SEO対策をどうすればいいのか?
こういう相談をよく受けます。僕はメディアを自分でいくつか運営したり、大量にコンテンツを作っていたこともあります。
そのうちいくつかのメディアは売却しましたし、個人的にコンサルを請けたりもしています。
SEOに関してのノウハウは多少あるのですが、ルールの変化が速かったり、何が正しいかを断言しにくい部分もあったりと説明が難しいです。
「難しく考えるよりも、いいコンテンツを作れば大丈夫ですよ」というのも万人向けで正しいのですが、投げやりな気がします。
というわけで記事を書きました。予備知識がない方でもわかるようにしています。
少し読むのに時間がかかるかもしれませんが、SEOの基礎はこの記事だけでわかるような内容になっています。(2万文字超え)
やり方だけ知りたい、という方は目次をクリックして途中から見ることもできます。
目次
SEOとは?言葉の意味と目的
まず、SEOに関してです。Search Engine Optimizationの略で検索エンジン最適化のことです。
一般的にSEO対策というときには、特定の会社や商品の売上を上げたり、ブランディングをするためにあるキーワードでの検索順位を上げることを指します。
たとえば、あなたが会社でチョコを売っていたとします。
この売上を上げるために、いかに検索エンジン(GoogleとかYahooとか)でそのチョコを表示させるかということがゴールになったりします。
「チョコ おすすめ」とか「チョコ おいしい」で検索したときに上位に表示させることができれば、売上の上昇が見込めるわけです。
基本的にGoogleの対策を指す
検索エンジンは中国などを除くと、ほとんどGoogleの圧勝です。また、Yahoo!もGoogleのアルゴリズムを使っています。
基本的には、SEO対策といったときには、Googleのアルゴリズムに関しての対策ということです。
SEO対策はなぜ重要なのか?
SEO対策とは、このようにマーケティング(モノを売ったり、ブランディングしたりする)手段の1つです。
マーケティング施策はCM、チラシ、オンライン広告、SNS(FacebookやTwitter)などとさまざまあります。
他の方法で、マーケティングができれば問題がないので、常にSEO対策が重要というわけではありません。
SNSで話題になってもいいわけですし、そもそもファンが付いていれば、直接買うので検索からの流入は重要ではありません。では、SEOのメリットはなんなのでしょうか。
メリット
SEOのいいところは、うまくやると優秀な営業マンが見込み客に営業をしつづけてくれるような効果を得られるところです。
いくつか具体的なメリットを列挙するので見ていきましょう。
- 能動的に検索するニーズが高い人たちにリーチできる
- 低い予算でもできる
- コンテンツが蓄積され、継続的な流入が見込みやすい
- ブランディングになる
1.ニーズが高い人たち
検索する人は成果に結びつきやすいと言われています。たとえば、扇風機を売っているサイトがあったとします。
そこに、どこかのサイトのバナー広告やSNSでの記事をクリックして訪れた人と、「扇風機 おすすめ」と検索して、訪れた人はどちらが購買意欲が高いでしょうか。
検索という行動は能動的なため、来た人は見込み客となるわけです。
2.低予算でできる
他の広告に比べて、かなり低予算でも始められます。CMとなると最低でも数千万円程度かかりますし、オンライン広告も始めるには数十万程度は欲しいです。
それに比べて、SEOは会社によっては既存社員がコンテンツを作成したりと限りなく低予算で始められます。サーバー代だけなら数千円で済みます。
3.継続的な流入
SEOは地味ですが、継続します。それは一度書いたコンテンツが蓄積され、価値を持ち続けるからです。
SEOには、SNSのような爆発力はありません。バズってTwitterやFacebookで拡散され、いきなり何万PV、何十万PVということはありません。
それでも良質なコンテンツであれば、サイトの更新を止めてからでも継続して流入を得ることができます。
4.ブランディング
SEOはブランディングとしても重要性を持っています。検索をしたときに、オリジナルの商品やお店が出てこないことはありませんか?
その後に追加のキーワードを入れたりしてやっとたどり着くことはないでしょうか。知らない会社や商品を見たときに、検索する人は多いでしょう。そのときに出てこなかったら心配になりませんか。
検索で表示されることは、レファレンスにもなるわけです。
デメリット
もちろん、いいところもあれば、悪いところもあります。こちらもいくつか見ていきましょう。
- 時間がかかる
- Googleに依存する
- 成果が安定しない
1.時間がかかる
残念ながらSEOには時間がかかります。もし、ゼロからサイトを制作し、ドメインを取ってコンテンツを作り始めたとすると、どんなに早くても3ヶ月~半年はかかります。
そして、それまでの期間はやっていることがすべて間違っているのではないかというくらい成果が出ません。この間の数字報告とかは胃が痛いわけです。
この課題があって、自社メディアを立ち上げてから3ヶ月後くらいに撤退を決めたり、自然消滅されたりする会社のプロジェクトが多いです。
2.Googleに依存する
これはどのプラットフォームでもそうですが、Googleでも同じです。Googleのアップデートの影響を受けて、まったくアクセスがなくなるということもあります。
そもそも検索されていないものに対策できないので、検索されにくいものはほかの方法のほうが良かったりします。
分野にもよりますし、やり方が悪いということもありますが、そういったものでなくとも影響を受けることがあって、対策の仕方がわかりにくいといったリスクがあります。
3.成果が安定しない
SEOで安定的に成果を上げることは難しいです。どんな広告でも初回の効果を読むのが難しいですが、SEOはその中でも難しいです。
たとえば、広告の場合には、いくらを使うとどれくらいの人にリーチできて、そのうちどれくらいの人が買ったり、興味を持ったりするかを計画できます。
同じような計画はできるのですが、では現実的に検索順位の上位が取れるかというとそれはわからないところがあります。そして、わかるのは早くて3ヶ月後なわけです。
SEOの歴史は?
具体的な話に入っていく前に、その内容とも大きく関わるSEOの歴史について簡単に振り返ります。
検索エンジンのメインはGoogleとYahooでしたが、現状はGoogleの検索エンジンが主流です。
そこで、SEOを理解するうえでは、Googleの考え方を知ることが大事です。まず、Googleが何を成し遂げようとしているかを確認しましょう。
Googleがやりたいこと
Googleがやりたいことは昔からずっと変わらず、ユーザーにベストなコンテンツ(+体験)を届けたいわけです。
少し長いですが、Google ウェブマスター向けのブログ(良質なサイトを作るためのアドバイス)から引用します。
- あなたはこの記事に書かれている情報を信頼するか?
