第二新卒の転職というと、20代前半の人がほとんどでしょう。
社会人経験はあるものの、専門性はまだそこまでついていない人も多いかと思います。
20代の転職はポテンシャル重視となるので、ちょっとした選考対策や印象でも差がつきやすくなります。
基本を押さえるだけで成功確率は大幅に上がります。
ここでは、第二新卒転職を成功させるためのポイントをまとめました。
目次
そもそも第二新卒とは?
第二新卒の定義は会社にもよりますが、一般的にはこのような人を指します。
- 大学や大学院をすでに卒業している
- 社会人として働いた経験があり、働いた期間が3年に満たない
- 年齢が20代前半から25歳くらいまで
大学を卒業したものの、会社で働いた経験がない人は、既卒と区別されて呼ばれます。
企業から見た第二新卒とは?
企業が第二新卒を採用する理由
企業側が第二新卒を採用する理由は大企業であれば、
- 予定した採用人数が新卒で採用できなかった
- 離職した若手人材の補充
などもありますが、中小企業やベンチャー企業では、
- 最低限のビジネスマナーを学んでいる分、教育コストが低い
- 新卒で大企業に合わなかった人や優秀な既卒を採用できる
というような理由から採用することもあります。
企業は第二新卒のどこを見ているか
新卒と第二新卒はまた違います。
同じ能力であれば、新卒を採用すればいいので、ビジネスマナーやビジネススキルなども見られます。
新卒でも第二新卒でもポテンシャルが見られる点は同じですが、第二新卒のポテンシャルは業務経験も踏まえたものです。
つまり、このようなものが見られているイメージです。
- ポテンシャル
- コミュニケーション能力
- 仕事への取り組み方
- 吸収力
- ビジネスマナー、ビジネススキル
第二新卒で高い専門性や実績は求められません。
そのようなものを長期的に身につけられる素質があるかが見られます。
その素質を見るために、たとえ在籍期間が短くても、
- ビジネスマナーやビジネススキルが実際に身についているか、
- そのようなスキルを身につけるための姿勢や取り組みができていたか
を知りたいわけです。
逆にいうと、この2つにうまく答えられれば、内定がもらえます。
求職者から見た第二新卒とは?
第二新卒での転職理由はさまざまあります。
- 会社と合わなかったので退職したい
- 新卒で内定をもらえなかった会社に再チャレンジしたい
- 基礎的なスキルが身についたので、キャリアアップしたい
どのような場合でも第二新卒の時期は、転職しやすい時期です。
しっかり対策することで、新卒で受からなかった会社や自分により合った会社に転職できます。
3年以内での退職への批判は気にしなくていい
未だに、「最低3年は同じ会社にいたほうがいい」、「すぐに辞めると、辞めぐせがつく」といった批判があります。
こうした批判は完全な的外れではありません。この下でもリスクについても説明します。
ただ、自分に合っていない会社で働き続けることも、同様にリスクがあります。
年齢が上がるほど転職は難しくなりますし、仕事に対する姿勢や働き方も最初の数年の影響は大きいでしょう。
転職のリスクも知っておく
転職回数と年齢は転職において重要な要素です。
具体的にはこのようなイメージで変わっていきます。
転職と年齢
- 年齢
- 第二新卒(ポテンシャル重視)
- 30歳未満(専門性も考慮、未経験はここまで)
- 35歳未満(高い専門性が必須、マネジメントも考慮)
- 35歳以上(高い専門性やマネジメントが必須)
- 転職回数
- 2回まで(多くの会社で問題なし)
- 3回以上(一部の会社で選考に通りにくくなる)
- 転職回数に対する年齢
- 20代で2回まで(多くの会社で問題なし)
- 30代で4回まで(一部の会社で選考に通りにくくなる)
- それ以上(多くの会社でネガティブに取られる)
年齢を重ねること、転職回数を増やすことはどちらもリスクです。
上を見てわかるように、1回の転職で劇的に不利になるようなことはありません。
ただ、繰り返してしまうと、転職の選択肢が狭くなってしまいます。
そのためにも、第二新卒の転職は必ず成功させたいものです。
転職の攻略ポイント9つ
1.転職以外の選択肢を残す
1つ目に重要なのは、勢いで退職をしないことです。
あまりにもブラックな企業でそのまま続けると肉体的・精神的にダメージを受けそうな場合にはすぐに退職したほうがいいです。
そういう場合を除くと、今の会社に戻る選択肢は残しておいた方がいいです。
会社に所属しておく
自分も会社を退職してから職探しをしたことがありますが、最初の2週間ほどはいいですが、どんどん暇になります。
生活が怠惰になりやすく、お金もだんだん減っていくので、時間の余裕があっても精神的にあまり余裕がなくなりやすいです。
会社での異動を検討する
規模が小さい会社では難しいかもしれませんが、大企業では異動も実は有効な手段です。
