転職面接に自信はありますか?
日本では、転職を経験する人でも2, 3回程度の人が多いですし、慣れるほどの回数を転職する人も多くないでしょう。
また、はじめての転職であれば、なおさら新卒の面接とは異なることもたくさんあります。
僕は自分では3回転職をし、採用側としても100人以上と面接をしてきたので、面接を成功させるコツはだいぶわかってきました。
ここでは、転職の面接を成功させるポイントや実際の面接での質問への答え方などを紹介します。人生でそう何回もない転職活動なので、ぜひ成功させましょう。
面接成功の5ポイント
具体的な質問や回答の前に、そもそも面接にあたって理解しておいた方がいい、いくつかのポイントがあります。
面接にどう答えるかは確かに大事ですが、面接の場は想定される質問に完璧な回答を準備して、それを伝えるだけではうまくいきません。
- 面接官や会社によって見るポイントは違う
- 見た目や話し方やマナーも大事
- 選考書類は重要
- 逆質問はチャンス
- エージェントにも手伝ってもらった方がいい
それぞれ見ていきましょう。
1.会社・面接官によって見るポイントは違う
志望動機を使い回すことはあまりないかもしれませんが、自己PRや長所・短所などの回答は使いまわしていませんか?
もしあなたが、質問に対する完璧な回答を作り、それをすべての会社で使いまわそうとしている場合には注意が必要です。
人を見るポイントは、同じ業界や職種であっても大きく異なります。
新卒のときにはざっくりとポテンシャルが見られますが、年齢が上がるとよりマッチしているかどうかが見られます。
すべてオリジナルの回答を作る必要はありませんが、あなたの答えがその会社の社風とまったく違う、求める人材と離れているということは避けましょう。
同じように面接官が誰かによっても変わります。
多くの会社では、1次面接では人事担当、2次面接では応募した部署の上長や部長、3次面接では社長や担当役員と面接に応じて担当者が変わります。
人事担当には会社とのマッチ、部署担当にはポジションやチームとのマッチ、役員層には、人間性や会社のビジョンとの一致を訴求できるとよりよいです。
2.見た目・話し方やマナーも大事
面接ではどうしても、質問にうまく答えられたかどうかが気になります。
ただ、自分で面接をしていて感じたのは、開始数分くらいでだいたいの合否が決まることです。
具体的には、あなたの髪型・服装だったり、話し方や声の大きさ・トーン、マナーや挙動でなんとなくの判断をします。
もちろん、その後に質問などのやり取りで最終的に判断をしますが、最初の印象に引きずられる部分はあります。
これは、若い人ほど顕著になります。
過去の経験が少ないので、どうしても面接中の様子で判断しなくてはいけない部分が多いからです。
たとえば、以下のような内容はチェックしておきましょう。
- しわ・シミ・においのない服装をする
- 髪は清潔感がある髪型にする
- 適度な笑顔をする
- 挨拶やお辞儀をしっかりする
- 姿勢をよくする
- 適度に相手を見る
- ちょうどいい声の大きさ・スピードにする
- ちゃんと話を聞く
非常に当たり前に思われるかもしれませんが、こうしたことができていない人が結構います。
服装が少しだらしなかったり、こちらの目を見れなかったり、暗そうな印象だったりする人が結構います。
こちらもマナーや服装について書いた記事がありますので、心配な方は参考にしてみてください。
3.選考書類は重要
履歴書や職務経歴書は重要です。
多くの会社では書類選考があるので、そもそも面接をしてもらうには書類選考に通る必要があります。
ただ、それだけではなく、選考書類は多くの場合、そのまま面接でも使われていきます。
そこに、1次面接や2次面接の人の評価などが足されながら、面接前にあなたの印象が決まっていきます。
履歴書や職務経歴書の書き方次第では、あなたの印象が変えられますし、面接で聞かれる内容も多少はコントロールすることができます。
書類を作るうえでは、書類選考に通るかどうかだけではなく、面接で深掘りされたときなども考えた書き方をすることが重要です。
4.逆質問は重要
面接の終わりに、「では何か質問はありますか?」と聞かれることがほとんどです。これを逆質問とも呼びます。
逆質問でそれまでの結果を完全にひっくり返すということは難しいですが、対策することで確実に好印象が得られます。
個人的に逆質問が重要だと思う理由は、面接の中で唯一、自分がコントロールできることだからです。
あなたは面接官も選べませんし、聞かれる質問も選べませんが、逆質問のときだけは自分が主導権を持って進めることができます。
いくつか逆質問の例をご紹介します。逆質問では、聞きたいことを聞くことと、
- 御社で中途入社で活躍している方はどのような方がいますか?どのようなバックグラウンドで入社後どれくらいですか?
