ベンチャー企業はやめとけと言われる理由。メリット・デメリットを解説

以前よりもだいぶベンチャー企業に就職・転職する選択肢は広まったように思います。

いわゆる高学歴の人や、もともと大企業や外資系企業で働いていた高級な人も参加する人が増えました。

それでも、「ベンチャー企業はやめとけ」と周囲に言われることは多いでしょう。自分も人によってはそのようなアドバイスをすることがあります。

ここでは、ベンチャー企業のメリット・デメリットからなぜ反対する人がいるのかを見ていきます。

ここで扱う「ベンチャー企業」

ベンチャー企業とは、本来的には革新的であったり、リスクが大きかったりする企業を指しますが、実際には新しくできた企業くらいの意味合いで使われることも多いです。

ここでは、設立10年くらいまでで、従業員数も300名くらいまでの会社だとします。

詳しい定義を知りたい方はこちらの記事もどうぞ。

参考:ベンチャー企業とは?意味・定義から企業一覧・ランキングの活用、働き方まで

ベンチャー企業の4つのメリット

まずは、一般的に触れられるものも含めて、ベンチャー企業で働くことで得られるメリットを見ていきます。

1.裁量が大きい

一般的にも言われることが多いですが、ベンチャー企業は裁量が大きいです。

会社が順調に成長していると、行う業務がどんどん増えていくので、1人が幅広く業務を担当していかないと回らないからです。

必然的に裁量は大きくなります。これを活かせると、さまざまな職種のスキルを身につけたり、早いうちからマネジメントを勉強したりできます。

2.成長機会が多い

裁量が大きいこともそうですし、大企業に比べると競争相手や周りのレベルが落ちるので、そうした機会を勝ち取りやすいです。

また、性別や年齢、学歴、配属された部署などの見えないバリアがベンチャーだとほとんどないので、そのようなものに影響されないのもいいことかもしれません。

3.自分が変えられる余地が大きい

ベンチャー企業では、制度や仕組みがないので、変えるどころか作るものも多いです。

人間は自分がコントロールできないことにストレスを感じるので、それが起こりにくいともいえるかもしれません。

大企業にいたときには、自分がいかにものごとを変えられないかを認識する瞬間が多く、大きな違いです。

4.内向きの業務が少ない

ベンチャーでは、上司のまた上司を説得するためにデータを集めたり、資料を作ったりする必要はありません。

ネガティブな進捗を説明するためのもっともらしい情報やなんとか自分の意見を通すための根回しや社内調整も少ないです。

不毛なレポートや会議も少なく、外向きにいかに事業を伸ばしていくかということを考えることに集中できます。(タフですが)

ベンチャー企業の4つのデメリット

自分がベンチャー企業を万人に勧められない理由について見ていきます。

1.会社と個人次第でばらつきが大きい

上にはいい例を書きましたが、こうしたメリットを得られるかどうかは、本人と会社によります。

たとえば、以下の2つはどちらも自分の例です。

  • A社では労務管理ができていないために、週の半分はアルバイトの出荷作業を手伝った
  • B社では、社半年で、部下が10人以上もって事業戦略から実務までを担った

同じ人でも入る会社によっては、これくらいの差が出ます。

もちろん、人とのマッチングも重要でB社でも鳴り物入りで入社して、いつのまにか退職してしまった人はたくさんいました。

その人と会社とのマッチがぴったりのときはいいのですが、そうじゃないとなかなか大変なのがベンチャーです。

2.仕事の進め方とレベルがピンキリ

大企業では、オペレーションや仕組み、制度などで誰でも一定の仕事ができるようになっています。

ベンチャーでは、そうしたものがなく、専門の人がいない場合でも必死に勉強しながらやることも多いです。

仕事の進め方やレベルは本当に会社でも個人でもピンきりです。

信じられないような低い成果を出す、入社時期だけが早いような人もいます。

3.待遇が厳しい

ベンチャーの給料は安いです。福利厚生もありません。

最低賃金ぎりぎりだったり、みなし残業が60時間以上含まれていたり、新卒でも裁量労働制だったりすることはざらです。

株やストック・オプションで一攫千金というのは、あなたが創業者や奇跡的な待遇で迎えられたとき以外はほとんどありません。

4.キャリア的に選択肢が限られる

とくに若手の人にベンチャーが勧めづらい理由がこれです。

会社と合わない、働いている人のレベルが低い、労働条件が話と違うということはどこの会社でも多少はあります。

その合わなかったときの受け皿が名もないベンチャーと大手企業だと大きく差があります。

僕のいたIT系の会社では比較的柔軟でしたし、第二新卒という言葉も普及してきたので、手詰まりという感じではありません。

それでも、合わなかったときに大企業⇒ベンチャーは大丈夫ですが、逆はあなたの業界や学歴によってはなかなか厳しくなります。

ベンチャーで働きたい人へ

ミスマッチのほとんどは事前の知識不足から来ます。上記のことを理解した上で、ベンチャーに行くというのはまったく問題ありません。

ここから少し、実際に会社を探していくときの注意をお伝えします。

求人の探し方はなんでもOK

ベンチャー求人の探し方は、一般的な転職サイトではWantedlyリクナビNEXT、年収600万円以上の人はビズリーチがおすすめです。

自分でTHE BRIDGETech Crunch Japanなどのメディアから探してもいいですし、友人に聞いても大丈夫です。

ちゃんと企業の情報収集をする

企業の情報収集をしっかりすることが何よりも重要です。いくつかのアプローチを紹介します。

  • 社長のインタビューや採用ページなどをしっかり見る
  • 選考の中で、逆質問(なにか質問はありますか?と言われたときの)の時間などを利用して気になることを聞く
  • 直接、一緒に働く人や働いている人の話をできる限り聞く
  • 可能ならフロアを見せてもらったり、体験入社をしたりする(学生ならインターン)
  • 自分の感覚だけでなく、口コミサイトや転職エージェントなどで第三者評価も確認する

できるだけ、多くの人と話したり、仕事に近いことをしたりするのは重要です。

第三者評価も大事

また、僕の場合には自分の力だけで見つけたベンチャー企業を3ヶ月程度で退職してしまったことがあります。

自分の感覚だけではなく、第三者評価を調べることは非常に重要です。

口コミサイトがだいぶ広まってきたため、一定規模のベンチャーの場合には口コミサイトでも情報が集められます。

Vorkers転職会議キャリコネなどを使って、評判を調べましょう。

また、転職エージェントの活用も非常に有効です。

ブラック企業など変な会社はあまり扱われないのと、ネガティブな情報もちゃんと伝えてくれます。

大手エージェントの場合には、無理やり転職させてブランドのイメージが下がるほうがダメージが大きいです。

また、クライアント担当と求職者担当が別れていることがほとんどのため、求職者担当は味方をしてくれます。

自分の場合には最初の反省もこめて転職エージェントに登録しました。

いくつか登録してみて、気が合う人を探しましょう。

さらに知っておきたいこと

ここまで、見てくるとわかりますが、「ベンチャー企業はやめとけ」というのは万人向けの安全なアドバイスです。

向き・不向きは人によりますし、あなたのキャリアはあなたで考えるしかありません。

他の記事でもベンチャー企業について書いていますので、こちらも合わせてどうぞ。

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