営業力って押しが強いってこと?
明確な定義は難しいんだよね。
営業として働いている人も、そうでない人も「営業力」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。
なんとなく売るのがうまい人をイメージするかもしれません。
この営業力という言葉は説明が非常に難しいです。
コミュニケーション能力と一緒で、能力がある人を見るとわかりやすいものですが、結局のところ、なんなのかを説明できる人は少ないように思います。
ただ、営業力を上げたいと考えるとき、やはりどんなものなのかを考えて見る必要はあります。
ここでは、そんな営業力について考え、鍛える方法までご紹介します。
目次
営業力と結果は分けられない
典型的な営業力の解説として、営業力がある=営業として結果が出せるという考えがあります。
ほかにも営業力=売る力などがあります。
確かに、完全に間違ってはいないように思います。
「◯◯さんは営業力はあるけど、売上がよくない」と聞くと、違和感がありますよね。
一方で、「結果を出している人すべてが営業力があるか」と考えると、どうでしょうか。
営業は本人の能力もありますが、顧客、業界、商品の良さ、競合などの外部環境の要因も大きいです。
要は、ラッキーで売れている人もいるので、結果を出すのは当然としても、結果さえ出していればいいというわけではありません。
再現性があるかどうかが大事です。
そこで、営業で重要なスキルを見ていきます。
営業の6つのスキル
営業といって幅広く、業務内容もスキルも大きく変わります。
個人向けの保険営業と大企業向けのITシステムの営業ではスキルが違うことはいえるでしょう。
数あるスキルの中でも、一般的に営業で求められるスキルを以下に列挙しました。
- 行動力
- コミュニケーション能力
- 関係構築力
- ヒアリング力
- 提案力
- 交渉力・調整力
それぞれ、簡単に補足していきます。
1.行動力
営業は行動力が重要です。
いろいろと動き、試し、改善するというサイクルで学習をしていくと成果が出やすくなります。
優秀な営業の人ほど、テレアポ、訪問の回数が多いというのはよく見られます。
最初から効率的にやるのは難しいので、量をこなすことで成長するのは基本パターンです。
2.コミュニケーション能力
非常にあいまいな言葉ですが、端的には上手にコミュニケーションをする能力です。
大きく、以下の2つができれば問題ありません。
- 相手の言っていることや言っていることの背景を理解する
- 自分の伝えたいことをわかりやすく説明する
当たり前に思うかもしれませんが、できていない人は多いです。
相手の言葉の背景を知る
営業に慣れてくると、相手が何を言っているのかでなく、なぜそれを言っているのかを考えるようになります。
具体的には、競合でうまくいっている施策を提案して断られたとします。
そのときに、「リソース的に難しい」といわれたときの可能性はたくさんあります。
- 単純にやるのが面倒
- 社内で稟議が通らない
- 社内の他部署との連携が必要で難しい
- コストに厳しく、お金がかかることはできない
こういうのを掘り下げられるか、直接的・間接的に解明できるかが大事です。
わかりやすく伝える
たとえ話を使ったり、具体的な事例を用いたり、簡単な言葉を使ったりが一般的です。
3.関係構築力
平たくいうと、仲良くなる能力です。
営業先もいろいろなタイプの人がいます。
とっつきやすい人も気難しい人も、明るい人も暗い人もいます。
こうしたあらゆるタイプの人と、うまく関係を構築する能力もぜひ身につけたいスキルです。
クライアントとの関係が長く続く場合や既存営業では必須の能力です。
4.ヒアリング力
営業の最初はヒアリングから始まります。
明確にヒアリングとして、いろいろ伺うこともありますし、話の流れで情報を得ていくこともあります。
ヒアリングがうまくいくと、相手の情報が正確にわかるため、提案がより適切になります。
相手の問題意識自体が間違っているようなこともあるので、できるだけフラットに情報を集めるのが大事です。
質問が重要
ヒアリングでは質問が大事です。
あなたの商品によっても違いますが、よくある質問はこのようなものです。
- 何を問題と考えているか
- それはなぜか
- どれくらいのリソースがあるか
- 予算はどの程度か
- 理想的な状態はどのようなものか
最初は、オープンな質問をしていって、そこから当たりをつけて質問をしていきます。
提案をするうえでも大事なプロセスですが、そもそも顧客かどうか、どの程度の優先順位にすべきかを考えるうえでも有効です。
5.提案力
ヒアリングを踏まえて、提案をする能力です。
柔軟性の高いコンサルティングなどの営業を除くと、提案はそこまで自由度が高くありません。
過去の結果からだいたいの想定成果もわかるはずです。
もちろん、提案でもさらに工夫ができるとベターです。
6.交渉力・調整力
社外では交渉力、社内では調整力も営業の重要な能力です。
社外では、クライアントと商品の値付けを交渉したり、協業先と経済条件を交渉したりします。
社内でも営業活動の中で、開発、経理、マーケティングなどと連携が必要なことはあります。
根回しなどというと、ネガティブな印象を受ける人もいますが、周りとの連携があってはじめてできる規模の大きい仕事もたくさんあります。
営業力・営業スキルは鍛えられるのか?
こうした営業のスキルは鍛えられるのかという疑問もありますが、鍛えられます。
入社したときにはイマイチだった人が、1年後、2年後に成果を上げる例は珍しくありません。たくさん見ています。
もちろん、最初からセンスがあって、その後もスムーズに結果を出す人もいますが、どんなレベルの人も訓練するとよくなります。
最初から上手い人はそれまでの人生で無意識のうちにそういう訓練をしてきた人の可能性が高いです。
自分自身も最初はひどいレベルで、同期の中でも下から数えたほうが早かったですが、1年後は上位の方になりました。
努力の方向を間違えなければ、大丈夫です。
どうやって鍛えるのか?
大きく3つのステップをおすすめしています。
- 自分なりに試す
- 誰かの真似をする
- 自分なりのスタイルを身につける
1.自分なりに試す
営業は場数が大事です。
たくさんこなしているうちに、トークもコミュニケーションもよくなります。
その中で、うまくいく・うまくいかないといったことが出てきます。
自分で行き詰まったら、うまくいっている人を参考にしましょう。
2.誰かの真似をする
成功事例を参考にするのは大事です。
といっても営業スタイルは、人によって違います。
すべてを真似するよりも、それぞれの人の得意なものを参考にする方がいいです。
自分の場合には、以下のような形で、人によって参考するポイントを分けていました。
- 関係構築はどんな人にもうまく対応する、△△さん
- 提案は経験年数が長く、引き出しが多い〇〇さん
- 社内調整は、大手案件が多く慣れている✕✕さん
どの人も得意、不得意があるので、得意な部分をいいとこ取りしましょう。
いろいろな人のスタイルを習得すると、対応できるクライアントの幅が広がります。
3.自分なりのスタイルを身につける
他人のスタイルも踏まえて試行錯誤をしていくと、自分なりのスタイルが確立できます。
こういうタイプの人はこう対応するというのもわかってきます。
この段階から先は、営業を極めていく方法もありますし、営業スキル以外を強化することもできます。
よくあるのは、出世してマネジメントをしたり、業務領域を拡大してマーケティングもしたりでしょうか。
営業のキャリアについては、他のコンテンツでも紹介しているので、こちらもぜひどうぞ。
さらに知っておきたいこと
ここでは、営業力・スキルと鍛え方について見てきました。
初速はセンスですが、それ以降は正しい努力で伸ばせます。
具体的なスキルを意識しながら、日々工夫をするのが大事です。
ほかにも営業職に関するコンテンツがあります。こちらもあわせてどうぞ。