大学を中退してはいけない理由は1つだけ。就職や転職で後悔しないために

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ゆか

大学を中退するのってそんなにまずいの?

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まっくす

安易な中退は辞めた方がいいね。学生のときにはわかりにくいんだけど。

定期的にSNSなどで「大学を辞めました」という投稿があります。

そうした投稿を見るたびに、おせっかいながら「この人は本当にリスクを理解しているのか」と考えてしまいます。

あくまでキャリアは本人のもので、いろいろな事情はあるかと思います。

それでも、本人が偏った情報をもとに判断してしまっているのではないかという思いがあります。

そこで、以下の内容について取り上げます。

  • 大学中退を考えている人に考えてほしいこと
  • 中退をしたい場合の対応方法
  • すでにしてしまったときの対応方法

自分が決めるとしても、知識を持ったうえで判断できるようにしましょう。

キャリアの選択肢が圧倒的に減るから

僕が安易な中退に反対する唯一の理由は、中退によってキャリアの選択肢が圧倒的に減るからです。

    これは学生時代にはなかなかわからないことですが、大卒かどうかはあらゆる場面で関係してきます。

    大卒という条件は基本

    たとえば、就職や転職で考えても選択肢が非常に狭くなります。

    大卒という条件が基本のところは多いです。

    これは大企業だけでなく、中小企業でも見られます。

    具体的には転職サイトで求人を見たり、ハローワークで話を聞いたりしてもいいでしょう。

    そのときに高卒と大卒で応募できる求人の数や待遇の差を比べてみてください。

    新卒チャンスが活かせない

    日本は他の国と比較したときに新卒が非常に有利です。

    他の国では、新卒でも中途と同じように見られることもあり、必死にインターンなどで少しでも経験を積み、アピールするところもあります。

    一方で日本の場合には、非常に新卒が優遇されます。

    ポテンシャルだけで大企業にも入社できます。

    会社にこだわらなければ、どんな人でも正社員で仕事が得られます。

    同じ仕事に中途入社するのは難しいことも多いです。

    このチャンスを無駄にするのは、あまりにもったいないです。

    海外でも影響する

    海外に行くのであれば関係ないと思っている人もいるかもしれません。

    海外に出る場合でも学歴は重要です。

    たとえば、大卒じゃないとビザが下りにくい国もあります。

    現地の日本企業に勤めるにもあなたの学歴は見られます。

    また、勢いで渡航した人が何年かで日本に戻ってくることは非常に多いですが、そのときに同じ問題に直面します。

    未だに偏見もある

    社会に出れば学歴が関係ないということはありません。

    経験を積んでも学歴が見られる会社はあります。

    また、仕事以外でも高卒ということで偏見を持つ人はいます。

    たとえば、結婚するときに相手の両親に挨拶に行ったときに気にされることがあるかもしれません。

    みんな表立っては言いませんが、こうした偏見があることは事実です。

    知っておいてほしい3つのこと

    1.中退が人生の終わりではない

    勘違いしてほしくないのですが、中退をするのはどんな場合でもいけないとは思いません。

    個々人の事情はありますし、金銭的な事情などで解決が難しいものもあるでしょう。

    もちろん、大学中退の人でも中卒の人でも成功している人もいます。

    学歴はあくまでも一要素なので、すべてを決定づけるものではありません。

    2.偏った意見だけを見ない

    特にSNSなどでは偏った意見が多いです。

    自分で得る情報を選択できてしまうので、他の視点が抜け落ちることはよくあります。

    たとえば、こうした言い回しはよく見られます。

    • 学歴なんて関係ない実力の方が大事だ
    • これからは学歴は関係ない
    • 起業するなら学歴はいらない
    • 学歴があったからといった仕事ができるとは限らない

    正しい部分もありますが、間違っている部分もあります。

    特殊な事例

    起業した社長やフリーランスとして働いている人にはあまり関係ありません。

    こうした人たちは最終的に実績で判断されるので、実績さえあれば学歴はほとんど関係ないからです。

    あなたが会社員として働き続けることが絶対にない場合はいいですが、それ以外の場合には少なからず影響があることを理解しておきましょう。

    生存者バイアス

    大学を中退して、起業やフリーランス、海外で働くことに成功した人を見たかもしれません。

    その裏で失敗した人達のことも知っているでしょうか?