- 今回のポジションに関しては、どのような役割や成果を期待されていますか?
- 典型的な1日のスケジュールはどのようになりますか?
- 今後の採用では、どのような事業でどのようなポジションの人たちを採用していきますか?
- 御社のビジネスは〇〇が重要かと思いますが、競合他社とはどのように差別化されていますか?
さらに知りたい方は関連記事もどうぞ。
目的別の逆質問の方法や聞き方に注意したほうがいい質問、面接官ごとの逆質問などに関して説明しています。
5.プロにも手伝ってもらう
最後に、転職エージェントにも手伝ってもらうのもポイントです。
たとえば、このようなメリットがあるからです。
- 豊富な転職情報を持っている
- 選考に関するアドバイスがもらえる
- 代わりに求人を探してくれる
- 代わりに給与や時期の交渉をしてくれる
- リスクがほとんどない
とくに、選考に関するアドバイスがもらえるのは大きいです。
書類や面接の選考は重要な割には、フィードバックをもらう機会が少ないです。
転職エージェントを活用すると、
- 模擬面接で指摘をもらえる
- 選考時に面接のフィードバックをもらえる
ので、自力に頼らずに面接対策を進めることができます。
企業求人の紹介や書類添削などほかのメリットも多数あり、転職の成功確率が上がります。
大手の総合型エージェントは、求人の選択肢もサポートの質も安定しています。
その中でもおすすめできる会社がこちらですので、ぜひ相談しましょう。
面接でよくある質問と回答例
ここでは、面接のよくある質問や回答例をご紹介します。
面接で聞かれる質問はある程度パターンが決まっています。
新卒のときには、やや変わった質問もあるかもしれませんが、中途採用ではあまりそういったものもありません。
ここでは、質問の意図や答えるときのポイントにも触れていますので、ぜひ応用して自分なりの答え方を考えてみてください。
▼絶対に聞かれる質問
1.自己紹介をお願いします
2.あなたの経歴を教えてください
ほとんどの面接がこの自己紹介から始まるかと思います。
あなたが面接の最低限の準備をしてるかということ、あなたのキャリアと募集している仕事が合っているかを見ます。
答え方のポイントは、簡単にあなたの経歴がわかることと、どのような経緯でキャリアを選んできたのかを伝えることです。
基本的にこの質問からほかの質問に派生していくので、志望動機や強みの話につながっていきやすい要素があるといいです。
長くなってしまう人もいるので、1~2分程度にまとめたいですね。
あなたの経験について教えてくださいと聞かれたときには、2~3分話してもいいかもしれません。
また、答える内容ではなく答え方に関してもかなり見ています。自身を持って、明るく話しましょう。
- ○○と申します。大学卒業後、△△株式会社で、ウェブ広告の営業として3年間働きました。大手のクライアントも担当し、予算の150%の数字を達成し、全社MVPにも選ばれました。その後、マーケティングの部署に移動し、法人向けのマーケティングに携わりました。広告出稿の最適化や自社メディアの立ち上げでクライアント数を大幅に増やすことができました。さらにマーケティングのスキルを高めたいと思い、応募させていただきました。
- 長すぎる説明(〇〇年に生まれ、△△で育ち…)
- 履歴書の棒読み
3.志望動機はなんですか?
4.なぜ他社ではなく、弊社なのですか?