部署が変わるだけで、まったく違う企業のようになることもありますし、会社も退職されるくらいなら代替案を用意するのが通常です。
異動のプログラムがある会社もあるでしょうし、それ以外でも人事などにダメ元で相談しておくといいでしょう。
2.転職理由を明確にする
次に重要なのは転職理由を明確にすることです。
「とにかく転職したい」という気持ちが強くなり、あまり考えずに転職してしまうのはリスキーです。
また次の会社も合わずにすぐに退職してしまうようなリスクがあります。
ここでは、冷静に今回の転職を分析しておくことが重要です。
よくある不満はこのようなものがあります。
- 人間関係
- 給料や福利厚生
- 労働条件(残業・休日出勤なども)
- 労働環境
- 業務内容
- 会社や職種の将来性
不満をしっかり考えるのと同時に、良かった点も必ず押さえておきます。
意外と満足した点を見逃して、次の会社では別の理由で退職してしまうといったことがよくあります。
自分の価値観を考えるきっかけにもなります。
3.キャリアプランを明確にする
自分の価値観を明確にする
転職理由を考える過程で気づく部分もあると思いますが、自分がどのようなことを大切にするのかは考えましょう。
譲れないものをいくつか考えておくことが重要です。
仕事は物件探しと同じなので、あなたの要求すべてを満たすことは困難です。
もっとも重要な1つか、2つ程度を明確にしましょう。
自分の将来を考える
価値観だけで進めると、直近は大丈夫ですが、将来的なキャリアの選択肢が減ってしまうことがあります。
自分の将来に関しても考えておきましょう。
これは非常に具体的なものでなく、方向性でも大丈夫です。
ロールモデルを探したり、ひたすらやりたいことを書き出したり、考え方はいろいろあります。
ほかの記事でも説明していますので、ぜひどうぞ。
4.転職というゲームを理解する
上で説明したものもありますが、転職にもルールがいろいろとあります。
たくさん転職する人は多くないので、どうしても転職がどういうゲームなのかを理解している人は少ないです。
たとえば、上でも見たように年齢と転職回数は重要な要素です。
どんなにスキルが優秀でも年齢が高かったり、転職回数が多かったりして選考で落ちてしまうということはあります。
第二新卒転職というゲーム
第二新卒においては、あなたが
- 会社とマッチしていることを志望動機や退職理由で伝え、
- 基礎的なビジネスマナーを服装やコミュニケーションで伝え、
- ビジネススキルが多少でも身についたことを実務経験を交えて自己PRで伝え、
- ポテンシャルが高いことを面接全体で伝える
というゲームです。この1つ1つをしっかりやれば、内定がもらえます。
実務経験が少ない分、ポテンシャルの評価が大きいため、対策をすることのメリットが非常に大きいです。
5.求人探しを工夫する
求人探しは新卒のときと同じ方法だけでは不十分です。
新卒のときには、リクナビやマイナビに登録する人も多いかと思います。
転職のときにもリクナビNEXTやマイナビ転職に登録するのは問題ありませんが、ほかにも活用できるサービスが多数あります。
スカウト系のサービス
自分から探す方法だけでなく、登録しておいて連絡を待つ方法もあります。
- Facebookで登録できで、求人がレコメンドされるSwitch
- 自分の市場価値がわかり、スカウトも送られるMIIDAS(ミイダス)
転職エージェントの提案
新卒のときには自分で探す人も多いですが、転職では転職エージェントが非常に有効です。
あなたの代わりに、あなたにマッチした求人を紹介してくれます。
パソナキャリアやdodaなどの転職エージェントもぜひ活用しましょう。
6.書類対策をする
選考書類ですが、転職では新卒のときのような変わったエントリーシートや質問が用意されることはありません。
- 履歴書
- 職務経歴書
の2つでだいたいどの企業も書類選考されます。
履歴書は就活やバイトでも書くかと思いますが、職務経歴書ははじめて書く人もいるでしょう。
こちらのサイトでも別記事で書き方を解説しています。
ただ、これはあくまでも基本的な書き方であって、ベストなものはその人の学歴や職歴によっても違います。
こちらに関しても、パソナキャリアやdodaなどの転職エージェントで見てもらう方がいいでしょう。
7.面接対策をする
選考対策の中でもかなり重要なパートです。
とくに、若手のうちは履歴書や職務経歴書で判断がしにくいことが多いです。
自分も第二新卒の面接を担当しましたが、書類でわからない部分は多いので、悩ましい場合には面接に呼びます。
多くの人にチャンスがあるわけですが、やはり面接でのコミュニケーションがうまくない人は一定数います。
たとえば、このようなものはかなり典型的な質問ですが、うまく答えられない人もいます。
- 志望動機は?なぜ他の会社ではないのか?
