はじめての転職は考えることはたくさんあります。
僕も初めての転職のときは予想外の企業から書類で落とされたりして驚いたことを覚えています。
転職は就活と共通する部分も多いですが、少し違う部分もあります。
みんなで一斉にはじめるわけでもなければ、タイムリミットもあるわけではありません。自由度は高いです。
周りに転職をしている人がいれば、そういう人に聞いてもいいですが、自分でも最低限の知識は持っておきたいですね。
ここでは転職活動をはじめてから内定をもらうまでの一連の流れをご紹介します。
目次
転職5つのステップ
まずは、全体像から見ていきましょう。ここでは5つのステップに分解しています。
- 自分を知る
- 会社を知る
- 選考を受ける
- 内定をもらい、決める
- 退職する
だいたいスケジュール感でいうと、20代の場合には、3ヶ月~半年くらいの人が多いです。
30代以降になると、マッチングが難しくなるので、1年程度かかる人もいます。
選考を受けるまでに1ヶ月、受けはじめてから2ヶ月で内定、その後で退職までに1,2ヶ月みたいなイメージでいるといいでしょう。
選考を受けるまでに2ステップ設けているのは、この2ステップが重要だからです。
ここをおろそかにするとかえって時間がかかったり、後悔するような転職になってしまうことがあるからです。
では、それぞれのステップをご紹介します。
1.自分を知る
就活のときにも自己分析というものをやったかと思います。そのプロセスと同じことをします。
就活のときと比べると、実際に働いてみて新しく気づいた点も多いのではないでしょうか。
就活でしっかりやったという人は簡単にアップデートする程度でも大丈夫です。
ここをしっかりやっておかないと、以下のようなリスクがあります。
- 会社を選ぶときに時間がかかる
- 給料・待遇や役職という条件で選んでしまい、内定後に悩む
- 入社後にこんなはずじゃなかったと後悔する
退職理由を考える
おおもとの退職理由に関して、まずは考えていきましょう。
自分のなんらかの期待に対して、現実が(大きく)下回っているから退職しようとしているわけです。
それは、人間関係でしょうか、お金でしょうか、労働条件でしょうか。
このことを掘り下げて考えておくと、有益な情報となります。
転職面接でも聞かれますし、上司や人事との社内面談でも必ず聞かれる内容です。
たとえば、よくある不満に以下のものがあります。この中の何があなたは不満か考えてみてください。
- 人間関係
- 給料や福利厚生
- 労働条件(残業・休日出勤なども)
- 労働環境
- 業務内容
- 将来性
不満だけでなく、満足した点も考えておくと、あなたの大切な価値観が浮かび上がります。
自分で自分の価値観を考える
転職理由は直接的な原因ですが、それ以外の要素はどうでしょうか。
せっかく転職のタイミングくらいは普段あまり考えない、将来のキャリアや価値観を明確にしておきましょう。
下にいくつか参考になる質問を列挙しました。
こうしたものに答えながら、自分の仕事観・キャリア観について考えてみてください。
とくに今の会社で満足していることは見落としがちです。
もしかすると、転職しない方がいいという結論になるかもしれません。
今の会社に入社するときには、なにかしらの仮説を持って入社したはずです。
実際に働いてみて、
- 自分が思っていたことと違う部分
- 合っていた部分
の答え合わせをしましょう。
自己分析に役立つ質問まとめ
- なぜ会社を退職したいのか
- 問題は退職以外の方法で解決できないのか
- 今だけの問題ではないか
- 将来的に何をしていたいのか
- プランを大事にしたいか、柔軟にいたいのか
- 結婚、出産はしたいのか。いつまでにしたいのか
- 安定したいのか、変化し続けたいのか
- 仕事でもっとも大切にしたい価値観はなにか
- やりたいことを大事にしたいか、あり方(状態)を大事にしたいか
- お金はたくさん欲しいか、必要なだけでいいのか
- 仕事を大事にしたいのか?仕事以外も大切にしたいのか
- どういう仕事がしたいのか
- ジェネラレストになりたいのか、スペシャリストになりたいのか
- 定型的な仕事がいいのか、クリエイティブにしたいのか
- 日本だけで働きたいのか、海外でも働きたいのか
- どういう働き方がいいのか
- オフィスで働きたいのか、オフィス以外で働きたいのか
- 残業や休日出勤はしたくないか、構わないのか
- 正社員にこだわるか、非正規でもいいのか
- どう評価されたいのか
- 成果主義のほうがいいのか、年功序列がいいのか
- 結果だけを大切にしたいのか、プロセスも重要なのか
- どういう人間関係がいいのか
- 人間関係は近い方がいいのか、遠いほうがいいのか?
