営業の研修って入社後によくあるよね?
新卒とかだと特に多いね。総合職だったら大半の人が受けるんじゃないかな?
ある程度の規模の企業では、入社後に研修があります。
会社の成り立ちや歴史、各事業部などの話は新卒でも中途でもあるのが一般的です。
こうした研修は生産性という観点ではくくりにくいものですが、それでも研修の良し悪しはあるものです。
営業スキルを上げるにはこうした研修やセミナーは有効なのでしょうか?
結論は、実践に近いものは学びが多く、研修感の強いものは1つ残らず無駄でした。
ここでは、過去の研修について振り返りながら、営業に有効な研修と学習方法についてご紹介します。
目次
今までに受けた6つの営業研修・セミナー
僕は総合職で入社して、営業に配属されました。
営業だけでも100人以上いたので、そこそこ大きな部類に入るかと思います。
そのため、いくつものレベルで営業研修がありました。
- ビジネスマナー研修(無駄)
- 座学での営業研修(無駄)
- 友人への営業(有効)
- 飛び込みの営業研修(有効)
- 配属後のテレアポ(無駄)
- 配属後のOJT(有効)
こうやって並べると、ずいぶんたくさんありますね。
研修だけで2~3ヶ月あったので、今思えばかなり長いこと研修を受けていました。
それぞれについて、どのような内容をしてどのような学びがあったのかをお伝えします。
1.ビジネスマナー研修
これは、言葉遣いや名刺の渡し方など非常に初歩的な内容だった。
時間の無駄で退職を真剣に検討するようなレベルだった。
ほかにもコミュニケーション研修のようなものがあって、隣の人と自己紹介をさせられるようなものがあり、こうした研修は散々なクオリティだった。
研修からの学び
ほとんどなかった。
大企業経験がない人がたまに「大企業の研修を受けてみたかった」と言っているが、自信を持って不要だと伝えられるようになった。
2.座学での営業研修
外部に委託されたものだったのが、あまり意味がなかった。
内容はチームになって提案を行うというものだったが、理不尽に怒られ続けられるというものだった。
ストレス耐性テストかと思うくらい、罵倒し続けられるもので、何が目的なのかがよくわからなかった。
後から聞いた話では、純粋な研修というだけでなく、誰をどこに配属するかという参考資料にも使われていたらしい。
正直、途中で帰ろうかと思うくらい不愉快だったことしか覚えていない。
委託先はそこそこ有名な上場企業で、ますます衝撃を受けていた。
研修からの学び
上場企業だからといって、良質なサービスを提供しているとは限らないこと。
新卒向けの研修は、学びというよりも洗脳に近いようなものもあるということ。
3.友人への営業
会社の商品を友人に紹介するという営業だった。
無料のものだったが、多少の手続きが必要なもので、難易度としてもちょうどよかった。
もちろん、目標は設定されていたので、擬似的ではあるものの、営業の仕事に近かった。
研修からの学び
外部からの評判はともかく、いわゆる保険の個人営業とかの人が仕事としてやっていることなので、その点は意味があった。
無料のものだったが、どうやって相手を選ぶのか、アプローチするのかといったことを考えるきっかけになった。
営業のファネルを意識することになり、リストを作り、アプローチをして、ステータスごとに管理、確度の高いところはクロージングといった営業の流れを体感できてよかった。
4.飛び込み営業研修
研修という名前はついているが、実態としてはグループ企業の商品の飛び込み営業だった。
こちらも初期投資はかからないものの、実際に導入してもらうための手間や手続きはあったので、レベル的にもちょうどよかった。
人ごとにエリアが決められて、そのエリアごとに飛び込んでいった。
研修からの学び
昔からある営業手法でもあり、営業に重要なメンタリティという面では意味があった。
度胸だけでなく、ちょっとした言葉の違いで、反応が変わることや顧客の管理という意味でも非常に実践的な知識が得られた。
多くの会社が飛び込み研修を用意している意味がわかった。
5.配属後のテレアポ
配属は既存営業だったものの、新規営業が重要だという指令があり、急に新規営業をすることになった。
IT製品なのに、リストにセブンイレブン◯◯店、ワタミ△△店という非常に劣悪なものだった。
研修のために取得したようなリストで、研修後には破棄したとのこと。
研修からの学び
実践的な内容でもあまり意味がないものがあるということがわかった。
リストの質という意味では、研修用だったため、研修のための研修だったのであまり意味がなかった。
能力ではなく運試しをしているような感覚で、契約を取れた人もそんなに多くはなかった。
もう1つの学びは、新規営業に対する適性が自分にないことがわかったことだった。
時間をかけて関係値を構築しながら新しい提案をしていく既存営業と、短期間で契約を取る必要がある営業はまったくゲームが違うようだった。
6.配属後のOJT
配属後に部署で、担当を持って実際に仕事をするというもの。
実践中の実践なので、営業職として働き始め、挨拶から提案、クロージングまですべてをやる。
学び
配属後なので当たり前だが、これがもっとも効果があった。
営業の中でも新規と既存は違うし、個人と法人でもまったく違うので、直接成果に結びつく能力は現場でもっとも身についた。
有益な研修・セミナーは?
