女性の転職と男性の転職は少し違います。
採用において、性別や年齢を理由に差別してはいけないことになっています。
でも一切の違いがないかというとそんなことはありません。
女性ならでは気をつけたほうがいいポイントがあります。
男性も女性も同じだ、女性は男性よりも不利だといった話がありますが、これは会社や状況によります。
ただ、全体的にいうとまだ男性のほうが有利な点がさまざまあります。
この記事では、女性の人が少しでも不利にならないように知っておいてほしい転職に関する情報をご紹介します。
1.男性も女性も基本戦略はあまり変わらない
まず、男性と女性の転職では、大きく変えなくていけないことはありません。
いくつか例示しますが、このようなことは男性も女性も変わりません。
一般的な面接対策も変わりません。
- 自己分析をした方がいい
- 会社のことをしっかり調べる
- 選考の対策をする
- 転職回数が増えたり、年齢が上がると不利になる
2.女性が不利になりうる理由
では何が違うのでしょうか。もっとも大きな理由は結婚・出産というライフイベントがあることです。
結婚を理由に退社する人は減っていますが、やはり出産は影響度合いが大きいものです。
- 女性は出産という大きなライフイベントがある
- 女性が不利になる会社がある
- 女性は転職回数やブランクが増えやすい
- 女性は非正規になりやすい
女性にはそうした退職リスクがあるということで、男性と同じように扱わない会社はあります。
また出産を期に退職したときに、転職回数やブランクがどうしても増えます。
こうしたことを気にするところも未だに多いです。転職の難易度が上がってしまいます。
そもそも、女性はもともと非正規で働く人が割合として多く、それものちのち影響してきます。
つまり、女性が不利にならない会社を選び、転職能力を高めておくことが重要になります。
3.女性目線での会社選び
会社によって女性に対するスタンスは明確に違います。それを大きく3つのパターンにわけて考えます。
- 女性が不利になる会社
- 女性が男性と同じように平等に扱われる会社
- 女性が配慮される、働きやすい会社
当然、あなたが入社すべきは3つ目の会社です。
年功序列、終身雇用、古い業界ほど1つ目に近く、女性が不利になる傾向となりやすいです。
自分のいたIT系は比較的2つ目が多かったです。
女性であることを理由に差別されることはないものの、配慮に関してもあまりできていない印象でした。
時代背景としては、3つ目の会社が増えていかなくてはいけません。
ただ、現実はまだまだということです。
3つ目の会社は高くても全体の1~2割だと考えたほうがいいでしょう。
そして、そういった会社は競争率が高くなるわけです。
女性に優しい会社の見分け方
では女性に優しい会社をどう見分けるのでしょうか?
人事担当の人に「御社で女性は活躍していますか?」と聞くのはあまりよくありません。
「うちの会社では女性は男性に比べて活躍していません」という人はいませんので。
そこで、4つほどアプローチをご紹介します。
- クチコミサイトを見る
- オンラインで情報収集する
- 会社関係者に聞く
- 転職エージェントに聞く
1.口コミサイトを使う
クチコミサイトを使いましょう。Vorkersや転職会議でその会社の評判を見てみましょう。
普通に検索をしても大丈夫です。GoogleやTwitterで検索してみましょう。
大企業であれば、クチコミは見つかるでしょうし、女性の働きやすさという項目はほとんどの場合あります。
2.オンラインで情報収集する
会社の情報をオンラインで集めるのも有効です。
客観性は欠けますが、女性の働きやすさに言及している場合には、期待できるでしょう。
採用ページや社長インタビュー、人事のインタビューなどで女性の働き方に対して触れられているかを見ていきます。
とくに、具体的な事例が挙げられているかなどを見ましょう。
3.関係者に聞く
簡単な方法としては、人事担当など面接官の人に聞きましょう。
この質問ばかりすると福利厚生にしか興味がないと思われかます。
ほかの質問を交えつつ、聞いていきましょう。質問はたとえば、このようなものです。
