20代の転職は初めての人も多く不安なこともあるかと思います。
僕も何回か転職していますが、最初の転職は26歳のときでした。
今思えば「これはやらなくてよかったな」、「もっといい進め方があったな」などと思うことがあります。
また、世間で言われていることと、実際は違ったりすることもあります。
この記事では、転職を成功させる方法について解説します。
目次
20代転職で誤解されがちな2つのこと
1.経験はあまり重要ではない
どの職業でも未経験でいいということはありませんが、経験はそこまで優先順位としては高くありません。
もちろん経験があった方がいいですが、比率としてはポテンシャル採用の面が強いです。
とくに未経験の職業に飛び込みたい場合には、20代のうちがチャンスです。
完全未経験でも可能性がありますし、周辺領域であれば、なおさら問題になりにくいです。
これが30代以降になると、いきなりハードルが高くなります。
2.短期で離職でもOK
短期での離職について気にする人は多いかもしれません。
新卒の会社には3年いた方がいいという話もよく指摘されます。
結論からいうと、気にする会社はありますが、あまり関係ありません。
実は僕も短期離職(数ヶ月)したことがあります。
そのときに問答無用で書類で落とされる会社は確かにいくつかありました。
とくに大企業などで人気の会社は応募が多いため、在職期間や学歴などの要素でフィルタリングをすることは一般的です。
ただ、これは気にしてもしょうがないです。
第二新卒という仕組みが広がってきているのもありますので、ある程度割り切って進める方がいいでしょう。
注意が必要なのは、何回も離職を繰り返すことはかなりリスクがあるということです。
20代転職で気をつけたい3つのこと
1.未経験歓迎のブラック企業
若いうちにポテンシャルを見られるのは確かなのですが、ブラック企業には注意が必要です。
「学歴不問・未経験歓迎・積極採用」などとアピールする会社は要注意です。
あくまで推測ですが、離職率が高いために、誰でもいいから人を採用しなくてはいけない会社の可能性があります。
このような会社に入ると、体を壊してさらに転職が増えたり、スキルが身につかなかったりします。
幸い、Vorkersや転職会議など口コミサイトの情報が整備されているので、自分でも必ずチェックしましょう。
2.転職を繰り返すのはネガティブ
日本の場合には、転職回数が多いことはかなりネガティブに捉えられます。
年齢と転職回数はかなり重要な要素で、多くの会社で気にされます。
イメージはこのようなものです。
転職回数と年齢
- 年齢
- 第二新卒(ポテンシャル重視)
- 30歳未満(専門性も考慮、未経験はここまで)
- 35歳未満(高い専門性が必須、マネジメントも考慮)
- 35歳以上(高い専門性やマネジメントが必須)
- 転職回数
- 2回まで(多くの会社で問題なし)
- 3回以上(一部の会社で選考に通りにくくなる)
- 転職回数に対する年齢
- 20代で2回まで(多くの会社で問題なし)
- 30代で4回まで(一部の会社で選考に通りにくくなる)
- それ以上(多くの会社でネガティブに取られる)
大企業や堅い会社であるほど、こうしたものを気にします。
20代で詰むことはありませんが、これを参考に年齢と転職回数には気を配りましょう。
ちなみにIT業界、外資企業、エンジニアなどあまり問題にならない仕事もあるので、いざとなったら方法はたくさんあります。
3.退職のタイミング・異動
「本当に退職するべきなのか、それは今なのか」ということは一度、考えましょう。
異動(社内転職)は可能か?
会社によっては、年次による異動があったり、異動願いを出せる仕組みがあったり、社内転職に近いことができる会社もあります。
転職以外の選択肢もあります。
出世してからがいいのか?