- 自己PR
- なぜ退職したか、転職を考えたか
こうしたものは、あまり本質的ではないのですが、かなり選考に影響します。
また、ちょっとした対策でかなりよくなります。
こちらもコンテンツを用意していますが、可能なら実践練習もしたほうがいいです。
転職エージェント、ハローワーク、出身大学のキャリアセンター、知り合いの人事でもだれでもいいので練習しましょう。
8.評判を確認する
たまたま受ける会社や入社する会社に知り合いがいるケースも少ないでしょう。
そのようなときにも、必ず会社の評判を確認しましょう。
外から実態を知るのはなかなか困難です。
オンラインでも情報は手に入りやすいので、検索エンジンで「会社+評判」で検索するのも有効です。
おすすめは、Vorkersや転職会議などの口コミサイトを使うことです。
ある程度有名な企業であれば、情報は手に入りますし、比較することも可能です。
自分の感覚だけで決めてしまい、入社後に気づくようなことは絶対に避けましょう。
9.自力で進めない
就活と転職の大きな違いは、プロに相談できることです。
ただでさえ、転職ではやることがたくさんあります。
- 自己分析
- 求人探し
- 書類対策
- 面接対策
在職中に進めるとなると、就活のときのように何十社も面接に行くということは難しいでしょう。
自己分析はあくまでも自分の仕事ですが、求人探しに書類対策、面接対策をしていると多大な時間と労力がかかります。
求人探し以降は転職のサービスを活用することが大事です。
転職エージェントは必ず利用したい
求人探しは、転職エージェント以外の方法もありますが、書類対策や面接対策をサポートするサービスはほとんどありません。
自動で書類を添削したり、面接を分析したりするサービスは今のところありません。
転職エージェントが唯一の選択肢です。
僕自身、過去3回のすべての転職でエージェントに相談しています。
それは、彼らしか持っていない情報や彼らしかサポートできないことがたくさんあることを知っているからです。
たとえばこのようなものです。
- 転職の進め方
- 該当業界・業種の求人状況
- 自分の市場価値・アピールポイント
- 自分の希望に合った求人
- 行きたい会社に内定する可能性
- 選考書類の書き方・チェック
- 面接対策のアドバイス
結果的に、転職エージェントを活用しないで転職する選択肢はあります。
それでもプロから無料で転職のアドバイスをもらえる機会を捨てるのはあまりにもったいないですよね?
少なくとも転職を数回しか経験しないあなたよりも、彼らははるかに多くの人の転職をサポートしています。
転職は成功確率を少しでも上げるために、転職エージェントに必ず相談しましょう。
いくつかおすすめの転職エージェントを紹介します。
さらに知っておきたいこと
ここでは、第二新卒転職を成功させる方法を見てきました。
この年代では周りの人も転職の知識はあまりないことが多いです。
ちょっとした知識、ちょっとした対策で差がつけやすいです。
ぜひ知識を身につけて、よりよいキャリアを目指しましょう。
ほかにもキャリア・転職に関する記事がありますので、こちらもどうぞ。