- この記事は専門家またはトピックについて熟知している人物が書いたものか? それとも素人によるものか?
- サイト内に同一または類似のトピックについて、キーワードがわずかに異なるだけの類似の記事や完全に重複する記事が存在しないか?
- あなたはこのサイトにクレジット カード情報を安心して提供できるか?
- この記事にスペルミス、文法ミス、事実に関する誤りはないか?
- このサイトで取り扱われているトピックは、ユーザーの興味に基いて選択されたものか?それとも検索エンジンのランキング上位表示を目的として選択されたものか?
- この記事は独自のコンテンツや情報、レポート、研究、分析などを提供しているか?
- 同じ検索結果で表示される他のページと比較して、はっきりした価値を持っているか?
- コンテンツはきちんと品質管理されているか?
- この記事は物事の両面をとらえているか?
- このサイトは、そのトピックに関して第一人者(オーソリティ)として認識されているか?
- 次のような理由で個々のページやサイトに対してしっかりと手がかけられていない状態ではないか?
- コンテンツが外注などにより量産されている
- 多くのサイトにコンテンツが分散されている
- 記事はしっかりと編集されているか? それとも急いで雑に作成されたものではないか?
- 健康についての検索に関し、あなたはこのサイトの情報を信頼できるか?
- サイトの名前を聞いたときに、信頼できるソースだと認識できるか?
- 記事が取り上げているトピックについて、しっかりと全体像がわかる説明がなされているか?
- 記事が、あたりまえのことだけでなく、洞察に富んだ分析や興味深い情報を含んでいるか?
- ブックマークしたり、友人と共有したり、友人にすすめたくなるようなページか?
- 記事のメインコンテンツを邪魔するほど、過剰な量の広告がないか?
- 記事が雑誌、百科事典、書籍で読めるようなクオリティか?
- 記事が短い、内容が薄い、または役立つ具体的な内容がない、といったものではないか?
- ページの細部まで十分な配慮と注意が払われているか?
- このサイトのページを見たユーザーが不満を言うか?
彼らはこうした基準を持ち、良質なコンテンツを独自のアルゴリズム(計算方法)で順位付けようとしているわけです。
そして、この精度が今まではそこそこ低かったために、
- ユーザーが満足するコンテンツを作るだけではなく
- Googleにもそれを理解してもらう
必要がありました。
それが、今は十分にその質が上がってきたため、前ほどはGoogleを意識しなくて大丈夫になっています。Googleが勝手に理解してくれます。
というか大規模なサイトや特殊なアプローチが必要なサイト(CGM・画像・動画主体など)以外のほとんどのサイトでは、あまり気にしなくても大丈夫になりました。
そうはいっても、今まで何を気にする必要があって、何を気にしなくて良くなかったのかがわからないかもしれません。
スパムとの戦いの歴史
Googleのアルゴリズムの進化は、スパムとの戦いの歴史です。僕もすべてを追いきれているわけではないので、よくあるスパムだけ取り上げます。
被リンクスパム
昔のGoogleは外部リンク(他のサイトからのリンク)を重要視していました。
たくさんのサイトからリンクされているサイトはいいサイト、いいサイトからリンクがあるものはいいサイトとしていました。
今も同様の基準はあると言われていますが、それがかなり甘かったため、大量にサイトを作ってリンクを張り合うようなスパムが使われました。
キーワードスパム
未だに見ることがありますが、キーワードを見出しや本文に大量に入れることで、アクセスを得ようとするスパムがありました。
font-sizeを非常に小さくして見えなくしたり、背景色と同色のテキストでキーワードを大量に繰り返したりするようなものがありました。
自動生成ページ
日本語になっているかよくわからないような質の低いコンテンツのサイトを自動でたくさん作り、キーワードをたくさん入れて、外リンクを張りあったりします。
アップデートで激減
こうしたものの一部は、多少有効なものもあるようですが、ほとんどはGoogleのアップデートで役に立たなくなりました。
有名なのは、パンダアップデートやペンギンアップデートという大型のアップデートです。Googleの大型アップデートはかわいい動物の名前がつきます。
今は、Googleに評価してもらうためだけに、被リンクを増やしたり、本文にキーワードを入れたりはしなくてもよくなりました。
こんな感じでどんどんテクニック的な要素は減っていきます。今は普通にユーザーが求める情報を書くことが重要になってきました。
YMYLとEAT
サイトやブログを作るうえで1つだけ避けた方がいいものがあります。それは、健康やお金に関する分野です。
YMYL(Your Money, Your Life)と呼ばれており、あなたのお金や健康に多大な影響を及ぼしてしまう可能性があるデリケートな分野はかなり難しいです。
こうした分野では、個人が勝つのが非常に難しくなっています。健康系のキーワードで調べるとほとんど公的な期間や専門の会社しか検索上位に来なくなっています。
2019年3月のコアアップデートでは玄人の人たちもかなりダメージを受けて、引退した人たちも出てきました。
EATが重要
とくに、こうしたデリケートな領域ではほかのもの以上にEATというものが重視されます。
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
あなたが専門家として発信をしたり、自分のサイトの情報が引用されたりとGoogleがわかるレベルになっている必要があります。
本文内でハゲというワードを取り上げておいて申し訳ないのですが、このような分野はとくに初心者の方にはおすすめしません。
- 自分のサイト名で指名検索される
- SNSなどを含めてブランディングできる
- 良質な被リンクを大量に集める
- 専門家として組む
- 大企業と連携する
などが今後はますます重要となりそうです。
SEOの進め方:準備・サイト作り
さて、いよいよSEOの進め方に入っていきます。目的に応じて、重要となるポイントは違いますが、一般的な会社で自社メディアを始めたり、個人でブログを立ち上げるイメージでご説明します。
目標を決めましょう
会社であれば、売上・アクセス数など強制的に決めるでしょうし、記事数などさまざまな指標も置くと思います。
個人の場合にも目標を決めておきましょう。そして、このときの目標は最低でも半年~1年にしましょう。
より早く結果が出ることもありますが、時間がかかる施策であることを理解することが必要です。すぐ結果を期待すると間違いなく挫折します。
ユーザー(ペルソナ)を考える
まず、サイトのユーザーについて考えましょう。かっこよくペルソナという言い方をすることもあります。
その人がどんな人でどんな課題を持っているのかを考えます。たとえば、こんな感じです。
タカシさん
- 男性26歳
- 独身
- ベンチャーIT企業で営業をしている
- 4年目の社員で部下は2名いる
- 年収500万円
