社畜ってサラリーマンへの悪口?
人によって対象が違うんだよね。悪口は間違いないけど
数年くらい前から社畜という言葉が広まってきました。
多くの場合には、サラリーマンに対する悪口として使われます。
自分はサラリーマンも起業もフリーランスも経験していますが、どの働き方も一長一短で、とくにサラリーマンが悪いとは思いません。
個人的には、社畜という言葉はあまり好きではないのですが、そのような言葉が広まった背景や使われている理由は非常に興味があります。
社畜という言葉に興味がある人、自分が社畜じゃないか、どうすればいいかを知りたい人に社畜についてご紹介します。
目次
社畜とは?
社畜の意味
社畜は、会社と家畜をあわせて作られた言葉です。
- 飼い主から食事をもらえる代わりに自由と意志が奪われる家畜
- 会社から給料をもらえる代わりに自由と意志が奪われる社畜
基本的には非常にネガティブな文脈で使われます。
会社の言いなりで、どちらかというと受動的な人だと受け止められます。
同じ会社に尽くす言葉はほかにも企業戦士、モーレツ社員、会社人間など多数ありますが、大きな違いは、本人の会社や仕事に対する姿勢です。
たとえば、企業戦士と呼ばれる人は仕事や会社に自負があり、仕事や会社を自分のアイデンティティーとして重要なものとして位置づけています。
これに対して、社畜は抜け出したいけど、抜け出せないというような悲壮感があります。
社畜の定義
社畜については、人によって対象が違います。
サラリーマン全体を指す場合と、とくに会社にうまく利用されている人に限定する場合があります。
- 広義:サラリーマン全体
- 狭義:会社に言いなりのサラリーマン
広義のものはフリーランスの人が会社員を揶揄するときに使われることが多いです。
狭義のものは、同じサラリーマンや起業家が用いることもあります。
なぜ社畜という言葉が広まったのか?
興味深いのは、なぜ社畜という言葉が広まったかです。
差別的な言葉というのは少数派を対象としたものが多く、問題になります。
ただ、サラリーマンと呼ばれる人は労働者の8割を超えています。
圧倒的な多数派なのになぜ定着したのでしょうか。
要因は大きく2つが考えられます。
- 一部のフリーランスが煽った
- サラリーマンの中にも共感する人がいた
一部のフリーランスが煽った
1つ目の要因が、フリーランスの増加です。
フリーランスとして成功した人の中には、会社員時代にあまり活躍できなかった人もいます。
こうした人たちが、サラリーマンを揶揄する流れがありました。
サラリーマンの中にも共感する人がいた
時代的な変わり目もあって、サラリーマンの人の意識も変わりました。
サラリーマンは安心で、会社に尽くすと報われるというのが崩れていることを多くの人が認識する人が増えてきました。
このまま会社に尽くす人生でいいのかという誰もが疑問を持つようなところにうまく言葉がハマっていきました。
社畜の4つの特徴
ここまでで、イメージは掴めているかもしれませんが、特徴についても見ていきます。
- 本人の意思がない
- 思考が狭くなっている
- ほかの選択肢が少なくなっている
- 仕事以外にやることがない
1.本人の意思がない
非常にわかりやすいのは、自分の都合と会社の都合があったときに圧倒的に会社の都合を優先する人です。
本人の意思を押し殺しているうちに、意思がどんどん弱くなっている人たちは結構います。
同じような仕事量や内容でも、会社にいいように利用されている人と、会社を自分の都合で利用しているのは大きな違いです。
2.思考が狭くなっている
思考が狭いのも特徴の1つで、1つの会社に長く勤めている人に多いです。
会社の考え方に長い期間触れていたり、会社に自分の生活が左右されたりするうちに、思考が狭くなっている人がいます。
会社に雇ってもらっているという感覚になると、フラットに物事が見れなくなります。
会社の中の昇進事情や評価ばかり気にするようになります。
3.ほかの選択肢が少なくなっている
一定以上の年齢になると出てくる問題です。
20代なら大丈夫ですが、30代後半、40代になると、転職も厳しい人が出てきます。
40代で目立った実績もなく、管理職でもないという人たちは多いですが、実質的に今の会社にとどまるしか選択肢がない人たちもいます。
4.仕事以外にやることがない
恒常的な残業で、平日は家と職場の往復、家では寝るだけというのも典型的なパターンです。
土日も疲れていて、だらだらと過ごしてしまうと、完全に会社中心の生活になります。
仕事以外の趣味がないというのも典型的なパターンです。
社畜あるある
実体験を交えながらいくつかあるあるを紹介します。
- 残業をしているのに、打刻は定時
- 長期休暇にやることがない
- 家は寝るところ
- 気がついたら会社に来ている
- 部長が言ったことが絶対に正しい
- 有給を使って仕事をしている
- 22時からMTGを入れられる
- 定時で帰ると、「今日早帰り?」といわれる
- 終電がデフォルト
- 帰るタイミングで仕事を振られる
- 上司が帰っていないので帰れない
- 天変地異を期待する
サラリーマン時代を思い出します。
社畜にならないためには?
