あなたの年収は、かなりの部分が業界や職種、企業によって決まります。
その中での差はありますが、間違ったものを選ぶと年収を上げるのはかなり難しくなります。
ここでは、さまざまなランキングから年収・給料の高いものを紹介し、そのうえで、現実的な仕事選びの方法も解説します。
業界・業種別の年収ランキング
ランキングは複数あるので、それぞれ見ていきます。
政府の業界別年収ランキング
まずは、厚生労働省の賃金構造基本統計調査より年収を計算したものです。
業界分けがかなり広いために、飲食サービスが上位に来たり、医療がそこまで高くなかったり、違和感があります。
これによると、情報通信業が年収が高いようです。
順位 | 業界 | 年収 (千円) |
1位 | 情報通信業 | 6,554 |
2位 | 宿泊業,飲食サービス業 | 6,286 |
3位 | 不動産業,物品賃貸業 | 6,282 |
4位 | 運輸業,郵便業 | 6,159 |
5位 | 医療,福祉 | 5,995 |
6位 | 製造業 | 5,306 |
7位 | 建設業 | 5,200 |
8位 | 学術研究, 専門・技術サービス業 |
5,130 |
9位 | 電気・ガス・ 熱供給・水道業 |
5,020 |
10位 | 鉱業,採石業, 砂利採取業 |
4,912 |
11位 | 金融業,保険業 | 4,878 |
12位 | サービス業 (他に分類されないもの) |
4,723 |
13位 | 卸売業,小売業 | 4,527 |
14位 | 複合サービス事業 | 4,276 |
15位 | 教育,学習支援業 | 3,785 |
dodaの業界別年収ランキング
dodaの年収ランキングでは、金融系の業界が高くなっています。
たばこや医薬品など参入障壁が高い業界も高くなっています。
順位 | 業種名 | 平均年収 |
1位 | 投信/投資顧問 | 741万円 |
2位 | 財務/会計アドバイザリー(FAS) | 633万円 |
3位 | たばこ | 620万円 |
4位 | 医薬品メーカー | 601万円 |
5位 | 総合電機メーカー | 572万円 |
6位 | 医療機器メーカー | 557万円 |
7位 | 診断薬/臨床検査機器/ 臨床検査試薬メーカー |
551万円 |
8位 | 家電/モバイル/ ネットワーク機器/ プリンタメーカー |
538万円 |
9位 | 信託銀行 | 532万円 |
10位 | トイレタリー | 530万円 |
11位 | 証券会社 | 528万円 |
12位 | コンサルティングファーム/ シンクタンク |
520万円 |
13位 | CRO/SMO/CSO | 509万円 |
14位 | 電子/電気部品メーカー | 501万円 |
出典:doda年収ランキング
マイナビ転職の業界別年収ランキング
マイナビ転職のデータでも金融系が上位となっています。
ベンチャーキャピタルや外資系金融など専門性が高い仕事が高くなっています。
順位 | 業種名 | モデル 平均年収 |
1位 | ベンチャー キャピタル |
1,436 万円 |
2位 | 外資系金融 | 850万円 |
3位 | 証券・投資銀行 | 825万円 |
4位 | 不動産 | 760万円 |
5位 | 生命保険・ 損害保険 |
736万円 |
6位 | 金融総合 グループ |
659万円 |
7位 | 住宅・建材・ エクステリア |
655万円 |
8位 | リフォーム・ 内装工事 |
620万円 |
9位 | 精密機器 | 610万円 |
10位 | 環境関連設備 | 601万円 |
11位 | 専門 コンサルタント |
596万円 |
12位 | 建設 コンサルタント |
590万円 |
13位 | 商品取引 | 582万円 |
14位 | 通信関連 | 576万円 |
15位 | 建設・土木 | 573万円 |
出典:マイナビ転職
職種・職業別の年収ランキング
政府の職業別年収ランキング
同じく、厚生労働省の賃金構造基本統計調査より年収を計算したものです。
こちらは医師や会計士、弁護士などの難関資格が必要なものやパイロットや大学教授など年収が高いイメージのある職業が上位に来ています。
順位 | 職種 | 年収 (千円) |
1位 | 医師 | 12,327 |
2位 | 航空機操縦士 | 11,921 |
3位 | 大学教授 | 10,513 |
4位 | 公認会計士、 税理士 |
10,425 |