- 上下関係はあった方がいいか、フラットがいいか
周りの人にも聞いてみる
せっかくの機会なので、上司や同僚の人からもあなたに関してのフィードバックを聞いておきましょう。
あなたが意外と気づいていない苦手なことや得意なことが見えてくることもあります。
自分の評価を確認するいい機会でもあります。
面接のときにも、「周りの人からどういう人だと言われますか」というのは頻出の質問です。
聞いておくと答えるのも楽になります。
2.会社を知る
次に会社を調べていきます。
会社の調べ方に関しては、新卒のときと同じようなものも活用します。
ただ、新しいサービスがたくさん生まれてきているので、選択肢はより多いかもしれません。
おもなサービスをいくつか取り上げます。
転職サイト
最初に思い浮かぶのはいわゆる転職サイトではないでしょうか。
新卒のときにリクナビやマイナビに登録した人も多いでしょう。
同じように中途の人向けにもリクナビNEXTやマイナビ転職といったサービスがあります。
新卒のときにはあまり種類がないかもしれませんが、中途になるとより細分化してくるため、分野ごとのサービスもあります。
おすすめ転職サイト一覧
カテ ゴリー |
サービス | 特徴 |
総合型 | リクナビNEXT | すべての転職者が 登録したい転職サイト |
総合型 | ミイダス | 市場価値がわかる 転職サービス |
女性 | リブズキャリア | キャリア女性に 特化した転職サイト |
ハイ クラス |
ビズリーチ | 高年収案件に強い サービス |
転職エージェント
転職エージェントも非常に有効なサービスです。
新卒のときにはあまり機会がないかもしれませんが、転職の進め方のアドバイスから求人の紹介、選考書類や面接のアドバイスを無料で受けられます。
ほかのサービスと違い、転職に関するアドバイスや選考内容のフィードバックをもらえるので、ぜひ活用したいです。
転職の場合には、新卒のときよりもマッチングが難しくなります。
そのときに、落ち続けると自信を無くしていきますし、落ちたときの理由もよくわからないこともあります。
毎日、求職者の人をサポートしている転職のプロを活用すると、成功確率が上がります。
大手エージェントであれば、求人の量もエージェントの質もいいです。
ぜひ活用したい大手のエージェントはこちらです。
口コミサイト
口コミサイトは企業の評判を調べるのに有効です。
大手の企業であっても労働環境がよくないといったことはよくあります。
必ず口コミサイトで、会社の内情について調べておきましょう。
個人的には、Vorkers、転職会議あたりは比較的よく使います。
転職サイト・エージェント、企業の採用サイトは情報が企業側によっています。
口コミサイトを活用することで、ある程度のリスクは減らすことができます。
口コミサイトでは、どのサイトを参考にするかと同じくらい、どの口コミを参考にするかという見方も大事です。
いくつかの注意点もご紹介します。
- 複数の人(職種や時期が異なる)が同じことを書いているのは、正しい可能性が高い
- 明確なエピソードや明確な証拠が示されているものは信用度が高い
- 感情的に書かれているもの、見方が偏っているものは参考にしない
- 不自然なほど特定の時期に集中しているものは参考にしない(サクラ注意)
- あまりにも肯定的な意見は注意してみる
- ベンチャーは1年で環境がまったく変わるので、過去のものはあまり参考にしない
- 自分と違うポジションのものはあまり参考にしない(正社員とバイトなど)
ハローワーク
転職サイトや転職エージェントは、求人企業からの費用で運営されています。
そのため、すべての企業が網羅されているわけではありません。
ハローワークの場合には、企業側がお金を払わないため、より多くの求人があります。
あなたの経歴によらず、サポートされますし、地方の求人などでは取り扱いが多くなっています。
基本的にサポートは転職サイト・エージェントの方がいいですが、転職がなかなか厳しいという人はこちらも検討しましょう。
ハローワークに関しては、別記事でまとめているので、こちらもどうぞ。
3.選考を受ける
選考は就活のときよりもシンプルで、書類(履歴書と職務経歴書)と面接が基本です。
ほとんどの会社では書類で審査され、その後に3回前後の面接があり、内定へと進みます。
書類対策をする
選考書類ですが、転職では新卒のときのような変わったエントリーシートや質問が用意されることはありません。
- 履歴書
- 職務経歴書
の2点でだいたいどの企業も書類選考されます。
職務経歴書は重要
職務経歴書は経験した仕事の詳細を書くもので、履歴書以上に重要な書類です。
履歴書ほどフォーマットが決まっていないため、差がつきやすい書類でもあります。
この職務経歴書がしっかりかけていない人は非常に多いです。
20代の転職とは違い、30代では書類でも落とされやすいので、対策が必須です。
書類はチェックしてもらう
自力で書くのもいいですが、転職エージェントでチェックしてもらった方がいいです。
履歴書も職務経歴書もこまかなルールやポイントが多いです。
「面接にいけば、存分にアピールできる」と思っている人も書類で落ちてしまうと、どうしようもありません。
パソナキャリアは選考書類対策にも力を入れていて、おすすめなので相談してみてください。
書き方のポイント
このサイトでも別記事で書き方を解説しています。
ただ、これはあくまでも基本的な書き方であって、ベストなものはその人の学歴や職歴によっても違います。
パソナキャリアなどの転職エージェントで見てもらう方がいいでしょう。
面接対策
選考対策の中でもかなり重要なパートです。
どれだけ実務経験があっても、それを面接で伝えられないと仕事ができないとみなされてしまいます。
たとえば、このようなものはかなり典型的な質問ですが、うまく答えられない人もいます。
- なぜ退職したのか・転職を考えたのか?