社畜かどうかは自分がどう思うか次第です。
重要なのは、会社のためにあなたの人生を使うのではなく、あなたの人生のために会社を使うことです。
そのためには、この3つが重要です。
- 目的意識、意思を持つ
- 代替案を持つ
- 仕事以外の楽しみを持つ
1.目的意識、意思を持つ
会社をうまく活用できている人は必ず、本人の目的や考えがあります。
どんなものでもいいので、目的を持っておくと、主体性が生まれます。
自分の目的に向かって、どうやって会社のリソースを活用できるかを考える人は社畜からほど遠いです。
2.今の会社に代替案を持つ
会社にとどまるしか選択肢がないと、会社と対等な関係をキープするのは難しいです。
常に転職をしたり、独立をしたりできる状況を作っておくと、会社に左右されにくくなります。
会社と契約している感覚で、ほかの会社にもいける状況を作っておくのはおすすめです。
3.仕事以外の楽しみを持つ
仕事一筋だと、会社に振り回されやすくなります。
仕事以外の趣味を持ったり、本業以外に何かをチャレンジしたりするといいでしょう。
副業にチャレンジして、本業以外の収入減を持っておくのもいいですね。
社畜関連の情報
海外にも社畜はいるのか?
日本の労働観は独特なので、多くの国では日本ほど会社に強い帰属意識を持っている国は少ないです。
自分の見てきて範囲でも、以下のような特徴があります。
- 定時になったらほとんどの人が家に帰る
- 転職回数が平均的に多い
- 家族や友人との時間を大切にする
- 会社を休みやすい
- 管理職でも長期休暇を取る
海外でも会社に尽くす人はいますが、日本に比べると圧倒的に少ないです。
社畜がブランド化
社畜という言葉がいろいろな場所で使われています。
- ブログ:社畜の育児
- 漫画:社畜と少女の1800日、社畜と幽霊、社畜! 修羅コーサク
- 動画:社畜ミュージアム
- サロン:脱社畜サロン
脱社畜サロン
少しだけ触れますが、脱社畜サロンという名前のサロンが話題になりました。
イケダハヤトさんや正田圭さんが立ち上げ、はあちゅうサロンも合流し、一時は3,000人を突破しました。
ただ、正田圭さんが経歴を盛っているという疑惑や投稿をしていたけんすうさんが撤退するということがあり、登録者は激減しました。
スキルシェアサロンと名前を変えて、現在では登録者は700名前後です。
脱社畜という言葉に魅力を感じる人がこれだけいるということはすごいですね。
さらに知っておきたいこと
ここでは、社畜という言葉について見てきました。
会社で働き続けると、知らず知らずのうちに会社の考えに慣れてしまいがちです。
自分なりに目的意識を持って、会社を活用するという感覚で働けるといいですね。