- 今、産休を取っている人は何人いますか
- ここ1年で何年くらいが育児休暇を取得しましたか
- 女性比率は何%ですか
- マネージャーに女性は何人いますか
具体的に定量的に聞くのがポイントです。
ネガティブな情報は伝えたくないので、抽象的な質問には抽象的な答えが返ってきます。
ここまで確認すると、なんとなく女性に優しい会社がどうかはわかります。
必要であれば、現場の人に話を聞いたりして実態をチェックしましょう。
転職エージェントに聞く
転職エージェントに聞くのもいいです。
「企業に都合のいいことしか言われないのでは?」と思っている人もいませんが、実は結構、率直に答えてくれます。
大手の場合には、企業担当と求職者担当に分かれています。
さらに、自分たち経由で転職した人が短期で離職するとダメージが大きいからです。
自分も必ず転職エージェントに相談します。記事の下でも紹介しています。
4.転職能力を高めておく
併行して転職能力(転職しやすくする)を高めておきましょう。
一般論として不利になりやすいだけであって、すべての人が転職をできないわけではありません。
もっとも簡単な方法は、専門的なスキル・特殊な経験・業務での実績などを獲得しておく方法です。
たとえば、経理でのスキル、事業立ち上げの経験、営業でのMVPの実績などがあると転職はしやすくなるでしょう。
あなたにこうしたものがあれば、多少そのほかの面で不利になったとしても転職ができる可能性は上がります。
あなたがやっていることが新卒入社した人でもできそうな仕事であればピンチです。
なかなかほかの人にできないことスキルを身につけましょう。
事務職・一般職は危険
求人が多い状況でも事務職系は、非常に競争率が高い求人です。
次から次へと若い人が来ますし、アルバイト・派遣・契約・正社員とあらゆる雇用形態があります。
個人的なおすすめは、
- 経理や人事などのコーポレート職
- Excelやパワポなどを使う○○企画
- エンジニアやデザイナーなどのIT関連
の職種です。
どの会社でも必要な役割ですし、競合が増えにくく、ブランクがあっても採用確率が高まります。
5.会社は安易に辞めない
結婚や出産のタイミングではできる限り、退職しないようにしましょう。
結婚したのでなんとなく、出産するのでとりあえず退職をしようというのはもったいないです。
3つの理由がありますので、それぞれ見ていきます。
- 理由関係なく転職回数やブランクは転職に悪影響となる
- 在職者への手当は手厚くなっている
- せっかくの資産が無駄になる
転職回数やブランクは転職に悪影響
転職回数が増えたり、ブランクがあったりする人は現状の日本の採用では不利になることが多いです。
僕はIT業界で働いていたので、こうした形式的なものは影響は少なかったですが、それでも影響はゼロではありません。
それだけでどうというわけではありませんが、多少は気になります。
出産のタイミングで退職して、ブランクがあるというだけの理由で、なかなか仕事が見つからないという人はよく目にしました。
それだけ多くの企業ではネガティブになりかねないというわけです。
在職者への手当は手厚い
在職者と離職者のもらえる手当に大きな差があります。
出産に関連する手当としては、
- 出産前後の休業(いわゆる産休)に対する出産手当金
- 出産後の育児(育休)に対する育児休業給付金
などがあります。
前者は厳密には離職中でも条件を満たせばもらえますが、後者は職場復帰を前提としているため、会社に所属していないともらえません。
とくに、育児休業は同一の事業者に1年以上勤めていることが条件にもなるので、出産前後は安易に退職しないことをおすすめしています。
資産が無駄になる
せっかくあなたが会社で築いた資産(信頼)が無駄になってしまうことです。
あなたがある会社で働いていれば、よほどパフォーマンスが低かったり、勤務態度に問題があったりしない限り、一定の信頼が貯まっています。
つまり、会社からするとほかの人よりも仕事が頼みやすいわけです。
もしあなたができる仕事であれば、新しい人を採用したり、アウトソースする代わりにあなたに依頼する可能性もあります。