結論:実践的なものが有効
上で見てきたとおりですが、まとめるとこのようになります。
- 実践に近いものは役に立つ
- 実践から遠いものは、ほとんど無駄
- 座学で身につくものは少ない
- 営業の種類によってスキルはまったく違う
実践を伴わない研修はほとんど意味がありません。
仕事の中には、マーケティングやファイナンスなど理論を学ぶことが実践に結びつきやすいものは確かにあります。
ただ、営業やマネジメントなどは、いくら理論を勉強しても実践との結びつきが弱いです。
例外的に有効なもの
ロープレ(模擬実践)
ロープレは模擬的な実践ともいえますが、そこそこ有効でした。
個人の場合でも法人の場合でも断り文句はあまり変わりませんし、切り返しも大事です。
よく聞かれる質問のやり取りや別の人を相手に試してみるというのは座学の中では有効です。
単体で役に立つというよりは、実践での学習を加速させるというイメージかもしれません。
より高度なレベル
上記はあくまでも一般社員のレベルです。
たとえば、営業のマネージャーや社長、役員となると話が変わります。
具体的には以下のような課題を抱える人は知識も役に立ちます。
- 営業戦略をどうするか
- どうやってKPI管理をするか
- モチベーション管理をするか
- 評価制度をどうするか
- 社内文化をどうするか
こうしたものは事例もたくさんあり、扱う商材や社内の体制によってある程度、適切なパターンがあります。
より経営的な意思決定に関しては、座学やセミナー、研修での勉強では無駄ではありません。
実践での学習を加速させるために
やはり営業スキルを上げるには実践が一番です。
営業はすべてが数字になるので、数字を上げることに注力すると、学習が早いです。
そのうえで重要なのは、2つです。
- 勝ちパターンを見つける
- 実行する
当たり前と思うかもしれませんが、多くの人は徹底的にやっていません。
会社で働く以上、実行はしていますが、勝ちパターンを見つけるのが甘い人が多いです。
勝ちパターンを見つける
勝ちパターンを見つける方法は2つあります。
成功している人に教えてもらうか、自分で見つけるかです。
当然、教えてもらうほうが楽ですよね。
a.教えてもらう
まずは、社内で成果を出している人たちにひたすら話を聞きに行きましょう。
営業系の人であれば、だいたいの人がOKしてくれるはずです。
そこで得た情報を活かし、どんどん試すと学習が早くなります。
営業スタイルは人によって違うので、自分にマッチしたものを見つけられるとより効果的です。
b.自分でも試す
誰かの真似だけをしても、限界があります。
徹底的に勉強した後は、自分でもいろいろと試してみましょう。
新しい方法を試す⇒うまくいったものを残すというサイクルを回し続ければ、成果が上がるはずです。
いわゆるPDCA(Plan->Do->Check->Action)を回せば、少なくとも以前よりはマシになります。
最初はセンス、長期的には努力
営業は、最初にセンスの差が如実に出ます。
ただ、最初にイマイチでも改善していくことで、成果を出せるようになる人も多いです。
もちろん、その中でも差がつくので、営業を選び続けるかどうかはあなたの自由です。
営業として役職を上げていくのもありですし、どこかのタイミングでキャリアを変える方法もあります。
同じ営業であっても、まったく求められる能力が違うものも珍しくありません。
詳しくは別記事でも紹介しています。
さらに知っておきたいこと
ここでは、営業の研修やセミナーについて見てきました。
少なくとも、営業の一般社員の場合には、本を読んだり、セミナーに行ったりするよりも目の前の成果を上げるために注力したほうが成長が早いというのが個人的な考えです。
ほかにも営業職に関するコンテンツがあります。こちらもあわせてどうぞ。