    生き残った人だけが目に入るのは生存者バイアスと呼ばれます。

    僕は起業もフリーランスも海外で働くのも経験しましたが、僕の場合にはこうした人もたくさん見ています。

    • 起業してうまくいかなかった人
    • 海外に行ったが、結局すぐに日本に帰ってきた人
    • フリーランスでも常駐必須で、会社員とあまり変わらない人

    特に、起業なんかは優秀だから成功するというものでもなく、運の要素もあります。

    あなたが参考にしている成功者は、何回やっても成功する人かもしれませんが、たまたまうまくいった人かもしれません。

    3.中退すれば何かが変わるわけではない

    中退をすることで何かが進むようなことはありません。

    時間が余るだけです。学費を持っていれば、お金も余るかもしれません。

    辞めることが目的になることは危険です。

    石田さんの話

    少し前になりますが、石田さんという人がいました。

    「4ヶ月で大学を中退し起業します。レールに沿ったつまらない人生はもう嫌だ。 」

    という名前の記事を書いて非常に話題になりました。

    大学を卒業して、会社員として普通に働くというのをレールと表現して、代わりに大学を中退して起業したいという内容です。

    そこから少し話題になりましたが、事業もなく、ブロクも4記事で終わり、会社のサイトもブログもtwitterも更新が停止しているようです。

    彼が現在、何をしているかはわかりませんが、成功しているとは考えにくいでしょう。

    まずは動くこと

    やりたいことがあれば、大学に在籍しながらやりましょう。

    ほとんどのことは大学に在籍しながらできます。中退する必要はありません。

    たとえば、留学なども長期休暇のタイミングで行ったり、休学をしたりすることが可能です。

    大学生でも成人なら会社は作れます。

    そもそもサービスを作るだけなら会社も別に必要ありません。

    自分がやりたいと思っていることをやりましょう。

    起業して、事業が軌道に乗り、結果として大学に行けずに中退した人はいます。

    何のあてもなく、中退するのはおすすめできる方法ではありません。

    すでに中退した人はどうすべきか?

    大きく2つの選択肢があります。

    • 大学に通う
    • 高卒として働く

    大学に通う

    大学を中退しても復学できるルールがある大学もあります。

    放送大学のように通信制の大学もあります。

    あなたがまだ若くて、卒業する年齢が25歳までになりそうなら大学にまた通うという選択肢も十分あります。

    年齢が上がると、新卒でも敬遠される会社もありますが、それでも高卒のときより選択肢は広がります。

    高卒として働く

    実務経験を得る

    学歴は若いうちほど影響が大きいです。

    若いうちは実務経験が少ないので、ポテンシャルで判断するしかないからです。

    つまり、実務経験があれば学歴の重要度は下がります。

    早めに正社員として経験を積むことが大事です。

    別記事で詳しくまとめているので、年齢に応じてぜひチェックしてみてください。

    学歴が不利にならない仕事を知る

    学歴が不利になりにくい仕事もあります。

    たとえば、営業やエンジニアは実績や能力があれば、学歴はあまり見られない傾向にあります。

    企業としてはベンチャー企業はそこまで学歴を気にしません。

    フリーランスや起業も自分で稼げるのであれば、学歴はまったく関係ありません。

    それぞれ補足しているコンテンツがあります。

    興味がある仕事があれば、こちらもぜひ参考にしてみてください。

    よくある疑問

    海外に行くなら関係ないのでは?

    国にもよりますが、高卒でのビザ取得が困難な国もあります。

    また、日本以上に学歴に厳しい国もあるので、注意が必要です。

    Fラン大学でも卒業したほうがいいですか?

    大学であれば、学歴とみなされるところも多いので、有効です。

    大学中退して、語学留学に行きたいのですが?

    語学留学自体はあまりキャリアにプラスになりません。

    語学留学後からの就職はハードルが高いですし、日本に戻ってくると学歴の問題が残ります。

    大学に行きながら夏休みを利用したり、休学したりをおすすめします。

    大学に通うお金がもったいないのでは?

    あくまで平均ですが、高卒と大卒では期待年収が大きく変わります。

    仮に平均金額同士で比較すると、40年間で5,000万円程度の差が出ます。

    学費は私立でも500万円程度かと思いますので、投資としては悪くなさそうです。

    大卒と高卒の給料差

    給料
    (万円)
    全体 男性 女性
    大卒 37.0 39.8 29.2
    高卒 26.5 29.1 21.1
    10.5 10.7 8.1
    40年の差 5,035.2 5,136.0 3,868.8

    出典:賃金構造基本統計調査

    大学の中退率はどの程度?

    文部科学省がデータを出していますが、平成24年度のデータで2.65%となっています。

    過去のデータの推移でも2%~3%にだいたい収まっています。

    さらに知っておきたいこと

    ここでは、安易な大学中退を避けたほうがいいという話を紹介しました。

    若いうちほど取り返しはつきやすいですが、せっかくのエネルギーはうまくいく方に使っていきましょう。

    他にもキャリアに関するコンテンツがあります。

    こちらもぜひあわせてどうぞ。

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