- 仕事に不満はないが、フリーランスや海外で働くことに興味がある
- 30歳くらいには結婚したいので、そろそろ挑戦するタイミングかと考えている
その人がイメージできればいいわけです。こんな感じでサイトごとに複数作っておくと方向性がクリアになります。
このタカシさんは、海外の情報やフリーランスの情報に興味があるかもしれませんし、同時に資産形成や婚活なども方向性として考えられます。
他にも、B to Bの場合には、マーケティング担当の人がターゲットでもいいわけです。
マモルさん
- 男性32歳
- 既婚、子供1人
- メーカーでマーケティングをしている
- 5人のチームのマネージャー
- 年収800万円
- オンライン広告、オフライン広告を一通り試して、マーケティングのある程度の最適化はできている
- 自社メディアを作りたいが、成果が出るまで時間がかかるので、二の足を踏んでいる
- この人に自社メディアのパッケージや他のマーケティング方法を訴求するのも良さそうです。
カスタマージャーニーを描く
さらに厳密にやろうとすると、カスタマージャーニーというものを描いたりもします。
カスタマー(顧客)のアクションを引き起こす(ものを買ってもらうなど)の流れをジャーニー(旅)と捉えて、まとめます。
その人の心理段階に応じて、どのようなものに触れるか、どのような思考や感情の状態か、どんな課題があるのかをまとめます。
そうすると、自社のコンテンツとして、どのようなものが望まれるかがもっとクリアになります。
以下のものが、前に旅行メディアを作ってたときの例です。本当はもっと長いのですが、一部でも十分にイメージが掴めるかと思います。
ここでの例は自分用だったのでかなり荒いですが、この場合では下のコンテンツという場所のものが、コンテンツのイメージ(候補)です。
紹介しておいてなんですが、やるとキリがないので、これは別にやらなくてもいいです。
段階 | なんとなく考える | 選択肢を探す | 選択する |
タッチポイント | SNS ニュースサイト 広告 |
旅行メディア ガイドブック 旅行代理店 |
旅行メディア ガイドブック 旅行代理店 |
行動 | 友だちと話す Facebookのフィードを見る 広告を見る |
友達に聞く ネットで探す ガイドブックを読む 同行者に相談する |
同行者に相談する レビューを見る コストやスポット、文化などで比較検討 |
思考 | どこに行こう? 何の目的で行こう? 予算をいくらにしよう |
有名なところは? いくらかけよう どれくらい滞在しよう |
他に考えておくことは? これがベストなのだろうか |
感情 | モチベーション高い 良い旅行にしたい |
少し低い 他のオプションはないのか 検索疲れた |
低い 有名なのはわかったけど、自分に合っているのか |
課題 | 探すのが疲れる 情報がない |
比較が難しい 選ぶのが退屈だ |
|
コンテンツ | ここは天国?美しすぎる場所10選 安いは正義!長期滞在におすすめの場所10選 |
パリの3日間 秋の日本 ラオスで象使いになろう |
|
プレーヤー | Triadvisor 旅行メディア 旅行雑誌 ガイドブック 個人ブログ |
Triadvisor 旅行メディア 旅行雑誌 ガイドブック 個人ブログ 旅行代理店 |
開発する
ユーザーやその課題が明確になったらサイトの開発をします。もともとあれば、もちろん不要です。
さすがに開発の詳細まではカバーできないので、ユーザーに合ったもので、届けたいコンテンツに応じて作りましょう。
個人の場合には、ブログサービスでもいいのですが、長期的にやるのであれば、独自ドメイン+Wordpressとかの方がいいです。
ちなみに、こだわりがなければWordpressをおすすめします。
WordPressをおすすめする理由
- 使っている人が多いから情報が多い
- プラグインとコピペプログラミングでほとんどのことに対応可能
- 詰まったときに助けてもらいやすい
- SEOで大ゴケしない
- 何を使うか考える時間が無駄
どれを使ったらいいかわかりませんというレベルの人は一旦ワードプレスで大丈夫です。あなたにほとんどプログラミングの知識がなくてもだいたいのことはできます。
困ったときに検索すれば、だいたい同じことで困っている人や解決策が見つかります。
また、SEOのテクニックの重要性は下がっていますが、サイト構造やコーディングの方法で損をする可能性がないわけではありません。
こうしたことを考慮すると、とりあえずWordpressで大丈夫です。SEO観点でWordpressにおすすめのテーマを別記事でも紹介しています。
参考:【厳選3つ】シンプル・SEOに強い・おすすめ無料・有料WPテーマ
コンテンツ制作:キーワード選び
サイトができたら具体的なコンテンツ(記事)を作っていきます。前で見たようにペルソナなども大事なのですが、一般的にコンテンツを作るというとこのレベルからの話です。
キーワードの考え方
検索において、キーワードは非常に重要です。このキーワード選びを間違えると、すべての施策が失敗します。
選択するキーワードによって、あなたのサイトが得られるアクセスが決まるからです。あなたのサイトが検索によって得られるアクセス(流入)は、こんな形で計算できます。
サイド全体の検索流入数 =
キーワード数 × 1キーワードあたりのアクセス
1キーワードあたりのアクセス =
キーワード自体の検索数(検索ボリューム) × クリック率(検索順位やタイトル)
たくさんのキーワードで露出すること・露出したキーワードでシェアを高める(要は上位表示する)と増えるわけです。
記事を増やすと、網羅できるキーワードが多くなるので、流入数が増やしやすくなります。
ただ、増やせる記事に限界があるので、そもそも一定の検索数があるキーワードを選択するのが重要です。そもそもの検索数が少ないキーワードでどれだけいい記事が書けても限界があります。
検索数はツールで調べられるので、下でも見ていきます。
検索順位ごとにどれくらいクリックされるかというデータはInternet Marketing Ninjasという会社が発表しているものがあります。
これによると、1位で21.12%、2位で10.45%、3位で7.57%、4位で4.66%となっています。調査は複数ありますが、どの調査も似たようなものです。
検索数が100のワードでの1位表示(約20アクセス)よりも、検索数が2,000のワードで4位表示(90アクセス)の方がよくなります。
ちなみに、検索されるキーワードを検索クエリと呼んだりもします。
Source: Internet Marketing Ninjas Blog
キーワードの調べ方・見つけ方
ペルソナで見たようなユーザー像が重要ですが、ここではさらに具体的なニーズ・課題を探していきます。
探すのはキーワードですが、キーワードの背景にあるユーザーのニーズを常に意識するようにしましょう。検索する人の期待を検索意図と呼ぶこともあります。
事例:「ハゲ」のキーワードを調べる
わかりやすいものがいいと思うので、今回はハゲを取り上げます。本件と僕が若干ハゲていることは関係ありません。
なんとなく、キーワードのイメージは湧きますか?