こちらもスタンダードな質問です。
最低限の会社の理解や、面接に対する準備ができているかを知りたいという意図です。
答え方としては、その理由であれば確かにうちの会社だと納得してもらえるようなものがいいです。
ここからの派生としては、なぜその理由が大事なのかという価値観の話やなぜほかの会社でなくうちなのかという深掘りが多いです。
実際問題として、競合他社との差があまりない会社もあるので、採用ページにある文言やオンラインでの評判を調べて、その会社のカラーを調べておきましょう。
競合のページも確認して、違いがあるところを志望動機に盛り込めるといいです。
中途なので、働いてみてあらためて気づいたような視点を伝えられると、なおいいでしょう。
- もともと海外展開に興味があり、海外インターンや留学などで、海外に携わるようにしてきました。前職では、海外事業は縮小となってしまい、関わることが難しかったため、IT業界の中でもっとも海外展開に積極的な御社に応募させていただきました。
- 給料が上がるので応募しました。(福利厚生や勤務条件は避けましょう)
- 御社で勉強させていただきたいです。(中途採用ではどう貢献できるかが必要です)
- ITの営業がしたくて応募しました。(なぜその会社かを追加しましょう)
履歴書に書く志望動機は、面接でも聞かれます。そのまま使えるので、こちらもどうぞ。
参考:【例文あり】履歴書の志望動機の書き方!転職・新卒・バイト・パートまで
▼あなたの人間性を掘り下げる質問
面接ではあなたの能力や経験だけでなく、あなたが会社に合っているかどうかも見られます。
ここでのポイントはあなたが会社に合っている人材であるということが伝わるようにすることです。
5.あなたの強みはなんですか?
6.あなたの課題はなんですか?
7.あなたの長所と短所はなんですか?
あなたが今回の仕事で強みを発揮できそうかを把握するものです。
強みのポイントとしては、強みが応募している仕事と関係すること、その強みが具体的な経験に裏づけられていることの2つです。
自分の強みを簡潔に伝えて、それを説得する経験、なぜそれが今回の業務と関連するのかを答えられるといいです。
注意としては、あなたが一番いいたいことではなく、一番その仕事に活かせそうなものを答えることと、他社でも十分に使えそうなものをアピールすることです。
- 私の強みはリーダーシップです。社内で部門横断のプロジェクトリーダーとして、プロジェクトのキックオフから終了まで担当しました。利害関係の異なる部署の利害を調整し、着実にプロジェクトが進むように多くの人を巻き込みながら進めました。プロジェクトは成功し、社長賞を受賞しました。この経験は、さまざまな人を取りまとめることが求められるこの仕事においても活きると思います。
- 私の強みは、コミュニケーション能力です。エンジニアでも他部署とのコミュニケーションが必要になり(経験と応募ポジションが合わない)
- 私の強みはメンタルの強さです。前職では、高いプレッシャーに耐えて仕事を続けました。(限定的な企業でした評価されません)
あなたの弱みが今回の仕事に影響を与えるものかどうかを判断するものです。
弱みの答え方のポイントは、本当の弱みを答えないことです。
ベンチャーの場合には、正直に答えることが評価されることもありますが、多くの会社ではそうではありません。
さらに高みを目指すような答え方や長所の裏返しのような答え方が一般的とされています。
明らかに弱みであるものも明らかに弱みでないものもよくないので、見方によっては弱みに見えるというバランス感を持って答えましょう。
前職では良くなかったが、新しい職場では受け入れられるような内容もOKです。
- 私は既存顧客との関係構築や提案をメインに行なってきたため、新規開拓やアライアンス構築の経験が足りていません。より多様な営業手法をマスターしていく必要があります。
- 私は自分なりに工夫をしたいと考えています。ただ、言われたことをそのままやったり、前例がないという理由だけで、新しいことができないことが苦手です。(応募職種で提案が奨励されていればgood)
- 私の弱みは時間を守れないことです。1週間に1回は会社に遅刻してしまいます。(明らかな弱みはNGです)
- 私の弱みは集中しすぎてしまうことです。仕事に没頭しすぎて、1週間の予定の仕事を2日で終わらせてしまいました。(明らかに弱みではありません)
- 私の弱みは、苦手なタイプの人がいることです。頭の堅いタイプの人とは合いません。(応募した会社でも同じことが起こりうることは避けましょう)
8.周りの人からどんな人だと言われますか?
