転職率の推移と国際比較の統計。日本は世界的に低い?年齢別・新卒情報まで

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ゆか

日本の転職率ってほかの国より低いイメージだよね

man
まっくす

終身雇用とか、最低3年みたいな文化だからね

日本の転職率ってどのくらいかご存知でしょうか?

  • 日本の転職率は海外よりも少ない
  • 転職する人は増えている

というようなことを聞いたことがあるかもしれません。

ただ、具体的なデータを見たことがある人は少ないのではないでしょうか。

正解は5%前後です。

20人に1人と考えると、そこまで多くないようにも思えます。

ここから、転職率の推移や年齢別のデータ、他国比較などを見ていきます。

転職率・転職者数の全体推移

転職率全体の推移

まずは、全体の数値ですが、このようになっています。

  • 転職率は5%前後で推移
  • 女性の方が高い
  • 過去10年では、リーマンショックの2008年前後が高い
  • 直近ではやや微増
全体 男性 女性
2008年 5.3% 4.5% 6.3%
2009年 5.1% 4.2% 6.3%
2010年 4.5% 3.7% 5.6%
2011年 4.5% 3.9% 5.5%
2012年 4.6% 3.9% 5.4%
2013年 4.5% 4.0% 5.3%
2014年 4.6% 3.8% 5.6%
2015年 4.7% 3.9% 5.7%
2016年 4.8% 4.0% 5.8%
2017年 4.8% 4.0% 5.7%
2018年 4.9% 4.1% 6.0%

出典:総務省の労働力調査(2018年)

転職率は上がっていますが、リーマンショックのときの方が高かったようです。

だいたい5%前後で女性の方が高いです。

理由は非正規比率の高さや出産・育児の影響が大きいと言われています。

女性の非正規比率

非正規比率は全体で4割弱ですが、女性の方が圧倒的に多いです。

女性の場合には半分以上が女性です。

女性の方が結婚・出産・育児などに影響されやすく、非正規雇用になりやすいという側面があります。

全体 男性 女性
正規 3,476 2,339 1,137
非正規 2,120 669 1,451
非正規
比率
37.9% 22.2% 56.1%

転職者数の推移

転職数は300万人前後を推移しています。

転職者数
(万人)
2008年 335
2009年 320
2010年 283
2011年 284
2012年 286
2013年 287
2014年 291
2015年 299
2016年 307
2017年 311
2018年 329

年齢別の転職者数の推移

年齢階級別の転職者比率

年齢別でも転職者比率は大きく違います。

  • 若いほうが転職率は高い
  • 15~24歳の転職率は10%を超える

年齢が上がるほど転職は難しくなりますが、実際に転職する人の割合も減っていきます。

若者はすぐ辞めるといわれますが、若者の転職比率はそこまで変化がないようです。

新卒3年以内の離職率推移

社会に出たばかりの人たちの離職率も見ていきましょう。

学歴ごとのデータとなっています。

  • 中学、高校、大学と教育を受ける期間が長いほど離職率は下がる
  • 中卒、高卒、大卒とも多少のばらつきはあるが、ほぼ横ばい

出典:厚生労働省の新規学卒者の離職状況を基に計算

よく指摘されていることではありますが、若者の離職率はさほど増えていません。

すぐ辞めるという層は以前から一定数いるので、そこまで大きな差はありません。

いつの時代も「最近の若者は…」という人はいますが、実態として大きな変化はあまりないわけです。

転職率の国際比較

各国の転職率を横並びで比較というデータはなかなかありませんが、近いデータがいくつかあったので、ご紹介します。

国別の勤続年数の統計データ

今の会社における勤続年数を横並びに評価している統計です。

  • 日本だけが今の会社で勤続年数が1年未満の比率が10%を切っている
  • 日本以外にイタリア、フランス、ベルギー、ドイツあたりは勤続年数が長い傾向にある
1年
未満
1年
~10年
10年
以上
イタリア 11.7 38.7 49.6
フランス 14.1 39.1 45.8
日本 8.0 47.5 44.5
ベルギー 12.2 44.2 43.5
ドイツ 14.2 43.0 39.7
オランダ 17.9 43.4 37.4
オース
トリア
16.3 46.8 36.9
フィン
ランド
20.6 43.0 36.2
ノルウェー 14.3 51.9 32.4
スウェー
デン
21.5 46.1 31.8
イギリス 17.1 50.8 31.6
カナダ 19.4 51.5 29.1
アメリカ 22.6 48.6 28.9
デンマーク 24.0 50.0 25.9
オースト
ラリア
20.1 56.1 23.7
韓国 31.5 47.3 21.1

出典:労働政策研究・研究機構 国際労働比較 2018を基に計算

これを見る限り、日本は平均的に長そうですが、ほかにも長い国が多いのは、印象的です。

勤続1年以内が少ないというのは、転職したばかりの人が少ないということなので、転職率が低い傾向がわかります。

個別の国で見る

アメリカの場合

米国の労働統計局によると、18歳~50歳の間に平均して11.9の仕事を経験したというデータや勤続年数の中央値が4.2年というデータが出されています。

出典:https://www.bls.gov/news.release/tenure.nr0.htmhttps://www.bls.gov/news.release/pdf/nlsoy.pdf

EUの場合

広いですが、EUROSTATのレポートでEUでは2012年には平均勤続年数が123ヶ月と約10年になったとのことです。

イギリスの場合

LV=という生命保険会社の発表では、平均して5年に一度転職するという調査結果を出しています。

日本と比較すると

日本でも独立行政法人労働政策研究・研修機構が平均勤続年数に関して調査をしています。

全体で12年前後となっています。

結論:世界的にも転職率は低いが、同程度の国もある

調べてわかるのは、イギリスやアメリカに比べると転職率は低く、EU各国と比べてもやや低めです。

一方で、イタリアやフランスなど日本並みに勤続が長いと思われる国もあります。

肌感でいうと、自分が長期滞在したことがあるのは、イギリス・アメリカ・インドネシアですが、それらの国に比べると転職率が低いのは確かです。

ちなみに、東南アジアは統計データを見つけるのが大変なのですが、インドネシアの場合には2~3年でポンポン転職していました。

32歳で5社目、6社目とかでもあまり違和感がないレベルです。

世界と比べるといっても国はたくさんあるので比較はなかなか難しいですね。

失業率も国によって違ったり、途上国は統計データが整備されていなかったりするので、あくまで目安となります。

さらに知っておきたいこと

 ここでは、自分も実態として気になっていた転職率について見てきました。

ほかにもキャリアの話や統計情報について書いています。他の記事もぜひどうぞ。

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