買収かと思ったらそうではなさそうです。
金額的に買収でも全然おかしくないので、驚きました。
料理レシピ動画のクラシルを運営するdely株式会社の株式の約30%をYahoo株式会社が約93億円で取得しました。
せっかくなので、いつもお世話になっているStockclipのページを。delyの発表はこちら。
気になる情報だけまず羅列します。
- 9,305百万で29.6%を取得(評価額は314億円)
- 直近売上(2017年10月期)は売上 3 億円、営業利益 – 30 億円
- 社長の堀江さんの株式持ち分が24%
- もともと、ヤフー子会社のYJ2号が15.9%があるので、今回取得する29.6%と合わせると45.6%となる
- クラシルは今までに約70億円の資金調達を行っている
所感
かなり赤字を掘っていることと、バリュエーションの高いことが気になります。
シンプルに不思議なのは、まだ現金も数十億は残っている状態で、なぜYahooにわざわざ株を集中させる必要があるのでしょうか。
VCの時間軸とは合わないくらいの挑戦をしたいのか、Yahooからのサポートが非常に重要なのか。
バリュエーション
堀江さんの持ち分がかなり低いことから見ても前回のラウンドが300億円ということはないと思うので、順調に上がったのかと。
シードで調達して、その後に5億、30億、33.5億なので、序盤に20%、その後15%ずつくらい放出しているのでしょうか。
未上場の会社の一部を100億近い金額ってすごいですよね。
クックパッド
クックパッドの時価総額が現在、520億円程度です。
直近の四半期決算が売上29.7億円、営業利益が8.3億円と前に比べて営業利益は下がっていますが、この業績差でこの時価総額の違いって……。
よほどクックパッドの期待値が低いか、delyの期待値が高いということでしょう。
大型の買収
今回は買収ではありませんが、大型の株式譲渡でいくと、115億円で買収されたチケットキャンプのフンザや100億円超えと言われるPairsのエウレカなどが記憶に新しいです。
大きな違いでいうと、Pairsはその段階で月間で億単位の利益が出ていたり、フンザも利益が出始めていて、CtoCなので拡大(最後、残念でしたが)していたことですね。
今回のケースでは、評価額77億円で一部(株主分?)を株式譲渡したnanapiのけんすうさんの例が違いかもしれません。
事業単体での成長期待でいうとバリュエーションは正当化できないので、堀江さんに対しての広い意味での期待値とかなんでしょうか。
今後どうするのか?
この93億円という投資を利益で回収しようとは思っていないと思うので、上場を目指すのでしょうか。
上場している会社が45%も持っていると厄介そうな気もするのですが。
なんにしてもすごい。いずれにせよ、今後も目が離せないです。