もし、あなたが今の会社で評価されている場合には、異動や昇進のチャンスは大きくなるでしょう。
このようなタイミングも考えたほうがいいでしょう。
転職をしない人もいる
僕も転職の相談を受けますが、転職活動をした結果、転職をしない人も実は結構います。
転職活動をする中で、
- 自分には今の会社が合っていると気づいたり、
- 転職よりも社内異動の方がやりたいことに近いとわかったり、
- 出世してマネジメント経験を積んでからいいと考えたり、
いろいろなパターンがあります。
転職をすることが重要なのでなく、いろいろな選択肢を考えておくことが大事です。
20代前半と20代後半の違い
ちょっとした注意ですが、同じ20代でも20代の前半と後半では実は見られることが違います。
あなたの年齢に合わせて、どういう要素が重要になるのかを把握しておきましょう。
僕もこのくらいの年齢の人を面接することが多かったですが、26~27歳以降の人とそれより下の人では見るポイントが変わります。
20代前半の場合
20代の前半はほとんど新卒に近い扱いとなります。
第二新卒も多くの場合、社会人経験が3年前後の人までを指します。
経験があることはプラスですが、今その人が持っている経験よりも、今後のポテンシャルを見ます。
会社に合いそうか、長期的に成長しそうか、一緒に働けそうかといった要素です。
スキルがあるに越したことはありませんが、面接で受け答えがよければ十分採用します。
20代後半の場合
20代後半になると、専門性が求められます。
28歳で完全なポテンシャル採用をするのは、少し難しいかもしれません。
ここでの専門性は圧倒的なものというよりも、職種に求められる一般的なスキルが身についているというレベルです。
20代は大目に見られることもありますが、年齢が上がるにつれて厳しくなります。
未経験の場合
30代になるとポテンシャルは相当厳しくなるので、実績のない状態では、いかに若いかが大事になります。
少しでも早く転職することと、下の3つを守りましょう。
20代転職でやるべき3つのこと
ここまで見てきたように、転職の進め方で致命的になることは少ないです。
それでも、ブラック企業を転々として、短期での離職が増えたり、能力が身につかなかったりが一番のリスクはあります。
いきなり退職はしない
まず1つ目はよほどの理由がない限り、いきなり退職してはやめてはいけません。
よほどの理由とは、深刻なパワハラや肉体的・精神的に限界でこれ以上は耐えられないといった状態のことです。
「まずい」と思ったらすぐに、逃げましょう。
そうした場合を除くと、会社に所属しているメリットは非常に大きいです。
いつでも今の会社に戻れますし、、期限を決めずに活動できますし、給料があるので精神的に安定します。
早まった行動は禁物です。
知り合いに会う
転職経験者の友人・先輩・同僚などに話を聞きましょう。
転職に関して全体像をつかんだり、具体的にどのような行動をしたのかを聞きやすい関係性の人がいいです。
自分と業界・職種・年齢などが近い人だとなおいいです。
どうしても転職エージェントや求人企業とは利害関係がありますし、聞きにくいこともあるかと思います。
また、直接、知り合いの会社に入社するというのも広がってきています。
プロに相談する
ここがもっとも重要です。就活と転職の大きな違いは、プロに相談できることです。
ただでさえ、転職ではやることがたくさんあります。
- 自己分析
- 求人探し
- 書類対策
- 面接対策
在職中に進めるとなると、就活のときのように何十社も面接に行くということは難しいでしょう。
自己分析はあくまでも自分の仕事ですが、求人探しに書類対策、面接対策をしていると多大な時間と労力がかかります。
求人探しや選考対策は転職のサービスを活用することが大事です。
転職エージェントは必ず利用したい
求人探しは、転職エージェント以外の方法もありますが、書類対策や面接対策をサポートするサービスはほとんどありません。
自動で書類を添削したり、面接を分析したりするサービスは今のところありません。
転職エージェントが唯一の選択肢です。
僕自身、過去3回のすべての転職でエージェントに相談しています。
それは、彼らしか持っていない情報や彼らしかサポートできないことがたくさんあることを知っているからです。
たとえばこのようなものです。
- 転職の進め方
- 該当業界・業種の求人状況
- 自分の市場価値・アピールポイント
- 自分の希望に合った求人
- 行きたい会社に内定する可能性
- 選考書類の書き方・チェック
- 面接対策のアドバイス
結果的に、転職エージェントを活用しないで転職する選択肢はあります。
それでもプロから無料で転職のアドバイスをもらえる機会を捨てるのはあまりにもったいないですよね?