5位 | 弁護士 | 10,290 |
6位 | 大学准教授 | 8,618 |
7位 | 記者 | 8,221 |
8位 | 不動産鑑定士 | 7,777 |
9位 | 歯科医師 | 7,571 |
10位 | 大学講師 | 7,084 |
11位 | 自然科学系研究者 | 6,740 |
12位 | 高等学校教員 | 6,623 |
13位 | 電車運転士 | 6,432 |
14位 | 一級建築士 | 6,426 |
15位 | 電車車掌 | 5,844 |
給料BANKによる職業別年収ランキング
こちらは月収情報でやや特殊な仕事も多いです。
現実味のあるものとしては、新聞社、テレビ、アクチュアリー、商社、出版社などの職業が上位に来ています。
順位 | 職種名 | 平均 月収 |
1位 | プロ棋士 | 334 |
2位 | 新聞社主筆 | 183 |
3位 | アフィリエイター | 146 |
4位 | 美容整形外科医 | 140 |
5位 | デイトレーダー | 88 |
6位 | テレビ プロデューサー |
83 |
7位 | 競輪選手 | 73 |
8位 | アクチュアリー | 71 |
9位 | 商社 | 70 |
10位 | 出版社編集長 | 68 |
11位 | サッカー審判員 | 67 |
12位 | メロン農家 | 65 |
13位 | テレビ局 | 62 |
14位 | 大学教授 | 62 |
15位 | MR | 61 |
16位 | 新聞社社員 | 59 |
17位 | フードファイター | 56 |
18位 | 通信会社 | 54 |
19位 | 不動産会社社員 | 52 |
20位 | 製薬会社 | 51 |
出典:日本の給料&職業図鑑 業界別ビジネスマンSpecial
dodaの職業別年収ランキング
金融、コンサル、会計、マネジメントや企画系の仕事が上位となっています。
若手でも年収が高くなりがちな職種です。
順位 | 職種名 | 平均 年収 |
1位 | 投資銀行業務 | 855 |
2位 | 運用(ファンド マネージャー) |
837 |
3位 | 戦略・経営 コンサルタント |
722 |
4位 | プロジェクト マネージャー |
670 |
5位 | 内部監査 | 663 |
6位 | 会計専門職・会計士 | 657 |
7位 | 営業 (医薬品メーカー) |
651 |
8位 | 知的財産/特許 | 641 |
9位 | 経営企画/事業企画 | 617 |
10位 | プリセールス | 617 |
11位 | 営業ーCRO/ SMO/CSO |
616 |
12位 | 法務 | 614 |
13位 | プロジェクト マネジメント |
613 |
14位 | ITコンサルタント | 608 |
15位 | IT戦略・ システム企画 |
584 |
16位 | 先行開発/ 製品企画 |
580 |
17位 | 研究開発 | 572 |
18位 | 営業ー 医療機器メーカー |
568 |
19位 | 内部統制 | 566 |
20位 | 非臨床研究 | 558 |
出典:doda年収ランキング
マイナビ転職の職業別年収ランキング
マイナビのデータでもIT・不動産・金融関連の年収が高くなっています。
個人向けの営業職も意外に高いようです。
順位 | 職種名 | モデル 平均年収 |
1位 | システムアナリスト | 1,100 万円 |
2位 | 不動産営業 | 988万円 |
3位 | 金融営業(個人)・ リテール・FP |
916万円 |
4位 | その他設計・設備設計 | 880万円 |
5位 | コンサルタント (経営戦略) |
851万円 |
6位 | システムエンジニア (DB・ミドルウェア設計 /汎用機系) |
821万円 |
7位 | 用地仕入 | 802万円 |
8位 | 不動産事業企画 | 797万円 |
9位 | 弁理士・特許技術者 | 775万円 |
10位 | 営業・企画営業 (個人向け) |
769万円 |
11位 | システムコンサルタント (業務系) |
740万円 |
12位 | 公務員(技術系) | 732万円 |
13位 | 営業マネジャー・ 営業管理職 |
717万円 |
14位 | 経営企画 | 708万円 |
15位 | 金融営業(法人) | 708万円 |
16位 | 公認会計士 | 706万円 |
17位 | システムコンサルタント (ネットワーク・通信) |