検索ワードとしては、「ハゲ 治療」、「ハゲ かつら」などが思いつきます。そこで、このままイメージで書くとだいたい失敗します。
ここまで見てきたように、そのキーワードの検索数をまだ調べていないからですね。いくつかツールを使っていきます。
サジェストツール
Googleで検索するときに、このように検索候補が出てきたことはありませんか。Googleが提案(Suggest)してくれる機能です。
これを1つ1つ調べていくのは手間がかかるので、一括で取得できるようなツールを使います。ツールはどれもそんなに変わらないので、なんでも大丈夫です。
僕は無料のこれを使っています。(使う場合には、日本語にしてください)
前に英語とインドネシア語でも記事を書いていたのですが、これで多くの言語を網羅できます。ハゲと入力すると、こんな感じで大量に出てきます。では、どれを書けばいいのでしょうか。
ハゲ
ハゲタカ
ハゲワシと少女
ハゲタカ nhk
ハゲの歌
ハゲワシ
ハゲックス
ハゲる夢
ハゲ aa
ハゲタカファンド
ハゲ 髪型
ハゲ天
はげ 英語
ハゲ 遺伝
キーワードの選び方
たくさんキーワードが出てきたので、ここからキーワードを選んでいきます。
Keyword Planner
キーワードの検索数を教えてくれる素晴らしいツールです。キーワードにおいて最重要ツールといってもいいかもしれません。
Google Adwords – Keyword Planner
これはもともと、Googleで検索画面に出るこのような広告を出稿する企業のために作られたツールです。
残念ながら広告を少額でも出稿しないと具体的な検索数が見れなくなってしまいました。数百円で可能なので、Webサイトに関連のあるものを出稿しましょう。
ただ、メディアを作るうえでは非常に重要なツールです。ここに先ほど検索したキーワードを入れて検索数を獲得します。
上位を取り出すとこんな感じですね。何も整理していないので、ハゲとは関係ないワードも混じっていますので、整理しましょう。
キーワード | 月間検索数 | キーワード | 月間検索数 |
ハゲタカ | 14,800 | 野獣 は 激しく 奪う | 2,900 |
励まし の 言葉 | 5,400 | ハゲ 治療 | 1,900 |
ハゲ 天 | 5,400 | ハゲワシ と 少女 | 1,600 |
はげ 英語 | 5,400 | ハゲ シャンプー | 1,000 |
ハゲ 予防 | 4,400 | ハゲタカ ファンド | 880 |
目 腫れ | 4,400 | ハゲ 治る | 720 |
ハゲワシ | 2,900 | ハゲ 改善 | 590 |
非常に地道な作業ですが、パッと見てもわからない場合には、1つ1つ検索して調べていきます。数千キーワードを調べるのはざらです。慣れましょう。
整理後はこんな感じです。意外と最初に予想していた「ハゲ 治療」や「ハゲ かつら」も入っていますね。
キーワード | 月間検索数 | キーワード | 月間検索数 |
はげ 英語 | 5,400 | ハゲ を 治す 方法 | 320 |
ハゲ 予防 | 4,400 | ハゲ 治っ た | 320 |
ハゲ 治療 | 1,900 | ハゲ 治っ た 芸能人 | 210 |
ハゲ シャンプー | 1,000 | ハゲ 治療 薬 | 210 |
ハゲ 治る | 720 | ハゲ る シャンプー ランキング | 170 |
ハゲ 改善 | 590 | はげ 結婚 できない | 140 |
ハゲ かつら | 480 | はげ 英語 発音 | 140 |
はげ てき た 芸能人 | 390 | はげ 俳優 日本 | 140 |
これが今回のキーワードの候補になります。対応する検索数の目安に関しては、商品にも目的にもよります。
たとえば、サイトに来た100人に1人がアクションを起こすとすると、検索数500くらいは欲しくなりますね。
500(月間検索数) × 20%(1位表示でのクリック率) × 1%(100人に1人がアクションする) = 1人
ただ、超高額商品であれば、もっと少なくてもいいかもしれませんし、目標次第ではもっと必要かもしれません。
僕の場合には、上記のキーワードを組み合わせて、記事あたりの検索数が最低でも1,000を超えるようにします。
補足)差をつけるキーワードの見つけ方
上では、ツールを使って関連キーワード(共起語と呼ばれたりも)を調べる方法を紹介しました。
ただ、これくらいはたいていの場合、どこでもやります。そうすると、コンテンツ内容の勝負になります。
あなたがコンテンツ内容に絶大な自信があればいいですが、そうでない場合にはキーワードでも差をつけたいですね。
- その人になりきる
- その人に聞く
- Yahoo知恵袋などお悩み系を見る
- 連想ゲーム
- 雑誌や本を調べる
- 競合サイトを調べる
その人になりきるというのは有効です。僕の場合には、鏡を見ればいいですが、そうでない人は人に聞いたり、雑誌・本・そういう人向けのサービスに触れるのが重要です。
お悩み相談みたいなコンテンツがあれば、そういうものを読んで、理解しましょう。Yahoo知恵袋もわかりやすいです。
ハゲ、髪 薄い、薄毛、モト冬樹、かつら、などと連想ゲームをするのもありです。
また、やりやすいのは競合サイトを調べることです。同じようなターゲットの場合には、参考にできるかもしれません。ただ、そのときは確実に相手のコンテンツよりもよいものを作らないと負けるので注意しましょう。
コンテンツ制作:キーワードの執筆準備
キーワードを記事に振り分ける
さて、これで攻略すべきキーワードの一覧は作れました。ここから記事を書くにあたって、いろいろやり方はあります。
1記事1キーワードで作る
1つのアプローチは、一定の検索数以上のものをすべて1記事ずつ作るというのも1つです。以前、流行ったキュレーションメディアと呼ばれるものはだいたいこのパターンで作っていました。
- メリット:どのニーズを解決するのかが明確なので、書きやすい
- デメリット:近いニーズやキーワードを取りこぼす可能性がある
- おすすめの人:初心者、大量に外注する場合
グループに分ける
僕の場合には、キーワードをグループに分けます。ここでの分け方は検索意図(ユーザーのニーズ)によって分けます。
ユーザーのニーズが同じで、同じ情報を提供したほうがいいか、別の記事で違う情報を提供したほうがいいかというかとです。これは、自分の感覚や検索結果で検証します。
- メリット:キーワードを取りこぼさない、周辺キーワードで記事のクオリティが上がりやすい(より網羅的になる)
- デメリット:結構、手間がかかる