たとえ、あなたが出産や育児で出社できない期間があったとしてもリモートでできる業務もあるかもしれません。
あなたも大変な思いで新しい仕事を探したり、残業ができないということを交渉したりする必要がありません。
6.選択肢を広く持っておきましょう
あなたが仮に退職してしまった・退職しなくてはならないというときのポイントは選択肢を広げておくことです。
具体的には、正社員以外の働き方や業界や職種を変えることも検討しておくということです。
派遣や契約社員であれば間口は広がりますし、業界的にはITが良くも悪くも差別がないので、こうしたところも検討しましょう。
フリーランスとして働く人もいますし、アフィリエイトやインフルエンサーといった働き方もありえます。
7.年齢別に気をつけたいこと
20代女性の転職で注意すること
20代での転職は後から取り戻しやすいので、そこまで神経質になる必要はありません。
ここまで見てきたように、転職能力を上げておく、転職回数を抑えておく、出産1年以上前に会社に入っておくの3点です。
- 転職しやすい能力・経験・実績を身につける
- 転職回数を増やしすぎない(できれば2回まで)
- ライフイベントに合わせて転職すること(出産1年以上前)
- 面接で女性系の質問はうまくかわす
女性の初産はだいたい30歳前後なので、28歳くらいまでに女性が不利になりにくい職場に移っておきたいところです。
企業のレベルや年収にこだわりすぎず、あなたが活躍しやすい環境で働くようにしましょう。
意外と規模が大きすぎないほうが、仕事の調整がしやすかったり、評価が上がりやすかったりするので、得する場合もあります。
新卒で入った会社がいいところであればそのまま在籍してもいいですしょう。
イマイチであれば、3年くらい経ったタイミングから1~2回の転職でいい職場に行っておきたいです。
面接によっては将来的なキャリアに付随して、結婚や出産に関して聞かれることもあります。
こうしたときには、「働き続けたい」といったポジティブな内容を答えましょう。
入社後、すぐに退職してしまうリスクを嫌うので、退職しそうだと思われるような回答はくれぐれも避けましょう。
30代女性の転職で注意すること
20代のときと基本的な考えは同じですが、30代になると男女ともにポテンシャルだけでの採用は難しくなります。
そのため、転職のハードルが上がります。
- 若いほうが転職はしやすい
- 30代前半はポテンシャルも少し、後半は実力で判断される
- 子供が落ち着いてから転職する
- 転職能力次第で選択肢を広げる
- 面接では女性系の質問はうまくかわす
若いほうがいい
一般的には、年齢が上がるほうが求められる経験・スキルのレベルも上がり、マッチングが難しくなります。
女性の場合にも同様です。
ポテンシャルは厳しくなる
30代の場合には、前半が多少ポテンシャル考慮ですが、後半になると即戦力でないと難しいでしょう。
子供(もしいれば)の状態を考慮する
転職タイミングは年齢もそうですが、子供の状態も考えましょう。
会社によって本当に考え方は違うので、子供を安定して保育園に預けられるようになったくらいがいいでしょう。
子供が熱を出して早退したり、リモートで働くことを許可されたりする柔軟なところもあります。
一方で、それを理由に異動させられたり、契約が更新されなかったりするところもあります。
能力が高ければ問題なし
また、あなたが転職能力を高めてきた場合には、年齢は問題ありません。
30代後半でも正社員の仕事が見つかるでしょう。
非正規も検討する
一方で、もしあなたが誰にでもできる仕事を続けて来た場合には、非正規での働き方も検討しましょう。
40代・50代の女性の転職で注意すること
30代を超えるとそこまで難易度は変わらなくなります。
あなたが会社に求められる経験があれば採用されますし、そうでなければ採用されません。
- 資格はいらない
- あなたのスキルや経験に合った仕事を探す
- エージェント経由や知り合い経由など探し方を工夫する
転職が難しいと資格を取ろうとする人がいますが、安易に資格に飛びつくのは避けましょう。
資格があっても未経験の業務よりも、すでに経験がある業務の方が仕事を見つかりやすいです。
基本的にはマッチングがすべてです。