700万円 |
18位 | プロジェクトマネジャー・ リーダー(汎用機系) |
700万円 |
19位 | コンサルタント (業務プロセス) |
681万円 |
20位 | セールスエンジニア・ FAE(その他) |
667万円 |
出典:マイナビ転職
企業のランキング
就職四季報の企業別年収ランキング
総合商社やテレビなど一般的に年収が高いとされている企業が多数、ランクインしています。
キーエンス(センサーなど)やファナック(ロボットなど)のように時価総額上位の会社もランクインしています。
順位 | 企業 | 年収 (万円) |
1位 | キーエンス | 1,861 |
2位 | 朝日放送 | 1,518 |
3位 | ヒューリック | 1,418 |
4位 | 三菱商事 | 1,386 |
5位 | 伊藤忠商事 | 1,384 |
6位 | ファナック | 1,318 |
7位 | 住友商事 | 1,255 |
8位 | 日本経済新聞社 | 1,254 |
9位 | 電通 | 1,248 |
10位 | 丸紅 | 1,221 |
11位 | 三井物産 | 1,213 |
12位 | 朝日新聞社 | 1,213 |
13位 | 住友不動産 | 1,205 |
14位 | 三菱地所 | 1,190 |
15位 | 野村不動産 | 1,188 |
16位 | 野村総合研究所 | 1,151 |
17位 | 三井不動産 | 1,141 |
18位 | 第一三共 | 1,134 |
19位 | 東京建物 | 1,099 |
20位 | 旭硝子 | 1,095 |
出典:就職四季報
プレジデントオンラインの企業別年収ランキング
上位に金融・マスメディアに加えて、M&A系の企業が多くなっています。
GCA、M&Aキャピタルパートナーズ、ストライク、日本M&Aセンターなどたくさんの企業がランクインしています。
順位 | 企業 | 年収 (万円) |
1位 | GCA | 2,140 |
2位 | M&Aキャピタル パートナーズ |
1,905 |
3位 | キーエンス | 1,862 |
4位 | 東京放送HD | 1,662 |
5位 | ストライク | 1,616 |
6位 | 朝日放送 | 1,516 |
7位 | フジ・ メディアHD |
1,485 |
8位 | 野村HD | 1,451 |
9位 | 日本テレビHD | 1,428 |
10位 | 日本M&A センター |
1,419 |
11位 | ヒューリック | 1,419 |
12位 | ソレイジア・ ファーマ |
1,398 |
13位 | 三菱商事 | 1,386 |
14位 | 伊藤忠商事 | 1,384 |
15位 | テレビ東京HD | 1,375 |
16位 | テレビ朝日HD | 1,374 |
17位 | スクウェア・ エニックスHD |
1,365 |
18位 | バンダイ ナムコHD |
1,354 |
19位 | 東京海上HD | 1,348 |
20位 | RKB毎日HD | 1,343 |
出典:プレジデントオンライン
個人的におすすめな仕事の選び方
やりたいことが明確にある人とそうでもない人がいるかと思います。
キャリアの話をいろんな人に聞くことがありますが、ほとんどの人は後者です。
やりたいことが明確にある人
やりたいことが明確にあるという人は幸せなので、そのまま突き進みましょう。
周りが気になることもあるかもしれませんが、あまり気にしないようにしましょう。
経済面だけを注意
唯一気にしたほうがいいのは、経済的に苦しくなることがないかどうかです。
スポーツ選手や俳優など一部の仕事では、食べていくのが難しいという状況が発生しやすいです。
介護士や保育士も職はありますが、経済的に厳しいという理由でやめる人たちが少なくありません。
自分が必要なお金と、それが自分で稼げそうかという2点を考えておきましょう。
やりたいことが明確にない人
やりたいことが明確にないという人は、選択肢が多くなるようなキャリアを選んでいく方法がおすすめです。
ここでは、以下の3つをおすすめします。
- コンサル・企画系の職種
- 金融業界
- IT業界の各職種
それぞれを簡単に補足します。
コンサル・企画系の職種
学歴が高かったり、数字の取り扱いや分析に自信があったりする人には、コンサルタントや企画系の仕事がおすすめです。
まず、企画系の仕事は、経営企画・事業企画・営業企画・商品企画などとさまざまありますが、給料が高い傾向にあります。