少なくとも転職を数回しか経験しないあなたよりも、彼らははるかに多くの人の転職をサポートしています。
転職は成功確率を少しでも上げるために、転職エージェントに必ず相談しましょう。
いくつかおすすめの転職エージェントを紹介します。
転職の成功パターン
転職の成功はそもそもの能力よりも、この2点が重要な気がします。
- 会社とマッチしているか
- 入社した後のキャッチアップをどうやるか
会社がよくなかったり、あまりにも会社とマッチしていない場合にはかなり厳しいです。
そでも後天的な努力でカバーできる要素も多いです。
営業(28歳)
この人はもともと小さな企業で営業をやっていた後、中途採用で自分のいた会社(大企業)に入社しました。
営業成績が良かったこと、英語が話せること、中途の人が昇進しやすいということもあり、入社数年でマネージャーになりました。(かなり早いです)
営業に関しては、ブラックな会社で鍛えられている人もいるので、そうした人は成果がちゃんと評価される会社にいると上がりやすそうです。
ディレクター(27歳)
この人はもともと管理系の業務をやっていた人で、入社してきました。(ベンチャー)
最初はアルバイトとして入社しましたが、日に日にコミット具合も高くなり、アルバイトから契約社員、契約社員から正社員、正社員からマネージャーと順調に昇進しました。
冷静に考えるとすごいですね。
それを認めてくれる柔軟な会社の体制もポイントでしたが、本人のやる気や新しい業務に対するキャッチアップも大きかったです。
転職の失敗パターン
明らかな転職の失敗パターンを見ることも少ないですが、いくつかご紹介します。
エンジニア(29歳)
もともとベンチャーで働いている人でした。
ベンチャーあるあるですが、最初の方に入社した方の人たちよりも企業が有名になってから入ってきた人たちの方が優秀で、その人は微妙な立ち位置となっていました。
何かを変えなきゃいけないという思いで転職してきたのですが、結局、職場を変えても何も変わらずにパフォーマンスを上げられませんでした。
転職すれば、自分が変わるのではないかという期待にかけた人でしたが、うまくいかなかったようです。
ディレクター(33歳)
コンサル出身でディレクターとして鳴り物入りで入社した人がいました。
仕事ができる風ではあったのですが、実際にはなんの成果も上げられずに会社に多大なコストだけが残り退職した人がいました。
大企業やコンサル出身で、ベンチャーでは成果を上がられないというよくあるミスマッチのようでした。
20代転職でよくある疑問
多くの人が疑問に思うことについていくつかご紹介します。
そもそも転職するか悩んでいます
会社には伝えずに、エージェントに会ったり、友達と話すのをおすすめします。
行動を起こすリスクはあまりありませんが、行動を起こさないことで、時間が経ってしまうと可能性は減り続けます。
あなたの意思に反して、勝手に求人に応募されたり、情報を公開されるようなことはありません。
もし、他の企業と比べた結果、今の会社の方がやはりよかったとなれば、何もなかったように、一生懸命今の会社で働きましょう。
書類選考で落ちます
最初に転職活動をしたときに自分も驚きました。
新卒のときはあまり書類で落ちることはなかったのですが、中途の場合には、期待が明確なケースも多く、どんどん落ちます。
20社応募してすべてという場合には、書類の内容や応募する企業を見直した方がいいかもしれませんが、そうでなければ気にしなくても大丈夫です。
転職回数が多い
これは上でもご紹介したように、本当に問題になることがあります。
一般的な回答としては、ちゃんと今までの転職を振り返り、自分の期待を明確にするということでしょうか。
自分だけでは考えずに、エージェントの人にも相談するようにしましょう。
あまりにも回数が多かったり、同じような理由で転職を繰り返している場合には、会社で働くという選択肢以外を考えた方がいいかもしれません。
そうしたケースでは、フリーランスなど他の可能性も見出した方がいいです。
フリーランスについてまとめた記事もあります。よろしければこちらも参考にしてみてください。
フリーランスの仕事を徹底解説!種類・始め方・案件獲得・注意点まで
転職活動がうまくいきません
エージェントやプロに相談しましょう。自己評価が転職市場での評価に比べて、非常に高い方がいます。
すでに何社か落ちていれば多少、冷静になっているはずです。
信頼できるエージェントの方に相談しましょう。たぶん、何かが間違っています。
女性は不利なのか?
これは少なくとも自分が今までにいた会社では不利になることはありませんでした。
ただ、気にする会社もあるのは事実だと思います。
20代後半で入社すると、どうしても結婚や出産で仕事に影響するのではないかと考える会社もあるかもしれません。
契約社員・アルバイトから正社員になりたい
いきなり正社員パターンと後から正社員パターンがあります。そして、そのどちらも悩ましい部分があります。
いきなりパターン
いきなりの場合には、もともと契約社員だった人を正社員として採用するのに多少のハードルがあります。それ以前に正社員の経歴があるとプラスになりそうです。
後からパターン
後からパターンは、会社にもよるので、その部分がリスクにはなります。
すでに何人もそのような形で正社員になっているのであれば大丈夫かもしれませんが、不確定要素は残ります。正社員になれるはずだったみたいな話はよく聞きますよね…。
自分がそのような境遇であれば、多少は待遇を落としてでも、多少時間がかかっても、正社員のポジションを探します。
自分がまだ働いていないような会社に強い期待を抱いてしまうとのちのち、後悔する可能性もあるでしょう。
さらに知っておきたいこと
転職は人生に大きく影響を与える重要なイベントの1つです。
この年代では周りの人も転職の知識はあまりないことが多いです。
ちょっとした知識、ちょっとした対策で差がつけやすいです。
ぜひ知識を身につけて、よりよいキャリアを目指しましょう。
ほかにもキャリア・転職に関する記事がありますので、こちらもどうぞ。