新しいスキルや経験の獲得よりも自分が持っている能力がもっとも生きる職場を考えましょう。
多くの会社では実質的に年齢制限などがあるため、数を当たることと探し方を工夫するのが重要です。
年齢が上がってくると昔の同僚が偉くなっていることもあります。
知り合い経由も探してみてください。
転職サイトやエージェントはこの下で紹介します。
8.女性におすすめの転職サイトランキング
実際に活動をするときにおすすめの転職サイト・エージェントを紹介します。
女性特化の転職サイトもありますが、マッチングが重要です。
そこまで気にせずに求人数の多い総合型にも登録しておきましょう。
リクナビNEXT、マイナビ転職は求人数が多いですし、dodaも転職サイトと同じように活用できます。
自力でもサポートを受けても活動できるためおすすめです。
転職サイトで自力で探すのも重要ですが、やりかたを間違えて転職がうまくいかない例は多いです。
転職エージェントも必ず活用するようにしましょう。
カテ ゴリ |
サービス | 特徴 |
1位 | リクナビ NEXT |
最大手で スカウトにも期待 |
2位 | doda | 求人数が多く サポート体制も万全 |
3位 | 女の転職 @type |
女性特化 正社員求人が多数 |
4位 | リブズ キャリア |
キャリア女性特化 転職サイト |
5位 | マイナビ | 求人数は多い 履歴書サポートあり |
9.女性におすすめの転職エージェントランキング
とくに女性の場合には、転職エージェントを活用するメリットが大きいです。
上で見てきたように、女性の働きやすさは会社によって大きく異なります。
こうしたものは、女性転職に強いエージェントに相談するのが一番です。
また、経験やスキルに自身がない場合にはなおさら、相談したほうがいいです。
持っている武器が少なければ、会社選びや自分の見せ方がもっとも重要になります。
そして、そのどちらも転職エージェントはサポートしてくれます。
- 女性特有の選考に対するアドバイス
- あなたの経験やスキルを前提に受かりやすい会社がわかる
- 選考書類のチェック・アドバイスをもらえる
- 面接対策をしてもらえる
- 落ちた理由を教えてもらえる
- 精神的にサポートしてもらえる
など非常に有益です。
とくに長期化するときには、内定がもらえずに気持ちも落ち込みがちです。
こうしたときに、落ちた理由のフィードバックや励ましがもらえるのも心強いです。
僕も3回転職していますが、転職の際には、必ずエージェントを活用しています。
早いうちに進め方を相談することで、効率的に活動ができます。
自分に合った求人も紹介してもらえます。
転職は、何回もできない意思決定です。
入社しなきゃわからないことは仕方がありませんが、少しでも成功率を上げましょう。
よく家族に相談をしたり、友人に相談をしたりする人がいます。
彼らはあなたのことは詳しいかもしれませんが、転職のプロではありません。
確実に成功させるためにも転職のプロのアドバイスを絶対に受けたほうがいいです。
女性におすすめのエージェントランキングを紹介します。
転職エージェントの場合には、個人的な相性が非常に重要です。
複数社に登録して比較をして、相性が良さそうな人と進めていくのがポイントです。
順位 | サービス | 特徴 |
1位 | パソナ キャリア |
はじめての転職・ 女性の転職にも強い |
2位 | doda | 求人数が多い サポートも万全 |
3位 | リクルート エージェント |
求人数が多い エージェントが優秀 |
4位 | マイナビ エージェント |
若手に強い 中小企業案件も多い |
さらに知っておきたいこと
ここでは女性ならではの転職で気をつけたいことを見てきました。
以前よりは改善しているものの、女性が注意しなくてはいけないことはまだまだあります。
ただ、年齢が上がると厳しくなることなどは男女共通ですし、女性もやり方を工夫していくことで転職はできます。
しっかり対策をして、公私ともに理想的なキャリアを目指していきたいですね。
“女性転職を成功させる9個のポイント。転職のルールから年代別攻略法” への3件のフィードバック