この質問はあなたの本当の強み・弱みを知るための質問です。
強みや弱みに関する質問が対策されすぎているために、別の聞き方をして応募者のリアルな姿を知りたいという背景や自己認識と他社認識の一致が見られます。
ここでの答え方のポイントは、強み・弱みと変わりません。過去に上司や同僚から受けたフィードバックをもとに、同じようなことに注意して答えましょう。
弱みも聞かれることがほとんどだと思うので、ここでも答え方に気をつけましょう。
もし聞いていないのであれば、この機会に親しい同僚などに聞いておきましょう。自信を持って答えられるのでベターです。
- 成果にこだわる人だといわれます。営業のときに、目標を必ず達成できるように仕事を進め、最後まで達成できるように粘っていたからだと思います。周りの人からは少し変わっていると見られていたかもしれません。
- わかりません。(他社の目線を気にしない人だと思われます)
- 融通が利かない人だと思われることもありますが、私は気にしていません。(他の人とと働けるかが不安になります)
- すべての人からムードメーカーとして好かれていました。(良すぎるものは怪しまれるので、伝え方を気をつけましょう)
9.得意なタイプの人・苦手なタイプの人はどんなひとですか?
中途採用ということは既存のチームの中に入っていくことになります。
ほかの人とちゃんと協働できるのかチームプレーヤーかということ確認する質問です。
この質問は得意なタイプの人にはあまり興味がなく、苦手なタイプの人が聞きたいものです。
こちらも本当に苦手なタイプというよりは、大部分は相手が悪いが、100%悪いわけではない人を取り上げるのがいいです。
答え方のポイントは、基本的には相手に責任がある人を取り上げる、その理由を説明する、実際にどう対処するかを説明するということです。
いずれにせよ、理由も聞かれると思うので、簡潔に伝えてもいいでしょう。
得意なタイプは自由に答えて構いませんが、NG回答だけ見ていきます。
- 趣味が合う人が好きです。(仕事に関係のあることにしましょう)
- 遅刻しても怒られない寛容な人が好きです。(自分の印象が悪くなるものは避けましょう)
- 私は時間にルーズな苦手です。前職でプロジェクトのリーダーをしていたときに、あまり期限を守らない人がいたため、あらかじめ予定にバッファを取ったり、早めにリマインドをしたりしてフォローしましたが、こういう人がいると工数が増えるので苦手です。
- 一人もいません。(嘘をつく人だと思われます)
- セクハラやパワハラをする人が苦手です。(相手が悪すぎる例は避けましょう)
- あまりにも仕事ができない同僚がいたので、無視して代わりに自分でやりました。(協調性が疑われる回答はやめましょう)
10.仕事で大切にしていることはなんですか?
11.あなたにとって仕事とは?
あなたの仕事に対する価値観を確認するものです。会社とあなたの価値観が合っているかを見られます。
答え方としては、こだわりやプライドを伝えるが、あまりにも柔軟性にかけるものは避ける。応募している会社と矛盾しないようにするという2点です。
- 私は仕事で挑戦することを大切にしています。どんな業務であっても新しいことに取り組める可能性があります。営業数字を取りまとめるときには、それまで手動で手間がかかっていたものを新しいツールを使って、自動化しました。
- 私にとって仕事とは、自己実現の手段です。自分が新しい経験やスキルを習得するたびに、自分ができることが広がり、人生が充実していきます。
- 小宇宙と一体化することです。(宗教色、個性が強すぎるものは避けましょう)
11.尊敬する人は誰ですか?
あなたの価値観をどういう人を尊敬するかで測ることもあります。その人がキャリアの目標となっている場合には、あなたのキャリア観もわかります。
答え方は、尊敬する理由を明確にすることです。面接で聞かれる内容なので、仕事やキャリアに関係のあるものにしましょう。
- 私はスティーブ・ジョブズを尊敬しています。彼はまだ世の中にはない、顧客が望むものを作り続けました。自分も彼と同じように、新しい商品やサービスによって、顧客の体験を一変するような人間になりたいと思っています。
- キムタクを尊敬しています。テレビで見てかっこ良かったからです。
- 親を尊敬しています。自分を育ててくれたからです。(できたらビジネスに関係のあるものにしましょう)
12.趣味はなにかありますか?
