パワハラってそんなにたくさんあるの?
信じられないようなものが結構あるよ
パワハラという言葉が浸透するとともに、具体的なパワハラが報道されるようになりました。
その中には衝撃的なものもあり、犯罪に近いようなものもあります。
話題になっている事件は、通常では考えられないようなことがされています。
ここでは、パワハラの事例を紹介するとともに、その対策まで見ていきます。
目次
大手企業でのパワハラ事例
1.スルガ銀行のパワハラ
2018年にスルガ銀行で不正融資の問題があり、第三者委員会による調査が行われました。
その中で、パワハラに関しても指摘があり、それが衝撃的なものでした。
いくつかのコメントを抜粋します。
- 「なぜできないんだ、案件を取れるまで帰ってくるな」といわれる。首を掴まれ壁に押し当てられ、顔の横の壁を殴った。
- 数字ができないなら、ビルから飛び降りろといわれた。
- 毎日2~3時間立たされて詰められる、怒鳴り散らされる、椅子を蹴られる、天然パーマを怒られる、1ヶ月間無視され続ける。
- 数字ができなかった場合に、ものを投げつけられ、パソコンにパンチされ、お前の家族皆殺しにしてやるといわれた。
- 目標数字に対し進捗が不調であったときに、チーム全体を前に立たせ、できない理由を言わされた。時間は2時間以上にのぼり支店の社員の前で給与額を言われそれに見合っていない旨の指摘を受け、週末に自身の進退(退職)を考え報告を求められた。
かなり話題にもなりましたが、東証一部の企業でこのようなことが起きるという象徴的な事例でした。
2.電通の過労死事件
少し古いですが、大手広告代理店の電通でも過労死の事件がありました。
もともと超長時間労働が常態化していましたが、象徴的な事件として注目されました。
これ以降、他の大手企業でも労働時間に関して、非常に厳しく見られるようになりました。
3.ヤマト運輸での自殺
46歳の男性従業員がパワハラを苦に自殺しました。
こちらも信じられない発言が多数あります。
- 半身不随にでもしてやろうか
- その場で叩き殺すぞ
遺族側より提訴しましたが、会社側は争う姿勢で、裁判中となっています。
4.サカイ引越センターの暴行
社内で指導が勢い余って、暴行している動画が拡散され、話題になりました。
引っ越し業界はパワハラが起きやすいという指摘もあります。
こちらは示談が成立しました。
5.アリさんマークの引越社
2回遅刻したという理由で1日中、紙をシュレッダーにかけ続ける仕事に異動をさせられるというパワハラがありました。
中小企業でのパワハラ事例
6.福岡の運送会社のパワハラ
大島産業という福岡の運送会社で、凄惨なパワハラがありました。
具体的には下記の内容ですが、なにが特別かというとこれを会社のブログに掲載していたことです。
- 丸刈りにさせる
- 車用の洗剤とブラシで洗う
- 会社の玄関前で土下座する
- ロケット花火で狙われる
Twitterでアルバイトの人が問題行動を載せる例は多数ありますが、会社がオンラインでパワハラの内容を載せるのは極めて異例です。
結局、裁判では敗訴し、1,500万円の支払い命令が出ています。
セクハラを伴うパワハラ事例
パワハラの中にはセクハラを伴うものもあります。
7.はあちゅう氏によるme too運動
またしても電通ですが、はあちゅうというインフルエンターの人が電通勤務時代に、岸勇希という人にパワハラ・セクハラを受けていたという事件です。
- 「お前みたいな利用価値のない人間には人の紹介しかできない」と言われる
- 深夜に自宅に呼び出され、性的な関係を要求される
- 「セックスのうまい女を紹介しろ」と言われる
- 「広告業界では生きていなくなるぞ」と脅される
一般的な企業では、自宅に部下を深夜に呼び出すようなことはありえません。
電通のような大企業で起きているということは他でも発生していることが予想されます。
とくに、セクハラに関しては、表に出にくいという面があるので、なおさら根深いものがあります。
学校・大学でのパワハラ(いじめ)事例
学校も閉鎖的な環境のため、パワハラが起きやすくなっています。
8.常盤平一小での教師によるパワハラ
教師がいじめっ子にいじめられっこを殴らせるという事件です。
学校という閉鎖的な環境で担任の女性教師と教頭による共同でのパワハラです。
その後、生徒は2年以上の不登校のようです。
9.日大アメフト部の暴力事件
日大アメフト部で、監督とコーチが危険行為を行わせた事件も大きく話題になりました。
学生を追い詰めるために、レギュラーから外したり、プレッシャを与えたことが問題視されました。
精神的に追い詰めるために、使われた言葉がこちらです。
- QBを潰せ
- やらなきゃ意味ないよ
- できませんでしたじゃ済まされないぞ。わかってるな
- 優しすぎるすぎるところがダメなんだ
芸能界でのパワハラ事例
芸能界に関連するもので話題になるものがいくつかあったので、紹介します。
10.愛媛県のご当地アイドルで事務所によるパワハラ
事務所とのトラブルで最終的にアイドルが自殺してしまった事件があります。
高校生が休みなく働かされ、事務所とトラブルがあり、また家庭での金銭的なトラブルもあったようです。