- おすすめの人:多少慣れた人、書ける記事が限定的な場合
具体的な分け方
たとえば、下のものが「ハゲ 治療」、「ハゲ 治る」という2つの検索結果の比較です。
最初は同じようなニーズかと思ったのですが、実際に見てみると、治療の方はAGA治療という治療法の情報が多いですね。
対して、治るの方は不安感に対するコンテンツや治すためのアプローチも紹介しています。
- ユーザーニーズが違う
- どちらもある程度の検索数がある
ということがわかったので、自分だったらこのケースでは別々の記事にします。
分けないパターン
もう1つのパターンです。「はげてきた 芸能人」、「ハゲ 治った 芸能人」の検索結果です。
この場合に、ニーズは違うのですが、ハゲてきた人・直った人みたいな形でまとめられそうです。この場合は分けません。
- ユーザーニーズは違う
- 競合で両方表示できている
- 違和感なく、1記事にまとめられそう
- 検索数が少ない
こんな形でキーワードを分類していきます。そうやって表を作り、僕の場合はタイトルでまとめて管理しています。こんな感じです。
転職 海外 | 海外 | 720 | 海外で働くには?海外求人の探し方・転勤・転職・起業の解説 |
転職 海外 勤務 | 海外 | 170 | 海外で働くには?海外求人の探し方・転勤・転職・起業の解説 |
競合の強さを測る
実際にこれでキーワードに沿って書いても検索順位はなかなか上がりません。それは競合も一生懸命やっているからです。
効率よくアクセスを集めるためには、検索数だけではなく、その検索数を奪い合う競合も把握する必要があります。
あるカテゴリーのキーワードを調べていくと、よく出てくる競合サイトが見つかるでしょう。
その競合が強すぎる場合には、その分野やキーワードに対する記事作成をストップした方がいいケースもあります。
ドラゴンボールのスカウターのようなものがあればいいのですが、実は近いものがいくつかあります。
SimilarWeb
外部にいながら特定のサイトのアクセス分析ができるSimilarwebというツールがあります。無料で使えます。Chromeを使っている人はアドオンもあります。インストールしましょう。
精度がどうなのかという批判もあったりしますが、内部にいない人が情報を得る手段は限られています。
僕はまず、これで相手のサイトを見ます。せっかくなので、ハゲ関係でヘアラボ(旧ハゲラボ)を見ます。
見るポイントは、こんなところです。ちなみに、No dataとなる場合には、十分なトラフィックがないということなので、そこまで強くないのかもしれません。
- 全体のアクセス
- 検索比率
- 検索ワード
ちなみに、あくまで推測なので具体的な数字はあまり意味がありません。傾向値だったり、参考値として捉えましょう。
- 簡単に分析すると、アクセスは微増で約120万Visit、PVは300万弱。
- Direct(直接流入)が多いので、直接来るリピーター・ファンが多いことがわかる
- 検索比率は32%とあまり高くない。(SEO主体のサイトだと80%~90%以上もあることも)
- SNS流入がほぼなし。内容的にもシェアにくい
- 左側が広告ではない検索で、キーワードはそれっぽいのが並ぶ。ちなみに、ボタニカルは植物由来のという意味だそう。
- 右側がPaid Keywords(=Googleなどのリスティング広告)で、広告を出しても採算が取れるくらいの収益性ということがわかる。
こんな感じで見ます。かなりニッチな領域なのに、アクセスが多く、ファンを獲得できている非常に強いサイトだとわかります。僕だったら競合したくありません。
補足)アクセスの単位
- PV(ページビュー):サイト内のページが表示された回数。Aさんが4回見たら4回にカウント。
- Visit・Session(訪問・セッション):サイト内に一定期間内で訪れた回数。Aさんが朝2回、夜に2回みたら2回にカウント。(期間はツールによって異なる)
- UU(ユニークユーザー):サイト内に訪れた人の人数。Aさんが4回見ても1回にカウント。厳密にはPCとスマホから見たら2回にカウントされる場合も。
Moz Bar
もう1つご紹介します。僕は日本のツールに詳しくないので、これも海外のものです。Moz Barというもので、特定のサイトのドメインの強さやページの強さを教えてくれます。
独自指標ですが、これもサイトの強さを測るうえで参考になります。
左のPAがPage Authority(ページの権威=強さ)で、その横がDAでDomain Authority(ドメインの権威=強さ)です。
キーワードの優先順位
優先順位はいくつかのキーワードを組み合わせた複合ワードです。ハゲの例では、「ハゲ ボタニカル シャンプー」のようなワードです。
このようなニッチで競合の少ないところから攻めていきましょう。また、あなたが得意なところから攻めましょう。
あなたがもしもなにかの治療に通ったことがあれば、その体験談を書いたり、あなたならではの視点が大事です。
コンテンツ制作:ライティング編
さて、いよいよコンテンツを書きます。書くまでにえらく時間がかかると思われるかもしれません。
キーワード選択でミスをしているとこの時点で勝つのが難しいです。負け戦になります。書く前から負け戦にならないようにするためには、いろいろと調べる必要があるわけです。
ここまで来たら後はユーザーのニーズを満たすものを書いてくださいで終了なのですが、小手先のテクニックも含めて、抑えておきたいポイントを書いていきます。
コンテンツが本当に重要
コンテンツの後で、内部対策・外部対策を説明しますが、コンテンツのクオリティが圧倒的に最重要です。
いいコンテンツさえ作れば、検索順位は上がります。ユーザーのためになるコンテンツを書きましょう。
構造化する・網羅して読みやすくする
Googleもユーザーも構造化されたものの方が読みやすいです。
自分が書いた記事ですが、タイトルが見出しの内容を反映する・見出しが小見出しの内容を反映する構造にしています。
書き出す前に導入分と見出しだけを書くのがおすすめです。
メリット・デメリット、全体・個別、抽象・具体例、増える・減らす、補足・その他などは網羅的にするのに使えます。
このときに、ユーザーのニーズやキーワードの内容をしっかり満たしているかを考えましょう。
タイトル:20代の貯金まとめ・平均額・貯金方法・1000万貯める人・しない人も
- 全体の貯金額はどの程度なのか?
- 総務省統計
- 金融広報中央委員会統計
- 平均と中央値
- 20代の貯金額は?年代別の数字
- 20代前半・後半の貯金額目安は?