あまりにも仕事よりの質問が多くなったり、面接の雰囲気を変えたりするときに使う質問です。
仕事にとどまらないあなたの人間性を聞くときに使います。
答え方は、仕事に関連していないものでもいい、話が広がりそうなものを選びましょう。
- 私の趣味は将棋です。子供のころから好きでしたが、オンラインでもやりますし、将棋道場に行くこともあります。最近では、オンラインで名人戦や竜王戦も見れるので、そういったものを見て勉強しています。
- モンハンがマジでパンパないです。(熱中しすぎても、言葉遣いやマナーは気をつけましょう)
- アイドルが大好きで、有給を取ってすべてのライブに行っています!(仕事に影響があるものは避けましょう)
13.最近はどんなことを勉強されていますか?
趣味に近い部分もありますが、多少ビジネス的な要素もあります。
答え方の方向性としては、仕事に関連性を持たせる、仕事以外の要素でも幅広さを持たせるというどちらもありえます。
向上心や関心の広さを見せられるといいです。
- 最近は、プログラミングを勉強しています。手作業でやっていることを効率化できればと思うことがあり、簡単なツールを自分で作っています。
- 心理学について勉強しています。人間がどのように考える傾向があったり、どのように間違ったりするかに興味があります。
- 勉強はしていません。(向上心がないと思われます)
- 本を読むくらいですね。(具体的な分野や本の名前など話が広がるようにしましょう)
14.最近、なにか気になるニュースはありましたか?
こちらも上の質問に近いです。同じように自分の興味・関心に関して伝えられるといいでしょう。
ゴシップはリスクがあるので、無難なニュースと簡単な理由が説明できるといいです。
- 待機児童の問題に興味を持っています。人口が減少する中で、出生率を上げていくことが重要になっていますが、子育てに対する支援がもっとも広がっていく必要がありそうだと思っています。
- ニュースは見ません。(無関心だと思われます)
- ○○さんが不倫していたのにはびっくりしました。(ゴシップは避けましょう)
▼経験・能力を深掘りする質問
中途採用では、ポテンシャル以上にあなたの現状の経験・能力が重要です。
それを見極めるための質問なので、あなたの能力や経験を具体的な経験や事実で裏付けて説明できることです。
15.前職での最大の成果はなんですか?
経験に関してもっともオーソドックスな質問です。もっとも印象的な仕事、達成したことなどほかの聞き方で質問されることもあります。
あなたが残した成果からあなたがどのようなスキルや経験を持っているのかということを把握する意図です。
ポイントは、その経験がいかにすごいか、どういう困難があったか、なぜ達成できたのか、その経験から何を得たのかという4点を盛り込むことです。
会社外の人に成果を伝えるにあたってはできる限り、定量化しましょう。また、会社に関係なく成果を上げられることも伝えましょう。
- 私は前職で営業企画として、契約数を1.5倍に伸長させました。営業担当の数字・行動管理を徹底し、見える化しました。最初は営業担当の理解を得るのが大変でしたが、根気強く説得していき、営業リーダーの協力も得ることができ、数字がどんどん改善していきました。関係者と細かくコミュニケーションをとること、ゴールイメージを共有することの重要さを知りました。
- たまたま友達がクライアントにいて、大型の受注ができました。(再現性がないように思われます)
- 商品がよく、市場も伸びていたので、売上を伸ばすことができました。(あなた自身の工夫や能力を伝えましょう)
16.あなたの失敗経験を教えてもらえますか?
基本的には成功体験と伝える内容はあまり変わりません。
見られるのは、あなたがどのようなチャレンジをしていて、失敗から学べる人なのかどうかということです。
答え方のポイントとしては、どのようなチャレンジをしたか、なぜうまくいかなかったか、何を学んだかを盛り込むことです。
- 新規事業に失敗してしまったことです。ユーザーのニーズがないサービスを作り込んでしまい、ほとんど使われないでプロジェクトは解散してしまいました。ここから、早めにユーザーへのヒアリングすることや、サービスの仮説検証方法について学びました。
- ありません。(チャレンジしていないと思われます)
- 大事なMTGに寝坊してしまい、大型のクライアントを失ってしまったことです。(致命的すぎます)
17.マネジメント経験はありますか?
