年収を上げたいというのは自然な気持ちです。
報酬だけが目的なのはよくありませんが、報酬が上がるほどより高度な仕事、より付加価値が高い仕事に携わることができるでしょう。
ただ、闇雲に頑張っても年収は上がりません。
ここでは、年収を上げるための基本的な考え方と具体的な方法論をお伝えします。
高年収はいくらから?
年収の年代別の分布
賃金構造基本統計調査をもとに年収を独自に計算したものを紹介します。
たとえば、年収600万円であれば、全体でトップ19.0%、20代ではトップ1%といった見方です。
上位% | 全体 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
200万円 以上 |
76.7 | 94.7 | 96.0 | 95.8 | 94.4 | 84.7 |
300万円 以上 |
60.4 | 64.1 | 80.4 | 81.7 | 78.5 | 53.8 |
400万円 以上 |
42.9 | 11.0 | 39.8 | 53.6 | 54.6 | 24.5 |
500万円 以上 |
28.6 | 3.1 | 19.2 | 35.2 | 40.8 | 14.8 |
600万円 以上 |
19.0 | 1.0 | 9.2 | 22.0 | 29.3 | 9.8 |
700万円 以上 |
13.0 | 0.4 | 4.6 | 13.5 | 20.0 | 6.8 |
800万円 以上 |
8.8 | 0.2 | 2.6 | 8.6 | 13.8 | 5.0 |
900万円 以上 |
6.0 | 0.1 | 1.3 | 4.6 | 8.1 | 3.2 |
1000万円 以上 |
4.1 | 0.0 | 0.7 | 2.3 | 4.2 | 1.9 |
1100万円 以上 |
3.0 | 0.0 | 0.6 | 1.9 | 3.5 | 1.7 |
1200万円 以上 |
2.0 | 0.0 | 0.4 | 1.3 | 2.2 | 1.2 |
1500万円 以上 |
1.0 | 0.0 | 0.1 | 0.5 | 0.9 | 0.7 |
年収600万円以上でトップ20%
600万円の時点で、トップ20%以内になるので世間的には高年収といえるでしょう。
婚活でもよく最低600万円といわれてわかりやすいため、ここでは600万円以上を高年収とします。
30代で年収600万円以上は上位10%なので、未婚で絞るとなかなかハードルが高いことがわかります。
年収を上げるための基本的な考え方
具体的に年収を上げていく方法を見る前に、重要な考え方を押さえましょう。
- 年収がどう決まるのかを押さえる
- できるだけ若いときに動く
1.年収の決まり方を押さえる
残念ながらほとんどの人は自分の年収がなぜその水準なのか、どうやれば上がるのかを正確に認識していません。
そのため、「頑張る」といった抽象的な行動になったり、40代になってリストラ候補になったりしてしまいます。
年収の大部分は、業界・職種・会社で決まります。
市場が縮小する業界では、利益は上がりませんし、利益が出ていない会社では給料水準は上がりません。
誰でもできる仕事でも上がりません。つまり、このような仕事で給料は高くなります。
- 拡大している業界
- 業績が伸びている会社
- 需要に供給が足りていない職業
今であれば、コンサル業界は案件が多く、給料がいいですし、エンジニアは圧倒的に足りていないので報酬は高いです。
自分が給料が上がりやすい環境にいるかどうかを考える必要があります。
2.できるだけ若いうちに動く
業界・職種・会社は転職によって変えられます。
ただ、年齢によって選択肢の数は大きく変わります。
20代であれば未経験の転職でも大丈夫ですが、30代であればまったくの未経験は難しくなります。前半か後半でもかなり違います。
いずれにせよ、年齢は非常に重要で、年齢が上がると格段に難しくなります。
可能なら20代でも早いうち、遅くとも30代前半までには動き出す必要があります。
ここから、より具体的に年収を上げる方法を見ていきます。
まず年収600万円を目指す
年収600万円は多くの人にとって狙いやすい水準です。
たとえば、新卒で年収300万円前後だった場合には、数年で400万円、そこからの転職で十分に狙えます。
外資の一部の会社では、新卒でこの水準ということも珍しくありませんし、会社選びさえ間違えなければ大丈夫でしょう。
いくつかのパターンで見ていきます。
a) 今の会社で目指す
もし周りを見回して、数年以内に600万円が見えているなら残るのも1つです。
周りの先輩でそれくらいもらっている人が散見されるならいいでしょう。
転職は成功するとも限りませんし、転職回数が増えるとネガティブに取られやすいので、焦って動く必要はありません。
検討すべき要素としては、以下の2つです。
- 現在の年齢(20代前半、20代後半、30代前半、30代後半)
- 今までの転職回数(1回、2回、3回以上)
- 得られる経験・実績・スキル
いたずらに年齢が上がり、得られるものも少ない場合には転職するのもありです。
b) 転職で目指す
経歴次第では転職で年収を上げた方がいい場合もあります。
このときもキャリア次第では2つ選択肢があります。
- 今までのキャリアと関係なく転職する(20代後半まで)
- 今までのキャリアとリンクして転職する
1.今までのキャリアと関係なく転職する