具体的なパワハラとしては、以下のような発言があったようです。
- 辞めるなら1億円払え
- 次また寝ぼけたこと言いだしたらマジでブン殴る
母親の方でも学費を用意できないなど、問題が多いようでした。
スポーツ界でのパワハラ
11.レスリングでのパワハラ
栄和人監督の伊調馨選手へのパワハラが問題になった件です。
伊調馨選手が栄和人監督から田南部コーチに指導者を変えたことが気に入らなかったようです。
そこで、田南部コーチの権限を取り上げたり、伊調馨選手がそれまで参加していた男子合宿に参加できないような嫌がらせを行い問題になりました。
12.ボクシングのパワハラ
山根明会長がボクシングの試合で、自身が出身の奈良県出身の人を勝たせようとするプレッシャーをかけていた問題です。
奈良判定とも呼ばれて話題になりました。
僕のパワハラ実体験
パワハラという言葉が普及して、いろいろな事例が出てくる中で、「あれパワハラだったのか」と思うものが自分自身でもあることがわかりました。
上の例ほど過激なものはありませんが、いくつか取り上げていきます。
- 部活の顧問より、「△△はかわいいバカなんだけど、〇〇(筆者)はかわいくないバカなんだよな」と言われた
- 「◯◯さんって働いていて楽しいですか?仕事は自分で見つけるものですよ」と海外支社で日本人上司に言われた
- 入社した会社で、週の半分くらいアルバイトと同じ仕事をした
- 会社の会議にて、「◯◯さんの存在意義ってなんなんですか?」と言われた
書いているだけで、しんどくなりますね。
上で例を挙げたものに関しては、ほとんど最終的にその場から逃げました。
最善の対処方法は逃げです。
パワハラにあったら逃げよう
パワハラがあったらまず、逃げましょう。
経験上、こうした人達は常に同じ問題を抱えているので、あなたの力で改善するのは困難です。
報道を見ている人はパワハラの加害者側の「俺は悪くない」という態度を見ているので、感覚をつかめるかと思います。
1.争うコスパが悪すぎる
賃金や残業代未払いは法律違反なので粛々と対応が可能です。
ただ、慰謝料を求めるようなものは、1年以上かかっても慰謝料が数十万円というような割に合わないものです。
できる限り、前向きなことに時間を使いましょう。
2.日本人は真面目すぎ
たとえば、過労死(karoshi)という言葉はそのまま英語にもなってしまっています。
海外では考えにくいからです。
僕はイギリスやインドネシアでも働きましたが、日本以外の国では問題のある職場からはすぐに退職します。
日本は続けることに対して価値をおきすぎていて、逃げる人に問題があるとしがちです。
僕からいいたいのは、「気にするな、逃げろ」ということです。
限界まで無理をして、精神疾患などにかかると、その後が大変です。
3.周りの助けを借りて逃げる
パワハラの解決は周りの助けを借りることが非常に重要です。
2通りのパターンで解決可能です。
- 社内での解決
- 社外での解決
社内での解決
上司の変更や部署異動で解決できる場合には、社内での解決が選択肢になりえます。
早急に上司の上司や人事部などに相談しましょう。
退職するくらい深刻であれば、代替案が出る会社も多いです。
僕はこれで、3回ほど部署異動を経験しています。
社外での解決
会社内ではどうしようもない場合にはこちらです。
- 耐えられないなら早急に退職
- 耐えられるなら在職中に転職活動
1.耐えられないなら早急に退職
「もう無理」と思うころにはちょっと遅いです。
病気になりそうなくらい、まずいと思ったら退職しましょう。
もう会社や上司とやり取りすらしたくないという場合には、退職代行サービスを活用しましょう。
あなたの代わりに連絡して退職できます。
弁護士対応サービスの場合には、残業代未払いや慰謝料請求にも対応できます。
- 退職代行サービス:SARABA
- 弁護士対応サービス:汐留パートナーズ法律事務所
2.在職中に転職活動
不快だけど、耐えられるという場合には、在職中に転職活動をしましょう。
お金をもらいながら活動できるので、お金を心配して焦る心配もありません。
ベストな転職先を決めてから転職できるので、納得できるまで活動することができます。
おすすめは転職エージェントに相談することです。
自分がブラック企業から転職したときにも活用しました。
どうしても、焦りや不安の気持ちが強くなってしまいがちなので、冷静に第三者のアドバイスをもらうことが大事です。
大手の転職エージェントであれば、ブラック企業にまた転職するというのも避けやすいです。
求人数やサポートの観点からおすすめできる転職エージェントはこの2つです。
さらに知っておきたいこと
ここでは、さまざまなパワハラについて見てきました。
こうやって明るみに出るようになったのは非常にいい傾向だとは思います。
万が一、パワハラを受けてしまったら、速やかにその場を離れるというのが基本的にはおすすめです。
社内で解決できるのであればいいですし、無理なら早めに会社から退散しましょう。
周りのサポートやサービスを活用していきましょう。
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