30代に入ると、マネジメント経験についても聞かれることが増えます。シンプルにあなたの管理職としてのポテンシャルがあるかを見られています。
答え方としては、マネジメント経験があればどういったポジションでどういった人たちのマネジメントに携わっていたか、なければ近い経験について言及しましょう。
具体的に上げた成果についても言及できるといいです。
- 営業部のマネージャーとして10人のマネジメントをしていました。営業の数値管理や顧客管理に携わり、部の売上を20%伸ばすことができました。
- 具体的な役職としてはありませんでしたが、後輩のメンターという形でサポートしていました。提案資料の作成方法や重要なクライアントへの同行をすることもありました。その後輩が部署でのMVPを取り、非常に嬉しかったのを覚えています。
- 3年での昇進は難しかったので、ありませんでした。(近い経験を探してみましょう)
18.弊社に入社されたらどのように貢献できますか?
これはあなたがどれくらいリアルに貢献するイメージを持てているのかを知るための質問です。
答え方のポイントは、具体的なイメージを伝えること、それをあなたの経験や強みで裏づけることです。
- 前職で、マーケティング戦略に携わっていたので、現状のプランを見たうえでの改善、とくにオンラインマーケティングに関しては、施策の立案から実行までは早い段階で進められると思います。
- 入らないとわかりません。(回答に幅がありうる質問も前提を置いたりして答えるようにしましょう)
19.会社に対して、こうした方がいいという提案はありますか?
上の質問にも近いですが、とくにベンチャーなどでは、聞かれることがあると思います。
入社後にどうしたいということではなく、今あなたの知りうる情報で改善点や改善の方向性を伝えることです。
ここでは、当事者意識と問題解決のアプローチを見られています。情報が限られている中で、具体的な答えを伝えることは難しいです。
答え方のポイントは、知っている範囲内での改善点を伝えること、コミュニケーションを取りながらアプローチの方向性を伝えることです。
- 全体的なマーケティング戦略にもよりますが、競合と比較すると、SEOが弱いのとSNSが活用しきれていない部分があるので、そこのアプローチを考えるかと思います。
- 具体的な情報がないと答えられません。(コミュニケーションを取りながら必要な情報を収集して答えましょう。
▼キャリアについての質問
あなたのキャリアの考え方に関してもいろいろな質問がされます。
とくに企業は長く働いてくれる人を好むので、この人は長く働きそうだと伝えることがポイントになります。
20.なぜ転職を考えているのですか?
転職理由はほぼ必ず聞かれる質問の1つです。
面接官が本当に聞きたいのは、あなたが転職を考えている理由が自分の会社では当てはまらない理由です。
答え方のポイントは、ポジティブに答えることと、転職理由がその会社には当てはまらないことの2点です。
- 私は、営業として多くのクライアントに携わってきましたが、会社の規模もあり、業務が細分化しており、プロセスの一部にしか関わることができていません。どうしても顧客を最後までサポートできないことが残念です。こうした背景からより幅広く営業に携われる会社に転職を考えるようになりました。
- 前の会社の上司との相性が悪く、退職しました。(同じリスクが新しい会社でもありうるため、ネガティブに思われます)
- 会社の経営状況が悪く、チャンスが少なかったため、退職しました。(会社だけを理由にすると、他責思考の人だと思われます)
- 給料が低いのでやめようと思いました。(待遇を条件にまた転職するのではないかと思われる可能性があります)
21.なぜ今の会社を選びましたか?
転職理由に関しては準備しているケースがほとんどだと思います。
では、その転職しようとしている会社にはそもそもなぜ入社したのかということが聞かれることもあります。
答え方のポイントとしては、なぜ入社したのかと、どうやってそれが達成された、あるいは不要になったのかを伝えることです。
- 今の会社に入社したのは、社会人としての基礎力を作るとともに、大企業での事業を回すための仕組みや意思決定の流れを知るためでした。実際、3年間働き、ある程度の能力や企業の仕組みも理解することができました。
- なんとなく、受かった会社から決めました。(転職理由や志望動機と同じように説得力のある理由にしましょう)
22.5年後・10年後は何をしていたいですか?
23.将来の目標はなんですか?
面接では将来について聞かれることもあります。これはあなたが応募している業務があなたの将来とつながっているかどうか、合っているかどうかを見るものです。
答え方のポイントとしては、応募している仕事とマッチしていること、将来像がその会社で実現できることの2点です。
- 将来的には事業責任者になりたいと考えています。営業経験を活かしつつ、マーケティングや開発や会計などの能力を身につけていき、5年以内に事業全体を見ることができるようになっていたいです。
- 3年間ここで勉強してから起業します。(ベンチャー以外では、働き続けることが前提の理由が好ましいです)
- 5年後はより大きな企業で経営企画として活躍するつもりです。
▼しっかり説明したい質問
転職回数やブランクを気にされることがあります。該当する人はちゃんと答えられるようにしましょう。
24.転職回数が多いようですが、なぜですか?
