計画に基づいて、開発をマネジメントする)
- システムエンジニア(実際に開発を進める)
たとえば、「システムを導入すれば○○万円かかりますが、△△人の人員削減ができます」というようなものです。
ITアーキテクト・ストラテジスト・システムアーキテクト
システムの上流工程を担う仕事です。アーキテクトは設計という意味です。
この時点では、目標が決まっているのが一般的なので、それを技術的にどのように解決するのかを設計する仕事です。
たとえば、プログラミング言語、データベース、サーバ構成などを決めていきます。
システムエンジニア
Web系で見たWebエンジニアやサーバーサイドエンジニアに近いものです。
コードを書く点は一緒ですが、クライアントとのコミュニケーションもするという違いあります。
Web系のエンジニアはカジュアルな格好をしている人も多いですが、システムエンジニアはスーツなど固い格好をしている人も多いです。
プログラミング能力だけではなく、コミュニケーション能力も重要になります。
3.ソフトウェア
これはMicrosoftやセキュリティソフトなどのパッケージ商品を作る仕事です。
ソフトウェアエンジニアと呼ばれたりもします。
ここでの仕事はどんどんウェブ系のエンジニアに近くなっています。
ソフトウェアが昔は〇〇円とパッケージの買い切り型だったのが、月額課金モデル(サブスクリプションと言ったり)が増えました。
Office365、Adobe Creative Cloudなどのように、月々いくらだったり、これ以上使うといくらといったが増えているためです。
ビジネス的にもSaaS(Software as a Service)と呼ばれたりもしていて、ソフトウェアがどんどんサービス化しているため、違いがあまりなくなっています。
ウェブ系のサービスと違うのは、業務に関わるものが多いことです。
顧客とのコミュニケーションを踏まえて、彼らの要求に応える面があり、その面では情報処理系にやや近いところもあります。
カスタマーサポート・カスタマーサクセス
課金型のソフトウェア・サービスは継続率が非常に重要です。
使い方の説明、バグの修正や新機能の要望などを受けて、いかに顧客満足度を上げるかがポイントの1つです。
そこで、一般的にはカスタマーサポートと呼ばれる職種がカスタマーサクセスなどとも呼ばれ、顧客を積極的にサポートしています。
4.ハードウェア
ハードウェアはモノに関わるエンジニアです。ハードウェアエンジニアとか組み込みエンジニアとか呼ばれます。
IoT(Internet of Things)という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。直訳するとモノのインターネットです。
まだまだ発展中の領域ですが、身近な例ですと音声を認識して、音楽を再生したり、ニュースを読み上げたりできるスマートスピーカーなどが有名でしょうか。
あらゆるものがインターネットと接続されていくので、有望なものの1つです。
アライアンス
ハードを作るとなると、予算が大きくなったり、自社だけではやりきれなかったりするために他社とのアライアンス(業務提携)が重要になります。
ハードウェア系では、アライアンスが多くなっており、重要性が高いです。
IT系の適職診断
同じIT系の仕事であれば、まったく互換性がないということはありません。
それでも、ものによって全然違いますし、分野を変えようと思うと未経験ほどではないにしろ、大変な面があります。
主観たっぷりで、どういう人は何が向いているのかを簡単にまとめました。
ウェブ系が向いている人
- 新しいものが好きな人
- 新サービスを試したり、作るのが好きな人
- どんどん試して、直していきたい人
- 働き方は自由な方がいい人
- 服装は自由な方がいい人
- いろいろなことをやりたい人
情報処理系が向いている人
- 開発だけでなく営業もやりたい
- 論理的に考えたい
- 決められたプロセスにしたがって動きたい
- 几帳面、地味な人
- 粛々と働きたい人
- 堅い会社が好きな人
ソフトウェアが向いている人
- 業務に使うシステムが好きな人
- オペレーションに興味がある人
- 地道な改善が好きな人
- ユーザーとの対話が苦ではない人
ハードウェアが向いている人
- モノが好きな人
- 長期的に考えられる人
- イノベーションに興味がある人
- オンラインで完結しないものに興味がある人
さらに知っておきたいこと
ここでは、IT系の仕事について見てきました。
同じITでもその仕事内容は多岐に渡ります。実際に働きたいという方はこちらの記事もぜひご覧ください。