いざ退職をしようと考えたときに、どのように伝えればいいのでしょうか。
一度退職したことがあればわかるかと思いますが、そうでなければ悩むポイントでもあります。
ここでは、退職をどのように切り出していくのかを説明します。
目次
退職のプロセス
まず、退職の全体像を抑えておきましょう。
大まかにこのような流れです。
- 転職活動をする(退職4~5ヶ月前)
- 内定をもらう(退職2~3ヶ月前)
- 上司への相談する(退職1~2ヶ月前)
- 関係各所と調整する
- 退職日・最終出社日が確定
- 退職届・退職願などの書類対応
- 社内での引き継ぎ
- 挨拶回り
- 退職
ほとんどの人は転職先が決まった後に退職をするかと思います。
社内の退職手続きはこのように、上司へ相談することから始まります。
進め方がわからないという方もそこまで心配する必要はありません。
上司に相談した後は、社内の標準的なプロセスがあるはずなので、指示にしたがっていくだけです。
退職の切り出し方
退職の切り出し方ですが、いくつかのポイントがあります。
- 誰に
- いつ
- どこで
- どのように
という4点についてそれぞれ見ていきます。
「上司」に伝える
基本的には上司に最初に伝えます。
上司からその上司に伝えられたり、人事に連絡されたりという流れになります。
人事にいきなり伝えたり、上司の上司に伝えたりするのは避けましょう。
上司との関係性が悪い場合でも、本人に伝えるのが基本ですが、よほどこじれているような場合には人事などにも相談しましょう。
「早めに、忙しくないとき」に伝える
あまりに直前に伝えられると会社側も困ります。
一般的には最短でも1ヶ月前、可能なら2ヶ月前くらいには伝えましょう。
法的には、退職の意志を伝えてから2週間で退職できますが、円満に退職する場合には相手のことも考えましょう。
タイミングに決まったルールはありませんが、忙しくないときにしましょう。
業務が落ち着いたタイミングでもいいですし、業務が終わった後でも構いません。
アポをとっておくのが楽
自分の場合にはメールや社内チャットでMTGをお願いして伝えることが多いです。
「ちょっとご相談したいことがありまして」、「ちょっとお時間いただけますか」といって時間を取っておきます。
直接、席に行ったり、声をかけたりしてもいいですが、退職することが周りに伝わると面倒なので、自然に声をかけるようにしましょう。
「ほかの人がいないところ」で伝える
会議室など、ほかの人がいない空間で伝えます。
MTGを入れておくのが楽ですが、席に行って「ちょっといいですか」と伝えて、会議室にいく形でも大丈夫です。
ほかの人に伝わると動揺が広がったり、業務に支障が出たりするので、伝えないようにしましょう。
退職日が決まる中で、人事などに伝わったり、引き継ぎをして周りの人に伝わったりして徐々に近いところから伝わっていくものです。
きっぱりでも柔軟に伝える
伝え方に関しては、意思をしっかり伝えることと、相手の都合を考えることの2つが重要です。
退職理由は、こまかいことを説明する必要はありませんが、納得感があるものを用意しておくとスムーズに進みます。
介護、結婚、出産などであれば、疑問の余地はありませんが、転職する場合には、「もっと〇〇のスキルをつけたい」、「〇〇がしたい」といった内容で大丈夫です。
面接のときの志望動機のように、説得力があるものにしましょう。
「大変お世話になりましたが、退職をするつもりです」、「さらに〇〇の分野に注力するつもりです」とシンプルに伝えましょう。
注意したいこと
先に転職先を決めたほうがいい
辞めてからの転職は、いろいろなリスクがある割にはあまりメリットがありません。
焦って転職したり、ブランクが空いて不利になったりというリスクがあるので、先に決めておきましょう。
上司以外には話さない
退職に関しては上司以外に話さないようにしましょう。
とくに、退職日が決まるまでは誰にも話さないようにするのが大事です。
退職が確定しているわけではありませんし、業務次第では引き継ぎで異動なども伴う可能性があります。