日本では転職回数が気にされることは多いです。20代では3回、30代では5回以上くらいになると多いと思われます。
複数回転職される人は聞かれる可能性が高いので準備しておきましょう。
面接官として気になるのは、また早いタイミングで転職してしまうのではないかということです。
答え方は、どのような理由でそれぞれの会社に転職してきたかを、明確な基準やストーリーで結びつけることです。
- 転職回数は多いほうだと思います。私は自分の経験の幅を広げるため、それぞれの職場で結果を出しつつ、さまざまな業務に携わってきました。御社ではこれまでの経験を活かし、事業全体を見られるようになるつもりです。
- 私は、ものごとを続けるのが苦手で、すぐにやめたくなってしまいます。(この質問でネガティブな理由はNGです)
25.ブランクの間はなにをされていましたか?
ブランクに関しても気にされることが多いです。とくに6ヶ月超えるような場合には、基本的に聞かれると思っておきましょう。
長くなればなるほど、答え方に注意が必要になります。答え方のポイントは、ブランクの理由の妥当性、ブランクの理由と期間の妥当性です。
- 前職が非常に忙しかったため、海外旅行でリフレッシュをしたり、自分の好きなことを勉強したり、今後のキャリアについて考えていました。それが、落ち着いたタイミングから転職活動をはじめました。
- 気分転換に遊んでいました。(リフレッシュも理由にはなりますが、ほかの要素も入れましょう)
- 病気の療養をしていました。(今は完治していることや問題がない理由を伝えましょう)
- 家族の介護をしていました。(同じく、現状の説明を補足しましょう)
▼トリッキーな質問
中途採用ではあまり多くありませんが、トリッキーな質問がされることもあります。簡単に見ておきましょう。
26.あなたを動物にたとえるとなんですか?
中途採用で聞かれることはあまりないかもしれませんが、あなたのことを知るための質問です。
対策されている質問ではなく、少し変わったもので本音を探ろうとする目的もあります。
答え方のポイントは、ほかの強みなどの質問との整合性を持たせる、会社とのマッチを意識することでしょうか。
- 私は猫です。一見そっけないですが、最後は家に戻ってきます。マイペースに見えるかもしれませんが、しっかり成果は出します。
- 私は鳥です。気に入らない会社からはすぐに離脱します。(たとえてもネガティブな内容はNGです)
27.日本にタクシーの運転手は何人いますか?
一時期、このような問題が話題になりました。
フェルミ推定と呼ばれたり、コンサルティングの会社では、ケース面接と呼ばれる面接で使われます。
もちろん、これは暗記問題ではなく、前提を置きながら論理的に考えていく問題です。
答え方のポイントは、正しい答えを導くことではなく、考え方の道筋を明確にし、面接官とやり取りしながら、答えに近づくことです。
あまりにも回答が長くなるので、ここでは割愛します。
- うーん、3万人くらいでしょうか。(運試しではありません)
28.無人島に3つしか持っていけないとしたら何を持っていきますか?
これも正解があるタイプの問題ではありません。何を選ぶにせよ、理由を明確に答えられるようにしましょう。
▼転職活動についての質問
29.他にどのような会社を受けていますか?
答えにくい質問の1つですが、ポイントはふわっと答えることです。
受けていることは答えてもOKですが、具体的な会社や状況に答える必要はありません。
面接される側でもする側でもあまり、こまかく聞かれたり、聞いたりした経験はありません。
- IT業界を中心に何社か選考を受けています。ほとんどが書類選考中で、面接前の状態です。
- 御社しか受けていません。(計画性のない人だと思われる可能性があります)
- 5社受けており、御社以外の4社は書類で落ちました。(ネガティブな情報は伝える必要がありません)
30.どのような基準で転職活動をされていますか?