- 20代で1,000万円以上の人が6.8%
- 貯金があると何がいいのか?
- セーフティーネット
- 貯めたお金ではなく、貯められる構造が重要
- お金でお金を増やす選択肢
- ステータス・信用
- 貯金のデメリットは?
- 今の可能性を減らす
- お金の使い方・貯蓄方法
- 目標を決める:無理ない範囲で
- 支出を減らす
- 認識する:測ると節約する
- 見直す:高いものから順番に
- 継続する:仕組みを作る
- もっと稼ごう
- 転職
- 副業
- まとめ
タイトル・見出しはしっかり対策
もし、コンテンツを書くうえで、Googleを意識する必要があるとしたらこれくらいだと思います。
タイトル・見出し・小見出しにキーワードを入れましょう。
WordPressやブログサービスを使っている人は特に意識する必要はありませんが、GoogleはHTMLを読んでサイトを理解します。
そこで、サービスを使っていると自動的にそれぞれがこのようなタグ(記号という理解で大丈夫です)で囲まれます。
- タイトルの場合:<title></title>とか<h1></h1>
- 見出しの場合:<h2></h2>
- 小見出しの場合:<h3></h3>
たとえば上の小見出しはHTML的にはこのように認識されます。
<h3>タイトル・見出しはしっかり対策(内部対策)</h3>
タイトル
PCだと32文字、スマホで34文字程度なので、32文字~35文字以内で収めるといいと言われています。
キーワードも入れすぎるのも微妙ですが、少なくともメインのワードは抑えましょう。ちなみに、僕は入れまくります。
見出し・小見出し
見出しでもキーワードを意識しましょう。タイトルに入れられなかったワードを入れたり、重要度の高いものは見出しでも抑えましょう。
ちょっとしたワードの言い換えも見出しでカバーできたりします。「ハゲ、薄毛、髪が薄い」などです。
僕も全体での重要性は高くないものの、検索数があるワードを見出しで拾ったりします。
先ほどの貯金記事の場合には、小見出しで「20代 1000万円」を拾っています。
<h3>20代で1,000万円以上の人が6.8%</h3>
やらなくてもいいこと
見出しや本文で同じキーワードを大量に入れるケースがあります。
20代貯金のメリットは? 20代貯金のお金の使い方は? 20代貯金のために何を減らすか?
こういう無理やりたくさん使うのは、昔は流行りましたが、違和感があることはやめましょう。
内部リンクを張る
もう1つ、テクニック寄りの面もありますが、サイト内部のリンクも重要です。この記事で詳しく書きましたとか、関連記事とかそういうものですね。
これはユーザーにとっても有益ですが、Googleにもどのページが重要ですよということを伝えられるわけです。
サイトの外部から紹介されるリンク(外部リンク・被リンク)が注目されがちですが、サイト内のリンクも、重要です。
- サイトを回遊してもらえる
- リンクが多いページにはアクセスが集まる
- リンクが多いページは重要そうだとGoogleに思われる
細かい部分もしっかり対応する
最近ではコンテンツの質も上がってきました。細かいことをしっかりやりましょう。
導入文
導入文は当たり障りのない内容を書くことも多いですが、ここの内容は検索画面にも出てくる説明文に反映されやすかったり、ここでグッとつかめると滞在時間も伸びやすいです。
フレームワーク的には、どんな人に書いているのか、どんな課題を持っている人向けの記事なのか、読むとどう解決・あるいはどうなるのかあたりを抑えるといいでしょう。
他にも、ドキッとしたり、この段階で有用な情報を入れられるといいですね。
誤字・脱字
いいコンテンツでも誤字・脱字で信頼性が下がってしまったりします。見直すようにしましょう。
漢字を使いすぎない
個人的な趣味もありますが、漢字を減らしたほうが読みやすかったりします。
- よろしくお願いい致します⇒よろしくお願いいたします
- 拝見させて頂きます⇒拝見させていただきます。
それが、常用漢字(日常的に使う漢字かどうか)をチェックできるサイトもあったりします。ここは、好みの問題が大きいですが。
サイトを見やすくする
コンテンツだけでなくサイトにも関わりますが、サイトを見やすくしましょう。
奇抜なことをしているパターンやデザイン的に見にくい場合があります。
前者は、よくある広告代理店が作ったような、なぜかすべての要素が斜めになっていたり、無駄にインタラクティブな要素(動いたり、飛び出したり)があったりする例です。
後者は、フォントの色が薄かったり、サイズが小さかったり、デザインが崩れていたり、スマホ対応していなかったりということもあります。
他のサイトのフォントの種類・フォントサイズ・色などを見ると面白いですよ。
やらなくていいこと
以前は、タイトルなどと同様に記事ごとにも、meta-description(内容のまとめ)やmeta-keyword(重要なキーワード)といったものを設定しました。
今でもこうしたものはありますが、やらなくていいです。コスパが悪いからです。コンテンツに時間をかけましょう。
meta-descriptionはGoogleが勝手に作ってくれたり、こっちでせっかく作ったものを変えられたりします。
中途半端にやるよりもアルゴリズムに任せましょう。
禁止事項
当たり前過ぎて、忘れていましたが、他サイトの表現をそのまま流用したり(コピペ)、他サイトの画像を持ってくるのは、著作権侵害になる可能性があります
やめましょう。本当に。アウトソースすると発生したりもします。
オリジナル度のチェック
ちなみに、定量的にオリジナル度を調べる方法もあります。ライターにお願いをしたケースではコピペチェックした方がいいです。
記事・文章コピペ検出チェックツール「コピペリン Ver.2」
違いがないなら負ける
調べて書くのは重要なのですが、書くときにかなり調べないと内容が書けない場合には、その時点でピンチの可能性があります。
書くときの理想は、自分が相当知っていて、書きたくてしょうがなくて、どのように整理するか、いかに伝えるかという状態です。
一方で、「あれ、内容が足りない」、「これは、知らない」というのがたくさんある場合には、コンテンツの質を上げるのは難しいです。
たとえば、このようなアプローチでコンテンツの差別化がしやすくなります。
- 自分だけが知っている情報、聞いた話
- 自分が体験したこと(やってみた系)
- 手間をかけたもの(オリジナルの図や表)
- 本や雑誌からの情報
下の記事は自分で、2030年・2050年のGDPに関するオリジナルの表を作り、まとめました。
この記事では、税金検索ツールをプログラミングしました。検索数1万以上のワードで1ページに来ています。
制作後:内部対策
さて、コンテンツを作ってからは待ちましょう。そして、検索順位が上がるのを祈ります。
だいたい正しく評価されるのに2~3ヶ月くらいかかるのは珍しくありません。焦らないことが重要です。