- 志望動機は? なぜ他の会社ではないのか?
- 自己PR
退職理由⇒志望動機⇒自己PRをちゃんと説明できるだけでも印象はまったく違います。
ちょっとした対策でかなりよくなりますので、可能なら実践練習もしましょう。
このプロセスを軽視している人は多く、かなりもったいないです。
転職エージェント、ハローワーク、知り合いの人事でもだれでもいいので練習しましょう。
転職エージェントで面接対策に強いのはパソナキャリアです。
ほかにも面接対策のコンテンツがあります。
特殊な対策
たとえば、コンサルティングの会社では、筆記試験やケース面接と呼ばれる特殊な選考がされることがあります。
会社によって対策方法は違いますが、応募する会社がそのような特殊な選考をする場合にはその対策をしておきましょう。
4.内定をもらい、決定する
あなたがすべての選考を通過すると、オファーレターや雇用契約書のようなものをもらいます。
電話で伝えられるケースや会社に行って直接もらうケースがあります。
基礎的な労働条件(給料、残業、福利厚生)などが書かれているのが一般的です。
その場ですぐ意思決定して欲しいということは基本的にないです。
環境や条件をしっかり確認する
転職してからの後悔の上位には必ず労働条件が入ります。
思ったよりも給料が低い、残業が多い、休日出勤があると聞いていなかったなどは頻出です。
口コミサイトで調べたり、必要であれば現場の社員にも会わせてもらいましょう。
ベンチャーのときには1日体験入社まで対応したこともあります。
また、条件が合わない場合の交渉に関しては難しいですが、転職エージェントを通じている場合には、転職エージェント経由が基本です。
そうでない場合には、他社との比較やそれまでの経験を踏まえて、自分で交渉しましょう。
中小企業の場合では柔軟ですし、大企業でも評価制度が緩いところであれば、調整可能なはずです。
5.退職する
内定をもらってから現職に退職の話をすることになります。
上司の人に「お時間いただけますか」という感じで声をかけるのがいいでしょう。そこで、退職について伝えます。
「ご相談したいことがありますので、お時間をいただけますか」などと伝えて、MTGルームなどで伝えるのが一般的です。
その後は、退職交渉が入ったり、スケジュールを調整したり、書類を提出したりなどがあります。
初回はよくわからないかもしれませんが、退職者はどの会社もいるのでプロセスはだいたい決まっています。
さらに知りたい方は別記事もありますので、こちらもどうぞ。
円満退職が基本
気をつけたいのは、円満に退職することです。
早めに伝えたり、退職時期を調整したり、引き継ぎの準備をしたりとできることはいろいろあります。
同じ業界の場合には、また違う会社であったりすることも多いですし、あなたの評価・評判が悪くなって得することは何もありません。
あなたが成果を出している場合には、部署異動や給与などさまざまな提案があるかもしれません。
そもそもの転職理由を振り返りつつ、それがベストであれば検討してもいいでしょう。
さらに知っておきたいこと
全体としてこのような流れになります。
会社を調べたり、選考を受けたりするのは就活のときとあまり変わらないと思います。
やはり重要なのは自己分析で、長期的にあなたの理想的な状況になるようにぜひ転職のタイミングくらいは考えてみてください。
自分の理想がわからないと給料や役職などわかりやすいものに飛びついてしまいます。
それがあなたにとって重要であればいいですが、そうでなければまた別のところに転職する必要があります。
ほかにもキャリアについてのコンテンツを書いてますのであわせてどうぞ。
“はじめての転職は5ステップ!転職の方法・始め方・進め方・やり方を流れで解説” への5件のフィードバック