仕事をしていれば多かれ少なかれ、失敗があると思います。
自分も大小問わず、失敗を経験しましたし、日本だけにとどまらず、複数の会社であらゆる失敗を見てきました。
ITやベンチャー企業に身をおいているので、事業やサービスレベルでの失敗もたくさん経験しました。
ここでは、その経験も踏まえながら、失敗とその立ち直り方について掘り下げてみていきます。
目次
仕事の失敗の基本原則4つ
1.失敗は誰にでもある
どんな人でも失敗はあります。
ベテランの人でも新人時代には失敗していますし、営業のプロでも事務処理が苦手だったりします。
他にも新しいことに取り組むと失敗しやすくなります。新規事業は大企業でも失敗だらけです。
もしあなたが、過去1年にわたって大きな失敗をしていない場合には、新しい挑戦できないといえるかもしれません。
2.致命的な失敗はあまりできない
失敗にはさまざまなレベルがありますが、基本的にはあなたに合ったレベルの失敗しかできません。
たとえば、あなたがアルバイトで働いているとしたら、お客さんからクレームを受けるかもしれません。
社員として、取引先から取引を停止されるかもしれません。
ただ、これはあなたの任されている範囲のものであって、会社全体に迷惑をかける用な失敗はなかなかできません。
失敗したとしても上司がいる限り、その人があなたに依頼した責任でもあります。
クビになるような失敗は難しい
日本は解雇規制が厳しく、会社の業績が悪いなどの複数要件が揃わないと解雇ができません。
一般的に解雇されるのは、重要な経歴を偽っていたり、犯罪を犯してしまったり、会社のお金を横領していたりするようなケースです。
判例を見ても、仕事上のミスで解雇するのは非常に難しいです。
少なくとも失敗したからといって解雇されるような心配はほとんどありえないことを知っておきましょう。
3.いい失敗と悪い失敗
失敗にもレベルはあります。
新しいチャレンジをした中で、仕方がなく失敗してしまうのは問題ありませんが、「何回言えばわかるんだ」といわれるような失敗はよくないでしょう。
マニュアル化されていて、方法が確立されているものやすでに何年も経験があるうえでの失敗は悪い失敗といえます。
一方で、新しいチャレンジや結果がわからない施策を行ったり、はじめてやる仕事だったりに対する失敗はいい失敗といえるでしょう。
4.失敗の対処が重要
失敗が起きてしまった後は対処が極めて重要です。
- 失敗に対する直接的な対処
- 失敗を受けてその後どうしていくか
という2つが重要です。
仕事ができるといわれる人も失敗をしますが、事後対応の差がうまく、致命的な状況を避けています。
仕事の失敗に対する直接的な対処
仕事で失敗すると、誰かに影響します。
失敗してしまったときに、もっとも重要なのは、以下の2つです。
- 早く報告すること
- 正直に包み隠さず報告すること
一般的には上司なるかと思いますが、報告さえ迅速に行えば致命的な事態は避けられます。
自分も最大20名前後の部下がいましたが、一番困るのはこういった報告です。
- 時間が経った後に報告される
- 誤った情報を報告される
- 一部の情報を報告される
時間が経てば経つほど、問題は大きくなりやすいですし、誤った情報や偏った情報をもとに判断すると誤った解決策を取ってしまうことがあります。
両方の立場を経験しているのでわかりますが、
- 部下としては話しにくく、気まずく、解決が難しそう
- 上司としては報告してもらうと助かり、解決の方法は複数あるように思う
ものです。
仕事で失敗した後の対処
直接的な失敗の収拾がついてからは失敗を受けてどのように行動を変えるかが、重要です。
PDCAが仕事の基本
PDCAは知っている人も多いかと思いますが、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を指します。
計画から実行、振り返りをしてどんどん改善していくという流れです。
どの仕事でも重要ですが、営業やマーケティングではあらゆるものが数字になるため、成果の計測が非常にしやすいため、よく使われます。
失敗はこの中の実行にあたるので、これをしっかりと評価、改善に繋げる必要があります。
その失敗がなぜ起きたのかを明確にし、今後同じようなミスが起きないように対策しましょう。
どうしても最初は、異なるタイプのミスが起きてしまうため、失敗は避けられませんが、継続していくにつれ、失敗は減っていくはずです。
貢献で取り返す
会社で失敗をしてしまい、辞めたいと考える人もいますが、貢献で取り返すのが基本です。
5年も経って同じような失敗をしているのであれば問題ですが、新人時代の失敗は誰にでもあるものです。
早く一人前になり、会社に対して貢献していけるようにしましょう。
【失敗談】あまりにも失敗が続くとき
仕事に向き・不向きはあります。
自分も経験があるのですが、バックオフィス系の業務の部署で仕事での失敗が続くことがありました。
自分はそれまで営業やマーケティングの仕事をしてきたので、基本的には数字を上げる仕事でした。
それがバックオフィスになるとがらっと変わり、明確な数値目標もなく、自分の仕事に対する貢献が見えなくなりました。
バックオフィスの中でもやや特殊で経理や人事といった明確な職能がないところだったので、なおさらそれが強かったかもしれません。
比較的単純な業務でも失敗が続きました。
「こんなに間違える人は初めてです」などとも言われながら続けていましたが、自分にとってベストな環境ではないなと思い、退職することにしました。
逃げてもいい
逃げるというとネガティブですが、場所を変えることで活躍している人はたくさんいます。
転職や異動などは見方によっては逃げと言われるかもしれませんが、行った先で活躍すれば問題ありません。
残念なのは、以下のようにあまり根拠がない話を信じてしまう人もいることです。
- この会社でうまくいかないと、どこに行っても通用しない
- 3年はいた方がいい
- 一度逃げると、逃げる癖がつく
- 転職する前に、今の会社で問題を解決したほうがいい
確かに、3年間で5回転職していたり、何をしても3ヶ月しか続かないといった場合にはまず自分のことを見直したほうがいいでしょう。
そうでない人は、転職したり、異動したりして活躍している人はたくさんいます。
- 営業としてイマイチだった人が人事で活躍したり、
- 前の会社で一緒だった先輩が転職後に給料は2倍以上になっていたり、
- マネージャーだった先輩が、転職して上場企業の部長になっていたり、
いろいろな話を聞くことがあります。
上に挙げたような人たちは一緒に働いているときは正直、そんなに仕事ができる感じでもなく、出世街道というわけでもありませんでした。
それだけに聞いたときには驚きましたが、もしかしたら自分も同じように見られていたかもしれません。
場所を変えるススメ
いくつかの仕事を経験した上で、失敗が一時的なものではなく、自分と仕事のミスマッチだという場合には異動や転職が有効な選択肢となりえます。
異動もあり
大企業であれば、異動して別会社のような環境に移れる可能性もあるので、おすすめしています。
異動の相談は人事の人に相談したり、役職者など立場の高い人に相談したりするのがいいです。
上司だとあなたの異動がネガティブになりうるので、ちゃんと対処してもらえない可能性があります。
転職もあり
会社の人数が少ない場合や、異動が期待できない場合には、転職も考えたほうがいいでしょう。
転職にもリスクがありますが、基本的なことを押さえればリスクは大きく減らすことができます。
転職方法やポイントに関してはこちらでまとめています。
さらに知っておきたいこと
ここでは仕事の失敗に対して取り上げました。
ささいな日常的な失敗は、どんどん改善していければいいですが、向き・不向きは冷静に判断したほうがいいでしょう。
他にもキャリアに関するコンテンツがあります。こちらもあわせてどうぞ。