派遣社員って好きなときに辞められないの?
契約期間中の退職はなかなか厳しいね
派遣社員の退職にはさまざまな法律が絡みます。
契約に関しても派遣元の会社(派遣会社)、派遣先会社、派遣社員の3者で結んでいるため、複雑になりやすいです。
基本的には、契約更新のタイミングで、契約更新をしないと伝えたり、伝えられたりすることが多いです。
この対応方法によっては法的に問題となることもあります。
ここでは、そんな派遣社員の退職に関して注意したいことをお伝えします。
目次
派遣切り・雇い止めによる退職
派遣切りや雇い止めといった言葉は、ほとんどの場合には契約を更新しないことを指しています。
契約期間中の解雇は困難ですが、派遣元・派遣先の会社の状況次第で認められることもあります。
- 契約終了後に雇い止めされるパターン
- 契約期間中に解雇されるパターン
の2つがあります。
それに加えて、契約終了も派遣先と派遣元の2つのパターンがあります。
- 派遣先への派遣が終了すること
- 派遣元の会社(派遣会社)との雇用関係が終了すること
派遣社員は、派遣元の会社に雇用されています。
派遣先で受け入れを拒否された場合でも派遣元の会社には所属しています。
契約満了・契約終了による退職
よりわかりやすいのは契約期間が終了することによる退職です。
3年のタイミングが多い
今は同一の勤務先で働けるのは3年までです。
このタイミングで派遣先を変える必要がある人は多いです。
派遣先の企業での直接雇用、派遣元の企業での無期雇用への転換などの選択肢はありますが、あまり取られることはありません。
派遣先にしても直接雇用するほどではない、派遣元でも無期雇用で解雇しにくいのは困るという背景があります。
派遣切りというと、完全に仕事をなくすというイメージもあるかもしれません。
ただ、自分が望んでいる職場で働き続けないものも、派遣切りと呼ばれることもあるようです。
年齢の高い人が厳しい
法律改正前から、10年以上働いた職場で雇い止めをされた例もあります。
40代や50代の人も多く、直接雇用をされること期待していた人はショックは大きいようです。
ある程度の能力があれば、仕事自体は見つかるようですが、希望の仕事とは違う仕事に就かないといけない人も出ています。
無効とされる場合も
契約を更新しないことによる雇い止めは法的にも問題ありません。
ただ、契約が何回も更新されている場合や、契約が更新されることを期待される言動があった場合には、無効とされることもあります。
もし雇い止めに納得できない場合には弁護士に相談しましょう。
契約の内容や実際のやり取りも含めて、かなり微妙な問題なので証拠を集めておくのは重要です。
契約満了でも会社都合の退職
派遣社員の場合には、契約満了による退職でも会社都合となります。
自己都合に比べたら失業保険がすぐにもらえたり、期間の条件が良くなったりします。
すぐに働き始めない場合には、ちゃんともらうようにしましょう。
契約期間中の解雇・クビ
合法的に契約期間中に解雇をすることは非常に困難です。
派遣社員や契約社員の契約期間中の解雇は正社員の解雇並みに難しいです。
一方で、あなたが契約期間中に退職するのも困難です。
あなたが働き続けられないような理由があったり、大きな問題を起こしたりしない限りは、合法的に解雇されることはありません。
自分から辞める場合
自分から辞めたいという場合もあると思います。
難しい手続きはありませんが、タイミングや順番には気をつけましょう。
まず、派遣会社に連絡する
まず、派遣元の会社の人に連絡をします。
可能なら1ヶ月前には連絡したいです。
派遣元の人も派遣先の会社との関係がありますし、派遣先の会社も業務の都合があるためです。
退職理由は個人的なものがいい
退職理由は理由次第では改善の提案をされることもあります。
決意が固い場合には個人的な理由にしましょう。
ポジティブな理由としては、「正社員として働きたい」、「ほかにやりたいことがある」などが一般的です。
ほかにも、「体調が悪い」、「親の介護があり、地元に帰る」などもありえます。
関係次第ですが、正直に伝えるほうが精神的には楽だと思います。
最終日には軽く挨拶する
派遣会社に連絡した後は、とくにすることはありません。
一般的には最終日に簡単に挨拶することが多いでしょう。
ここは、派遣されていた期間や職場の雰囲気に応じて、対応は変えて大丈夫です。