コンテンツが非常に重要ですが、なにかできることがないかと考えている人はこちらも対策しておきましょう。
検索結果に表示されるまで
記事をアップロードすれば、いずれ上がってきますが、そのプロセスを見ましょう。こんな流れです。
- Googleにクロールされる
- Googleにインデックスされる
- Googleに評価され、順位が上がる
- ユーザーがアクセスする
まず、クローラーというのがWebページを巡回しにきます。
そこで、新しいページを見つけるとインデックス(登録のようなもの)して、Googleのデータベースに入ります。この時点で、検索して表示される候補となります。
この時点では検索順位が100番みたいなこともよくあります。そして、Googleに評価されると、順位が上がってきます。
Googleにクロールしてもらう
では、どのようにGoogleに探してもらうのでしょうか。いくつかの方法があります。
- サイトマップを送る(サイトの構造はこんなですよと伝える)
- Fetch as Googleをする(見にきて!と伝える)
- パンくずリストやカテゴリーを使い、どのページにもたどりつきやすくする
- robots.txtやno indexなどの設定をする
ちょっとここの内容は技術っぽいですね。
Google Search Console
ここで、新しいツールの登場です。Google Search Console(グーグルサーチコンソール)、通称はサチコです。
ここでサイトマップを送ったり、Fetch as Googleしたり、Googleさんとコミュニケーションを取ります。
サイトマップを送る、Fetch as Google
詳細は省きますが、サチコを導入すれば簡単にできます。
パンくずやカテゴリー
パンくずやカテゴリーを設定しておきましょう。あるページ⇒カテゴリーページ⇒カテゴリー内の他ページという形でクロールしてもらいやすくなります。
インデックスを確認する
サチコでインデックスされているかを確認します。設定さえできていれば、ワンクリックで確認できます。
順位を確認する
サチコで順位を確認します。こちらも簡単にチェックできます。
他のツールもあります。有名どころはGRCというツールです。
GRC
GRCは昔からあるツールでSEOに携わる人は知らない人がいないかもしれません。大量のキーワード順位を調べるのに向いています。無料でも使えるので、ぜひ試してみてください。
こうしたサイト内で可能な対策を内部対策と呼びます。深く知りたい方は別記事もどうぞ。
参考:SEOの内部対策!ディスクリプション・タグ・キーワードにライティング
ユーザーのアクセスを確認する
ある程度、ユーザーが来るようになったらユーザーの分析もしていきましょう。
Google Analytics
ここで、また新しいツールの登場です。Google Analytics(グーグルアナリティクス)で、こちらはあだ名はありません。
ユーザーがどこから来ているのか、どういう属性なのか、デバイスごとの比率などかなり細かい部分が見れます。
設定をすれば、カテゴリーごとにアクセスを集計したり、特定のバナーのアクセスを調べたり、ページあたりの収益を計算したりと、かなりなんでもできます。
最初は、基本的なチャネルごとの流入数、新規・既存、アクセスのいいページ・悪いページあたりを見ていきましょう。
制作後:外部対策も
今まで見てきたような自分のサイト内でできるものを内部対策と呼び、サイト外部の力を借りるものを外部対策といいます。
被リンクを増やす
別のサイトから自社にリンクを受けることを被リンクといいます。
Googleとしては、被リンクやサイテーション(引用)を重視しているので、かなり重要な対策となっています。
これも、詰まるところオリジナルの良質なコンテンツを増やすしかありません。いくつかコツやアプローチを見ていきましょう。
やってはいけないこと
人工的なリンクや質の低いサイトからのリンクは、ペナルティを受ける可能性があります。十分に注意しましょう。
昔はGoogleがうまく見分けられずにスパムが横行し、「リンク買いませんか?」というようなSEO業者も多かったです。最近ではさすがにたいぶ聞かなくなりましたが、まだあるようです。
オリジナルコンテンツ
自分のサイトの場合には、世界のGDPの予測データを集めたこの記事で被リンクが多くなっています。意外とまとめている人いないようです。
参考:2030年と2050年の世界GDPランキングの予測と人口推移予測
シェアされやすいコンテンツ
FacebookやTwitterなどのSNSからの直リンクはGoogleの評価に入らないとされていますが、SNSで拡散されると、それに付随した被リンク(ブログとかで)も期待できます。
SNSでバズった結果として、検索順位が上がったという報告もあります。OGP画像(下のようなやつ)や記述はしっかりと設定しておきましょう。
それでもSEOの順位が上がらないとき?
頑張ったのに、SEOが上がらないそんなこともあります。そんなときに見るべきポイントをいくつか書いておきます。
多くの場合には、記事が足りていない・時間が経っていない・コンテンツの質が低いあたりの問題が発生しています。
記事足りていますか?
どれだけ質が重要でも、量による積み上がりは無視できません。
記事数が足りないために、検索順位が上がらないことは十分にありえます。もし今の記事数が100記事以下であれば、増やした方がいいかもしれません。
また、記事あたりの文字数が少ないスカスカの記事では上がりにくいです。文字数で書くのは本質的ではありませんが、最低2,000文字以上はほしいところです。
時間経っていますか?
いい記事が時間を経ってから評価されることは多いです。評価が上がるまで、数ヶ月程度かかることも珍しくありません。
100位(1週間)⇒50位(2週間)⇒20位(1ヶ月)⇒3位(2ヶ月)
みたいなことも全然あります。
競合強くないですか?
よくあるのが、めちゃめちゃ競合が強いところで勝負しているケースです。あなたの記事がよほどの差別化ができていても負けることがあります。
ドメインパワー + 記事パワー = 検索順位のイメージなので、どれだけ記事で差別化しても負けるときは負けます。ドメインの強さは被リンク数や単純なアクセス数が参考になります。
事例
僕が以前、旅行メディアを作っていたときに、立川という東京のローカルな市の記事で負けました。
things to do in Tachikawa(立川でやること)というキーワードで構成までしっかり作って、自分でリライトした記事がTripadvisorの自動生成ページに負けました。
差別化ができているか?
あなたの得意なことが書けていますか? あなた独自の経験や知識、競合にはない視点がありますか。
その記事が他の記事よりも上位表示される理由はありますか? 実際に検索してみて、他の上位記事よりもかなりいいコンテンツだといえますか?
これが明確にある場合には、基本的にいつかは上がります。いつかは。
遅くないですか?