企画系の仕事の守備範囲は会社によって大きく異なりますが、どこの会社にも必要な機能で大幅に減ることはありません。
また、コンサルタントは戦略系であれば、早慶以上など高い学歴が要求されますが、総合系であれば、MARCHレベルでも十分可能です。
激務ですが、その後のキャリアは大企業・ベンチャーともに行きやすいです。
金融業界
金融業界は単純に高給だということもありますが、あらゆる企業で働ける能力が身につくというメリットがあります。
財務系の知識をつければ、CFOや財務部がありますし、会計系では経理や企画系よりの業務の可能性もあります。
金融系のベンチャー企業も増え、金融(Finance)×IT(Information Technology)のいわゆるFintechも盛り上がっています。
お金の形は変化していますが、今後もお金の価値が大幅に下がることは考えにくいです。
金融知識を持っておくことは非常にプラスで、つぶしが効きやすいです。
IT業界
かなり漠然としていますが、IT系も個人的におすすめです。
前の2つは間口がやや狭く、学歴や職歴によってはなかなか職探しが難しいこともありえます。
一方で、IT業界はブラックな企業も多いので注意は必要ですが、間口は広いです。
これは、エンジニアやプログラマー、デザイナーといった専門職だけではなく、いわゆる文系的な、営業やコンサルティングでも同様にメリットがあります。
まず、エンジニアやプログラマーはそもそも人が足りていないので、待遇はいいですし、転職をしたり、フリーランスで働いたりもしやすいです。
絶えず、新しい技術を学ぶ必要がありますが、プログラミングさえできれば、ずっと安泰でしょう。
営業やコンサルティングも実はかなりステップアップの方法があります。
上流に行けば、給料は上がりますし、大なり小なり、どの規模の会社でもIT化は必要で、プロジェクトを主導する人を外部から募ることもよくあります。
- (学歴・職歴などで)間口が広い割に、
- いろいろな企業で働ける可能性があり、
- キャリアアップも可能
という3点から強くおすすめします。
給料の上がらない企業からの転職はあり
上で見てきたように、業界や職種によって大きく年収に差があります。
あなたのいる業界が伸びていたり、あなたの会社が従業員に還元しないケースでは、いくら頑張っても年収を上げることは困難です。
自分が大企業にいたときには、部署で過去最高の営業成績を記録したときの昇給が月間2,000円だけということもありました。
一方で、友達では初任給で年収500万円を超えて20代半ばで1,000万円を達成している人たちもいます。(キーエンスやコンサルなど)
「頑張れば、給料は上がる」というのはよくある勘違いなので注意しましょう。
給料の上がりやすい会社で転職するほうが話は早いです。
転職エージェントに相談しよう
年収を上げる転職は、転職エージェントに相談するのがポイントです。
あなたの年齢と経験や能力などのレベルによって、選択肢は大きく変わります。
年収が高い求人を自分で見つけても、あなたの経歴と相性が悪ければ内定はもらえません。
転職エージェントの人は普段から多くの転職者をサポートしているので、あなたに合う求人を見つける能力も高いです。
会社選びさえ、間違えなければ長期的に給料は上げられます。
数回しか転職を経験しないあなたよりも、毎日のように多くの転職に向き合っている転職エージェントにアドバイスをもらいましょう。
求人探し以外にも書類や面接の対策など、転職エージェントに相談するメリットは計りしれません。
大手の総合エージェントは、求人数も多く、サポートも充実しているためにおすすめです。
中でもおすすめの転職エージェントがこちらです。
すでに年収が600万円以上あるという方はハイクラス向けのサービスを利用しましょう。
審査がありますが、年収の高い求人だったり、同じ企業でもまったく職種の異なる求人があったりします。
レジュメを登録しておくだけでも質のいいスカウトが来るので、自分は登録して定期的にチェックしています。
さらに知っておきたいこと
ここでは、年収ランキングを見てきました。
自分のやりたいことがやれている方は問題ありませんが、そうでない方は年収が上がることで幸福度は上がります。
年収にこだわらないのは自由ですが、こだわれないとなると選択肢が狭まってしまいます。
具体的な年収の上げ方を解説した記事もあるので、知りたい方はこちらもどうぞ。