基本的には、志望動機に近い内容になるでしょう。もちろん、あなたが選考を受けている会社も含まれる必要があります。
答え方のポイントは、いくつかの会社は当てはまるが、すべての会社が当てはまるほど広すぎないことと明確でわかりやすいことです。
- IT業界の中で、海外展開に携われる可能性がある会社です。
- 給料が上がり、福利厚生がしっかりしている会社です。(福利厚生や条件面だけの理由は避けましょう)
- IT業界で新規開拓の営業ができる会社です。(広すぎるので、少し絞りましょう)
▼条件を確認する質問
条件に関しては、希望を伝えつつ、柔軟な姿勢を見せるのが基本です。
31.勤務地の希望はありますか?
シンプルに希望の場所と柔軟な姿勢をアピールしましょう。
- 東京を希望しますが、転勤がある場合には前向きに検討させていただきます。
- 絶対、東京でお願いします。(頑なな希望は印象が悪いです。家庭の事情などせめて理由を伝えましょう)
32.弊社は残業や休日出勤がありますが、大丈夫ですか?
もしあなたが残業や休日出勤が難しい場合には、事情も含めてちゃんと伝えましょう。
この質問があるということはそういった状況が想定されているということなので、不利になる可能性はありますが、入社後に判明するよりはいいです。
- 子供を保育園に預ける関係で、少しであれば可能ですが、その時間以降は難しいです。
- 基本的には問題ありませんが、恒常的に長くなる場合には、ご相談させていただければと思います。
- 絶対に無理です。(せめて理由を伝えましょう)
33.希望の年収はありますか?
こちらも同じで、希望と柔軟な姿勢を伝えます。年収を上げたい場合には、理由を伝えるとスムーズです。
- 現在の年収は〇〇万円です。希望年収は、御社規定に従うつもりですが、現在年収から20%のアップを希望します。マネジメント経験があり、類似事業でも成果を出しているため、結果を出せるかと思います。
- 絶対、東京でお願いします。(頑なな希望は印象が悪いです。家庭の事情などせめて理由を伝えましょう)
34.入社可能な時期はいつになりますか?
一般的には1~2ヶ月後になると思います。会社の規定や引き継ぎを考えて答えましょう。
なお、絶対正確な日付ではなく、目安で伝えれば大丈夫です。
- 会社の規定では、1ヶ月前に伝える必要がありますので、1ヶ月半~2ヶ月程度の時間をいただければと思います。
▼覚悟を確認する質問
面接の中であなたの熱意や覚悟を試されるような質問が来ることもあります。
答える内容もそうですが、答え方も見られているため、自信を持って答えましょう。
35.辛い仕事ですが、大丈夫ですか?
前向きに答えつつも、背景を確認したほうがいいかもしれません。離職率が高い、残業や休日出勤の可能性があります。
- 前職でもタフな環境には慣れているので、基本的に大丈夫かと思います。具体的にどのようなことを想定されているか教えていただけますか?
- 自信はありません。(少しでも前向きにしましょう)
36.弊社の志望度は高いですか?
37.内定をもらったら入社いただけますか?
答えづらい質問ですが、基本的には前向きに答えましょう。就活のときの第一志望問題と同じなので、元気よく答えるのがいいです。
- はい、ぜひ入社させていただければと思います。
- はい、ぜひ前向きに検討させていただければと思います。
- 内定をいただいたうえで、検討させてください。(少しでも前向きにしましょう)
さらに知っておきたいこと
ここまで、面接のポイントや具体的な回答についてご紹介しました。
面接は知識を得るのも重要ですが、実践がさらに重要です。
自分の服装、表情、話し方などは大事な要素ですが、自分で気がつくのは難しいです。
実践の中で他の人に指摘してもらうようにしましょう。
転職エージェントを活用すると、
- 模擬面接で指摘をもらえる
- 選考時に面接のフィードバックをもらえる
ので、実践での学習が加速します。
企業求人の紹介や書類添削などほかのメリットも多数あり、転職の成功確率が上がります。
大手の総合型エージェントは、求人の選択肢もサポートの質も安定しています。
その中でもおすすめできる会社がこちらですので、ぜひ相談しましょう。
ほかにもキャリアに関するコンテンツがあります。こちらもあわせてどうぞ。
“【転職面接の成功法】質問回答例37個と面接のポイント5つで徹底対策” への3件のフィードバック