30代転職は非常に難しいわけではありませんが、注意点が多い時期でもあります。
今までの自分の経験を踏まえながら、自分の将来の方向性も考えたうえで、うまいところに転職したいものです。
ここでは、30代の転職でのよくある失敗を見ながら、それぞれの対処法もお伝えします。
目次
1.転職市場を理解していない
会社で普通に働いていると、転職市場を理解するのは難しいです。
どうしても世間の評価と自分の意識はかい離します。
会社の評価も高いに越したことはありませんが、転職市場での評価とはまた別のものです。
どの会社も少なからず、会社独自の評価があるため、転職するときに同じ評価とは限りません。
理解するのに早い方法は、いくつかあります。
- 転職サイトに登録してスカウトを待つ
- 転職エージェントと話す
- 似たような経歴で転職した人と話す
転職サイトに登録する
転職サイトのリクナビNEXTや自分の市場価値がわかるMIIDAS(ミイダス)、年収600万円以上の人向けのビズリーチなどに登録するのがわかりやすいです。
あなたの経歴を登録しておけば、それを見た企業の採用担当や人材紹介会社の人から連絡が来ます。
これがどの程度来るか、どのような求人が来るか、どのような年収が提示されるかでなんとなく自分の価値がわかります。
転職エージェントの人と話す
リクルートエージェントなどの転職エージェントの人と話すのも有効です。
彼らは多くの転職者をサポートしているプロです。
転職市場に関して、たとえばこのようなこともわかります。
- 転職市場がどのような状況か
- あなたの経歴はどれくらいニーズがあるのか
- あなたの経歴にどのような求人がマッチするか
- どのような仕事の内定可能性が高そうか
- どれくらいの年収が期待できるか
- どのような経験があれば、さらに価値が上がるか
何人かのアドバイザーの人と話せば、なんとなくあなたが転職でどう見られるかがわかります。
リクルートエージェント、WORKPORTなど複数の人と話すのが市場価値を知りたいなら一番早いです。
似たような経歴で転職した人と話す
元同僚、上司、部下など同じような経歴の人で転職した人の話を聞くのも有効です。
転職エージェントほどの信頼性はありませんが、どのような仕事が合っていて、大変か楽かくらいは参考になるでしょう。
2.年齢による違いを理解していない
30代は前半と後半でも結構変わります。
まず、20代と30代の違いはポテンシャルの評価です。
30代までは未経験での転職がしやすいですが、30代ではかなり厳しくなります。
その中でも30代前半はまだポテンシャルが多少評価され、30代後半ではポテンシャルの評価がほぼなくなります。
30代後半では、即戦力かどうかがシビアに見られ、スキルや経験がない人が相当厳しくなります。
30代前半の場合には、未経験であっても類似の経験や共通するスキルをうまくアピールできれば可能性はあります。
こうした違いを理解せずに30代後半に突入すると、なぜかうまくいかないような状況になります。
3.条件にこだわりすぎる
「せっかく転職するのであれば年収を上げたい」、「業界最大手の会社に行きたい」、「マネージャーの肩書がほしい」という気持ちはわかります。
現実にはこうしたこだわりにより、選択肢が狭くなってしまう人が多いです。
とくに入社時の年収を上げることにこだわるように、短期で利益を得ようとする人は苦戦するケースが多いです。
長期的にどうなるかという考えも重要です。
4.先に辞めてしまう
とりあえず辞めてから先のことを考えるというのは30代では少し危険です。
年齢とともに転職にかかる平均的な期間は長くなります。
あなたが十分な経験・スキルがあったとしても納得のいく転職先を選ぶのに時間がかることは珍しくありません。
先に辞めてしまうと、最初はいいのですが、相当注意しないと自堕落になったり、ビジネスの感覚が鈍ってしまったりします。
お金がどんどん減っていくことで不安になったり、ブランクが長くなるとさらに不利になったりというリスクもあります。
基本的には会社に所属したままで転職活動をしたほうがいいです。
ただ1つの例外は、あなたが体力的・精神的に追い詰められているときです。
こうした場合には、一刻も早く逃げて大丈夫です。
5.転職理由が不明確
転職はポジティブな理由もあれば、ネガティブな理由もあります。
ネガティブなときにありがちですが、会社を辞めることが一番の目的になってしまうことがあります。
ここはかなり慎重に考える必要があります。
