生涯未婚率って一生結婚したことがないってこと?
勘違いされがちだけど、50歳時点の数字なんだよね。生涯独身の人じゃないんだよね
生涯未婚率が高くなっています。
男性で23%、女性で14%が50歳の時点で一度も結婚したことがないわけです。
若い人はこの数字を見てもそんなものかと思うかもしれませんが、これが昔は2%とかだったので、衝撃が大きいわけです。
結婚の統計はなかなか興味深く、時代による推移や年齢や性別、地域での差もあります。
ここでは、そんな結婚に関する統計を見ていきます。
目次
生涯未婚率とは?
生涯未婚率は50歳時点での結婚未経験者の比率です。
離婚や死別などは関係ないので、一度でも結婚した人は含まれません。
寿命が今よりも短いときから使われている指標なので、以前は生涯に近かったですが、今は生涯の数字ではありません。
よくある勘違い
生涯未婚率という言葉は非常にミスリーディングですが、生涯独身ということではありません。
50歳以降も緩やかに上がり続けます。
年齢別データは下でも詳しく見ますが、一部を抜粋してもこのようになります。
- 50歳で結婚経験者率:82.3%
- 60歳で結婚経験者率:89.4%
- 70歳で結婚経験者率:94.5%
- 80歳で結婚経験者率:96.8%
今は男女ともに平均寿命が80歳を超えています。最終的に結婚を経験する人が非常に多いことがわかるかと思います。
生涯未婚率の推移
男女別の生涯未婚率(2017・2018時点)
国立社会保障・人口問題研究所の人口統計資料集(2017)によると、以下のようになっています。
- 男性:23.37%
- 女性:14.06%
男性は約4人に1人、女性は7人に1人です。
なぜ、女性の方が低いのか?
初婚の男性と初婚の女性だけが結婚する場合には、男性も女性も結婚率は同程度になります。
むしろ、女性人口の方が少し多いくらいなので、女性の方が結婚率は低くなるはずです。
女性の方が低くなっているのは、結婚経験者の男性と初婚の女性が結婚しているからです。
過去の生涯未婚率の推移
年 | 男性 | 女性 |
1960年 | 1.3% | 1.9% |
1970年 | 1.7% | 3.3% |
1980年 | 2.6% | 4.5% |
1990年 | 5.6% | 4.3% |
2000年 | 12.6% | 5.8% |
2005年 | 16.0% | 7.3% |
2010年 | 20.1% | 10.6% |
2015年 | 23.4% | 14.1% |
ここ最近で劇的に、上がってきているのがわかります。
2000年以前は1桁だったのが、それ以降は大きく伸びています。
女性も以前はとどまっていましたが、未婚者比率が上がってきました。
なぜ未婚者が増えたのか?
この部分は考察がいろいろとありますが、個人的に影響が大きいと思うものは以下の3つです。
- 結婚しなくてはいけないという価値観の変化
- 女性の社会進出
- 若者の貧困
まず、結婚を絶対だと思わない人の母数が増えています。
自分の周りもそうですし、結婚を必ずしもする必要はないという考えを表明する人も多いです。
また、女性がかなり活躍しやすくなったこともあります。
以前は女性の就職差別や不利に扱われる部分が強かったのが、少しずつ改善しています。
最後は少しネガティブなものですが、非正規で働くひとが増えたり、賃金の手取り比率が減ったりと、収入的に結婚が難しい場合が増えてきました。
今後の生涯未婚率の予測
厚生労働省の出している今後の予測があります。
2030年には、男性が27.4%、女性が18.8%となる予測です。
その後も上がり続け、男性は3割近く、女性も2割になるのは確かにあまり不思議ではありません。
年齢ごとの結婚率
年齢ごとの結婚率も見ていきます。
年齢ごとのデータは国勢調査を基に計算しています。
10年ごとのデータ
年齢 | 全体 | 男性 | 女性 |
20歳 | 5.5% | 5.4% | 5.7% |
30歳 | 53.7% | 48.0% | 59.6% |
40歳 | 74.7% | 69.7% | 79.9% |
50歳 | 82.3% | 77.9% | 86.6% |
60歳 | 89.4% | 85.5% | 93.2% |
70歳 | 94.5% | 93.6% | 95.4% |
80歳 | 96.8% | 97.7% | 96.2% |
90歳 | 97.4% | 99.1% | 96.7% |
100歳 以上 |
97.9% | 98.5% | 97.8% |