自分の場合には、最終出社日の夕方くらいから、一般的にはお世話になった人の席を回って、挨拶をしています。
どうせなら正社員を目指したい
派遣社員が悪いわけではない
すべての場合で派遣社員を避けるべきだとは思いません。
メリット・デメリットを理解したうえで、選択をするのであればいいでしょう。
たとえば、以下の3つのパターンは典型例です。
- 30代で職歴なし、ブランクが5年といった経歴にハンデがある人
- 週3勤務、時短勤務、勤務地などの制約が厳しい人
- 派遣経由で、正社員を目指す人
1.経歴にハンデがあるパターン
本当に職歴がないまま、年齢が上がると、いきなり正社員は厳しい場合があります。
正確には可能なのですが、給料や労働環境に問題が起きやすく、不人気な職種に限定されてしまいます。
完全なポテンシャルで転職できるのは20代までです。
こうした人は少しでも早く経験を身につけることが大事なので、まずは派遣社員で働くのはありです。
ハードルが高い転職に関しては、年齢別にまとめています。興味がある方はこちらもどうぞ。
2.制約が厳しい人
制約が厳しい人の場合には、派遣社員の働き方が有効な場合もあります。
典型的なのは、出産後の女性や介護で勤務地が限定されるような場合です。
理想的には正社員として働きつつ、その会社内で融通が効く働き方に変えてもらうことです。
ただ、なかなかうまくいかないことも多いでしょう。
制約が厳しい人は派遣社員の選択肢もありです。
求人の探し方
テンプスタッフ、セントメディアなどの大手の派遣サイトを利用するのが一般的です。
ワーキングマザーの場合には、女性に配慮した求人を扱うママワークスのようなサイトも有効です。
3.派遣をしながら正社員を目指す人
紹介予定派遣のように、正社員を目指すような働き方もあります。
自分がいた部署でも派遣社員からの直接採用の流れは何回も見ました。
大手の派遣サイトに相談するのがおすすめです。
それでも正社員をおすすめします
上記に当てはまらない人はぜひ、まず正社員を目指してみてください。
コツさえ押さえれば、多くの人に十分に可能性があります。
求人探しが大事
よくあるのが、最初は正社員を目指していたものの、書類や面接での不合格が続いて、契約社員・派遣社員で妥協してしまうパターンです。
やる気があるうちに、数ある求人の中から受かりやすそうなものを受けると、内定がもらいやすいです。
ただ、どういった仕事で正社員になりやすいかを把握するのはなかなか難しいです。
あなたの年齢や経歴次第で、内定の出やすい求人は大きく異なるからです。
プロに相談する
そこで、プロに相談するのがポイントです。
せいぜい数回しか転職を経験していない自分で考えるより、毎日求職者をサポートしているプロに聞くほうが成功確率が上がります。
20代の人であれば、適切な求人を選べば正社員にはなりやすいですし、30代以降の場合にはむしろ経験を活かせる仕事を探す必要があります。
相談は無料でリスクはありませんし、その割にはメリットが非常に大きいです。
早めに転職エージェントに相談して、彼らのアドバイスを得るようにしましょう。
彼らはあなたの転職が成功しないと売上にならないので、サポートも期待できます。
また、大手であれば、希望と異なる求人が紹介されにくく、安心して相談できます。
総合型でのおすすめは以下の3社です。
- 求人数が多く、サポートにも強い:doda
- 業界最大級の転職エージェント:リクルートエージェント
- 未経験、経歴に自信がない人もサポート:ワークポート
20代で職歴がないというレベルの人は専門のサービスを利用しましょう。
フリーターのみ、ブランクが長い人でも正社員として働けるようなサービスがあります。
急ぎではないという人は、転職サイトを活用しましょう。
登録をしておくと、会社からのスカウトも来るので、自分がどういう会社に求められているかもわかります。
- 転職者のほとんどが利用する:リクナビNEXT
- 質問に答えて市場価値のわかる:MIIDAS(ミーダス)
さらに知っておきたいこと
ここでは、派遣社員の退職事情について見てきました。
なるべく正社員というのは、あくまで個人的な考えなので、選択は自由です。
ただ、メリット・デメリットだけは正しく把握しておきましょう。
ほかにもキャリアや転職に関するコンテンツがあります。こちらも合わせてどうぞ。