今の会社で満足していること、不満に思っていること、あなたにとって大切なものをしっかり考えましょう。
不満が消えたものの、満足していたことも消えてしまうということもありがちです。
不満として上げられがちなものはこのようなものです。
- 職場の人間関係
- 給料や福利厚生
- 労働条件(残業・休日出勤なども)
- 労働環境・雰囲気
- 業務内容
- 会社や職種の将来性
6.将来の計画を考えない
20代のうちはがむしゃらに働いてもさほど問題にはなりません。
ただ、30代の転職はその先も見据える可能性があります。
未経験であれば、このタイミングを逃すと相当厳しいですし、今はよくても将来的には厳しい仕事もあります。
先のことはわからないものですが、どのようなスキルや経験を身につけたり、次の転職の可能性だったりは考えるべきポイントです。
一生懸命やればいいのは20代の特権で、30代以降は自分の市場価値や現在や将来の生活も考える必要があります。
7.家族の理解が得られない
嫁ブロック、家族ブロックといったものがあります。
相談をしないで転職活動を進め、内定が出た後に相談して断られるというのはよくあるパターンです。
相談されなかったことと、あなたの転職に対する不安のダブルパンチで転職をあきらめる人もいます。
転職をしようと思った段階で相談しておきましょう。
冗談抜きで、あなたの価値に関して勤めている会社や年収が重要ということはあるものです。
8.転職を甘く見ている
30代にもなると、仕事にもなれてきます。
それなりの結果を出したり、マネジメント経験があったり、仕事に対する自信があるものです。
その自信からか転職活動に本気で取り組まない人もいます。
適当に転職サイトで求人を探していくつか応募する、書類はなんとなくで作成する、面接対策はほとんどしないという人もいます。
30代の時点では、これでも見つかる可能性はあります。
ただ、キャリアアップをしたい場合、よりよい仕事に就きたいという場合にはあまりにももったいないです。
求人探し、選考書類作成、面接対策はばっちり行いましょう。
9.自力だけで進める
すべてを自分の力だけで進めようとするのはなかなか難しいです。
すでに10回転職しているという人はいいですが、そうでない人は最初からプロに相談したほうがいいです。
自分で試してみて、うまくいかないことがわかってから相談する人もいますが、時間がもったいないです。
ただでさえ、転職ではやることがたくさんあります。
- 自己分析
- 求人探し
- 書類対策
- 面接対策
在職中に進めるとなると、何十社も面接に行くということは難しいです。
時間を節約するためにもほかの人の力を借りましょう。
転職エージェントの人は転職のプロでさまざまなアドバイスが期待できます。
- 転職の進め方
- 該当業界・業種の求人状況
- 自分の市場価値・アピールポイントのアドバイス
- 自分の希望に合った求人探し
- 行きたい会社に内定する可能性
- 選考書類の書き方・チェック
- 面接対策のアドバイス
少なくとも転職を数回しか経験しないあなたよりも、彼らははるかに多くの人の転職をサポートしています。
実際に話してみると、担当者によってコミュニケーションやサポート方法は大きく変わります。
複数登録して、マッチしたところと進めていきましょう。
転職サイトでも自力で探していくのは重要です。万人向けはリクナビNEXT、年収600万円以上の人はビズリーチを活用しましょう。
10.転職先に慣れない
転職した後もしっかり成果を出せるようにしましょう。
短期で離職すると、どんどん選択肢は狭まります。
ポイントは積極的でいることと、柔軟でいることです。
自分から積極的に多くの人とコミュニケーションを取りましょう。
また、気持ちを一新して、仕事の進め方やコミュニケーションの方法、社内のことなどをすばやく吸収しましょう。
中途入社でうまくいくタイプの人はどの会社でも柔軟でコミュニケーションをよく取る人です。
逆に、自分からコミュニケーションを取れなかったり、前の会社の考え方や仕事の進め方が抜けない人は典型的に駄目なタイプです。
さらに知っておきたいこと
ここでは、30代転職のポイントについて見てきました。
この時期は、キャリアでもかなり重要な時期で、転職の失敗は避けたいところです。
人のサポートを借りながら少しでも有利になる方法で転職ができるようにしましょう。
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