ニュース記事や速報性の高いものは、速さ=強さです。新しいキーワードもそうです。他社が書いたところに後から入っても厳しいことが多いです。
トレンドアフィリエイトと呼ばれる最大瞬間風速を狙いにいくような手法もあります。これは速さ命です。先にインデックスだけさせて、後から内容を追記していくような手法もあります。
サイトは見やすいですか?
シンプルに友達に見てもらいましょう。もしかしたらスマホによっては表示が崩れていたり、なにかが表示されていなかったりするかもしれません。
Chromeのデベロッパーツールでしっかり確認しましょう。
よく議論になる話題
SEO関連の議論でよく話題になっていることに触れていきます。かなり主観も入っています。
文字数は関係ありますか?
内容にもよりますが、現状は関係あります。文字数が多いコンテンツの方が結果として、検索順位上がっている例は多いです。こんな理由だと思っています。
- ユーザーニーズを網羅的に解決している
- 滞在時間が長くなる
画像は入っていた方がいいのか?
SEOのためだけに入れる必要はありません。自分のコンテンツを読み直して、図や表があった方がわかりやすければ入れましょう。
僕は文字が続きすぎるときに入れたりもします。
ドメインは重要なのか?
今も重要です。コンテンツで勝負がつかなければ、ドメインの勝負になります。
中古ドメインを買えというわけではありませんが、中古ドメインを使って、検索順位を上げる手法でうまくやっている人もいます。
順当な方法では、オリジナルのコンテンツを増やして地道に記事ごとのリンクを増やしたり、はてブをゲットしたりでしょうか。
ペルソナユーザーに刺さる内容を使って、サイト自体を取り上げてもらったりも大事です。
ドメインに関しては、物量だけで上げるのは難しいです。それでも未だに有効な手法です。5,000文字の記事を1万記事書くとか。
Naverまとめや2ちゃんねるも一時期ほど検索では見なくなりましたが、競合コンテンツが弱いキーワードではまだ表示されますね。
WordPressがいいのでしょうか?
この質問をするような人はWordpressがいいです。もしくは、はてななどのブログサービスでもいいです。
ツールを調べるのに時間をかけてしまうのはもったいないので、先に始めましょう。
結果が出るまでの時間はどれくらいかかるのか?
新規ドメインは最低でも3ヶ月くらいみた方がいいです。個人でのんびりなら6ヶ月~1年くらいは見ましょう。
HTML・CSSはできたほうがいい?
最低限、できたほうがいいです。Wordpressであっても他のものでも、ちょっとした変更を自分でできるのは楽です。コードを書くのに抵抗がないとできることがめっちゃ増えます。
SEOの勉強の仕方は?
いろんなサイトを見ることが近道です。
さまざまなキーワードでどのようなコンテンツが上に来ているのか、なぜそのコンテンツが上に来ているのかを調べましょう。
あなたの直感と検索結果がずれていたら、狙い目のキーワードかもしれませんし、ただの勉強不足かもしれません。
ネットのコンテンツは、少し古い情報や真偽の怪しいものな可能性があるので、その点は注意が必要です。
SEOの参考になるサイトは?
ウェブマスター向け公式ブログ…公式からの大事な情報はここに掲載されます。
SEO HACKS…最近、更新されてませんが、SEO対策やアプリレビューサービスを提供しているナイルの運営するメディアです。
バズ部…若干、古くなっている情報もありますが、一時期読みまくってました。
海外SEO情報ブログ…中級者以上向けの情報です。
SEOの参考になる本は?
テクニック的なものは本を出版する時間軸では古くなる可能性があります。
ただ、基礎を抑えるうえでは選択肢としてはありです。
10年つかえるSEOの基本…同じくナイルの土居さんの書いた本です。10年使えるので、まだ使えるはずです。
いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本…SEOの本ではありませんが、その先にある何かを売り込むところまでの解説です。
モバイルSEOは大事ですか?
大事です!Mobile First Indexなどの動向には注目しておきましょう。
スマホを使うユーザーが増えたということはスマホ向けのユーザー体験が重視されるということです。
今までは、スマホで見るときに問題があるとペナルティといった位置づけでしたが、スマホ主体にどんどん変わっていくことが予想されます。
外注はありですか?
ありです!ただ、外注ならではの気をつけるポイントがあります。
よくあるパターンとしては、あまりにもアウトソースするライター任せにしてしまい、失敗することです。
最低限のペルソナ想定やキーワード対策はこちらで行ったうえで、クオリティコントロールができる状態で依頼をすることが重要です。
細かい注意ポイントが非常にたくさんあるので、これもそのうち書きます。
有料noteは買ったほうがいいですか?
買わなくてもいいです。少なくともノウハウという意味ではあんまり買う必要はありません。と言いながら僕はいくつか買いました。
必要ではなかった情報としては、このような初歩的な内容やちょっと考えればわかるようなものです。
- ユーザーのことを考えよう
- 意外な検索ニーズ
- ツールの使い方
逆に有益だった情報としては、あまり表に出ない実例や数字ですね。
- サイトやページごとの具体的なアクセス数や収益情報
- 失敗パターン
- 成功パターン
買わなくていいと書いたのは、結果として搾取される人が多くなってしまうので、無目的に買うのはやめた方がいいと思います。
最後に
所要時間10時間超えの超大作になってしまいました。SEOに関する間違った理解や誤った情報も多いので、自分なりに頭を使ってやっていきましょう。
こまかなルールは変わっていきますが、良質なコンテンツを重視していくというGoogleの方針は変わらないでしょう。
SEOはPDCAを回し続けることが重要です。ある瞬間から急激にアクセスや収益を上げられることがあります。
すべての検索結果があなたの教科書になりますので、日々学習しましょう。
ここに書いたものはあくまで概論です。大規模サイトの場合や口コミサイトの場合にはまた違います。
会社でメディアの立ち上げや他社の運営サポートをずいぶんしましたが、運営の目的、社内の体制、かけられる予算も会社ごとに違います。
また、開発やコンテンツの企画や制作を外注する場合には、そこの知識も必要です。
社内に専門家がいない場合には、落とし穴もさまざまあります。
- 初期設計の失敗
- 過剰な外注費
- チーム編成のミス
- 間違ったKPIの設定
- 危ないSEOコンサル(バックリンクで順位上げます的な)への依頼
いろいろな成功パターンや失敗パターンを見てきましたので、ノウハウもだいぶたまってきています。
法人向けにSEOのコンサルもお受けしていますので、興味がある方はこちらよりご連絡ください。
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