10年単位で見ると、やはり20歳から30歳までの伸びが圧倒的です。
次に30歳から40歳ですが、その後も伸び続けます。
こう見ると、人生の後半が長いことがわかるかもしれません。
20代の結婚経験率
20代と30代の伸びが凄まじいので、個別で見ていきます。
年齢 | 全体 | 男性 | 女性 |
20歳 | 5.5% | 5.4% | 5.7% |
21歳 | 7.4% | 6.8% | 7.9% |
22歳 | 9.9% | 8.8% | 11.1% |
23歳 | 13.3% | 11.6% | 15.2% |
24歳 | 17.6% | 15.1% | 20.1% |
25歳 | 23.1% | 19.7% | 26.7% |
26歳 | 29.5% | 25.3% | 33.8% |
27歳 | 36.3% | 31.5% | 41.2% |
28歳 | 42.8% | 37.6% | 48.2% |
29歳 | 48.6% | 43.1% | 54.4% |
女性の方が先行します。20代前半の時点で、年上の男性との結婚が多いことがわかります。
また、30歳までにはという考えの人も多いので、その影響もあります。
女性は29歳の時点で半数が結婚します。
30代の結婚経験率
年齢 | 全体 | 男性 | 女性 |
30歳 | 53.7% | 48.0% | 59.6% |
31歳 | 57.9% | 52.4% | 63.6% |
32歳 | 61.3% | 55.8% | 66.9% |
33歳 | 64.1% | 58.6% | 69.7% |
34歳 | 66.3% | 61.0% | 71.8% |
35歳 | 68.6% | 63.3% | 74.0% |
36歳 | 70.3% | 65.1% | 75.6% |
37歳 | 71.6% | 66.5% | 76.8% |
38歳 | 72.7% | 67.6% | 77.8% |
39歳 | 73.7% | 68.6% | 78.8% |
30代になると少し緩やかになりますが、さらに伸びていきます。
男女差はそこまで縮まりません。女性は約8割、男性も約7割となります。
地域ごとの結婚率
沖縄と都市部が未婚率が高いようです。
都市部から離れた、宮崎県、山形県、島根県、秋田県などは結婚している人が多いです。
地域 | 未婚率 |
沖縄県 | 31.2% |
東京都 | 30.4% |
神奈川県 | 29.1% |
京都府 | 28.6% |
埼玉県 | 28.2% |
愛知県 | 27.6% |
大阪府 | 27.5% |
千葉県 | 27.2% |
福岡県 | 27.2% |
宮城県 | 27.0% |
全国 | 26.6% |
兵庫県 | 26.1% |
群馬県 | 26.0% |
茨城県 | 25.9% |
栃木県 | 25.9% |
山梨県 | 25.9% |
滋賀県 | 25.6% |
北海道 | 25.5% |
岡山県 | 25.3% |
広島県 | 25.3% |
奈良県 | 25.3% |
静岡県 | 25.1% |
佐賀県 | 25.1% |
新潟県 | 25.0% |
熊本県 | 24.9% |
高知県 | 24.7% |
長崎県 | 24.7% |
石川県 | 24.6% |
福島県 | 24.6% |
青森県 | 24.6% |
岩手県 | 24.2% |
三重県 | 24.2% |
岐阜県 | 24.1% |
徳島県 | 24.0% |
鳥取県 | 24.0% |
鹿児島県 | 24.0% |
長野県 | 23.9% |
大分県 | 23.8% |
愛媛県 | 23.8% |
和歌山県 | 23.7% |
山口県 | 23.5% |
福井県 | 23.4% |
富山県 | 23.4% |
香川県 | 23.3% |
宮崎県 | 23.0% |
山形県 | 22.8% |
島根県 | 22.5% |
秋田県 | 21.9% |
結婚率の日本と国際比較
比べる国にもよりますが、日本以外の国と比較しても著しく低いわけではないようです。
ただ、事実婚などもあるので、直接的な比較は難しいですね。
出典:国民生活白書
もう1つはアジアの20~34歳の女性の未婚率比較ですが、東京がかなり高いです。
基本的には経済水準が高いほど未婚率は高く、シンガポールやクアラルンプールなどが高くなっています。
さらに知っておきたいこと
ここでは、結婚率の統計について見てきました。
ほかにもキャリアの話や統計情報について書いています。他の記事もぜひどうぞ。