たとえば、学歴が早慶以上、MARCHあたりの若手であれば、未経験でも600万円は狙えます。
数年の経験があれば、いきなり600万円もありますし、転職後1~2年でも狙えます。
自分の経歴が活かせるものが基本ですが、接客といった全体的に年収が低い仕事の場合には転職をしても年収を上げるのは難しいです。
ただ、20代であれば可能性は開けているので、徹底的に書類・面接対策をすることで、成功確率はかなり上がります。
リクルートエージェントやパソナキャリアなどの転職エージェントに相談し、年収重視で大幅に仕事を変える選択肢も取れます。
2.今までのキャリアとリンクして転職する
一般的なのはこちらで、20代後半、30代以降の人は今までの仕事と関連するもので検討していくのが基本です。
このときに、このような軸で探していきます。
- 利益率の高い業界
- 同じ業界の大手
- 領域の近い職種
- スキルが共通した仕事
たとえば、人材業界から金融業界、広告業界からコンサルティング業界などで年収は上がります。
他にも接客から営業に移ったり、営業スキルを活かして人事やコンサルティングなどに移る方法もあります。
Vorkersなどの口コミサイトで年収を調べたり、リクルートエージェントなどで相談をしたりして、よりよい環境を探しましょう。
さらに年収1,000万円を目指す
年収1,000万円を目指すのも基本的には上記の方法と変わりませんが、より会社の見極めと自分のポジショニングが重要になります。
600万円を稼げる仕事はたくさんありますが、1,000万円以上となると上位4%とかなり減ります。
成長中の企業でも1,000万円となると、マネージャーだったり、下手すると部長や役員だったりします。
平均年収がそもそも高い会社を狙ったり、成果報酬の割合が大きい会社に入ったりという戦略が必要です。
自分の周りで考えても、そのどちらかが多いです。
- コンサルや商社のようなそもそも平均的な年収が高い会社
- 人材や保険の営業といった成果報酬の割合が大きい会社
年収600万円を超えたら、リクルートエージェントをベースに、JACリクルートメントやビズリーチ
なども活用したいところです。
年収1,000万円以上の求人も十分にあります。
以下、簡単に高年収の職業と企業を見てみます。
高年収の職業ランキング
dodaの職業別年収ランキングが以下のとおりです。
金融系やコンサルタントなど高いイメージのある仕事が並んでいます。
順位 | 職種名 | 平均 年収 |
1位 | 投資銀行業務 | 855 |
2位 | 運用(ファンド マネージャー) |
837 |
3位 | 戦略・経営 コンサルタント |
722 |
4位 | プロジェクト マネージャー |
670 |
5位 | 内部監査 | 663 |
6位 | 会計専門職・会計士 | 657 |
7位 | 営業 (医薬品メーカー) |
651 |
8位 | 知的財産/特許 | 641 |
9位 | 経営企画/事業企画 | 617 |
10位 | プリセールス | 617 |
11位 | 営業ーCRO/ SMO/CSO |
616 |
12位 | 法務 | 614 |
13位 | プロジェクト マネジメント |
613 |
14位 | ITコンサルタント | 608 |
15位 | IT戦略・ システム企画 |
584 |
16位 | 先行開発/ 製品企画 |
580 |
17位 | 研究開発 | 572 |
18位 | 営業ー 医療機器メーカー |
568 |
19位 | 内部統制 | 566 |
20位 | 非臨床研究 | 558 |
出典:doda年収ランキング
高年収の企業ランキング
プレジデントオンラインより、高年収の企業ランキングは以下のものです。
金融系やマスメディア、商社といった企業が並んでいます。
有名企業もありますが、事業承継のトレンドもあり、M&A系の会社が好調です。
順位 | 企業 | 年収 (万円) |
1位 | GCA | 2,140 |
2位 | M&Aキャピタル パートナーズ |
1,905 |
3位 | キーエンス | 1,862 |
4位 | 東京放送HD | 1,662 |
5位 | ストライク | 1,616 |
6位 | 朝日放送 | 1,516 |
7位 | フジ・ メディアHD |
1,485 |
8位 | 野村HD | 1,451 |
9位 | 日本テレビHD | 1,428 |
10位 | 日本M&A センター |
1,419 |
11位 | ヒューリック | 1,419 |
12位 | ソレイジア・ ファーマ |
1,398 |
13位 | 三菱商事 | 1,386 |
14位 | 伊藤忠商事 | 1,384 |
15位 | テレビ東京HD | 1,375 |
16位 | テレビ朝日HD | 1,374 |
17位 | スクウェア・ エニックスHD |
1,365 |
18位 | バンダイ ナムコHD |
1,354 |
19位 | 東京海上HD | 1,348 |
20位 | RKB毎日HD | 1,343 |
出典:プレジデントオンライン
さらに知っておきたいこと
ここでは、高年収を達成する方法について見てきました。
闇雲に頑張ると達成は難しいですが、基本的な考え方を学ぶことで成功確率は大幅に上がります。
他にも転職や年収に関するコンテンツが多数ありますので、合わせてどうぞ。