周りに伝えるのは、引き継ぎなども進み、周りの人が薄々わかってきているようなタイミングしましょう。
退職願・退職届・辞表はいらない
ドラマや映画などではかっこよく辞表を出すようなシーンがあります。
現実で同じことをしてはいけません。
あくまでも上司と話した後に書類を出すのが通常です。
会社によって専用フォーマットがあったりするので、それに沿って出しましょう。
辞める雰囲気を出しておくと楽
退職を納得してもらいやすくするには、それとなく雰囲気を出しておくと楽です。
仕事が一生懸命の人が毎日定時に帰ったり、たまに有給をとったりすると退職するのではないかと思われます。
自分の都合が基本
重要なのは、あくまでもあなたの都合が最優先ということです。
円満退職ということで、ここでは会社側に配慮した内容を紹介していますが、これはすべて可能な限りという内容です。
転職先の入社日が決まっているならそれに合わせて調整する必要がありますし、自分が伝えたくないことは伝えなくても大丈夫です。
引き留めオファーは柔軟に対応
引き留めにあたり、他部署への異動や昇給などはよくあるアプローチです。
強い意思を持って断ることが重要ですが、魅力的なオファーであれば受けるのも問題ありません。
自分も退職しようとしたときに別部署に異動したことがありましたが、自分の行きたい部署に行くことができました。
フロアも変わるくらいで、ネガティブな影響はほとんどありませんでした。
自分の不満の原因が解消するようであれば受けるのも検討してもいいかもしれません。
トラブルへの対処方法
会社ともめているとき・拒否されたとき
基本的に会社に退職届を拒否する権利はありません。
あなたが退職届を提出してから2週間後には退職できます。
ただ、どうしようもないくらいもめている・破り捨てられたというような異常な環境の場合には対応が必要です。
退職の意志を証明できるような状態にしておくことが重要です。
上司の机の上に退職届を置いてカメラで写真を撮るといった方法も考えられますが、一般的なのは内容証明郵便で郵送することです。
相手から受け取っていないと言われたときに、確かに送りましたよと後から証明できるようにするものです。
残念ながら話し合いで解決できない場合にはこうした方法で解決します。
退職願・退職届・辞表の具体的な書き方はこちらの記事を参考にしてください。
退職願・退職届を撤回したい
撤回できるかどうかの論点は法的にはさまざまあります。
- 退職の意思が固いかどうか(お願いか・通知か)
- 会社が受理しているかどうか
- しかるべき権限を持つ人物(人事部長・経営陣など)が受け取ったか
- 会社が承諾の意思表示をしているか
- 錯誤、詐欺、脅迫などがあったかどうか
退職願や退職届をどのような形で提出しているか、それを会社が受け取っているか、その判断をするうえでなにか問題があったかなどです。
実務上はもっとシンプルに、あなたが会社に必要とされているか、誰まで話がいっているか、後任の準備などの手続きが進んでいるかで判断されるでしょう。
上司ともしっかり話したうえで、急に事情が変わったので、撤回したいということであれば、会社側としても迷惑に思うかもしれません。
会社側から別の選択肢を提示されて、やっぱり受けるということであればまた違うでしょう。
自分の場合には、上司に相談した結果、(そのさらに上司に)別部署を提案された受けた経験があるわけですが、書類こそ出していないものの、お願いのような形のものを撤回しているわけです。
そのようなことにならないように十分に考え、話し合うことが重要ですが、起きてしまったらその後のキャリアも考えて判断しましょう。
撤回したことにより、不利になりそうか、そうでもないかなどは会社の雰囲気によっても違うので、考慮に入れましょう。
さらに知っておきたいこと
ここでは、退職の切り出し方について見てきました。
退職は頻繁にあることでもありませんし、なかなか他の人にも聞きづらいものでもあります。
しっかり押さえて、気持ちよく退職できるようにしましょう。
ほかにも退職やキャリアに関するコンテンツがあります。あわせてどうぞ。