年収とは?手取りとは?計算方法と実態を月収・月給・給料と共に解説

仕事とお金の話は切っても切れません。社内でも社外でも定期的に話題になるかと思います。

お金のことばかりを考えるのもよくありませんが、あまりに無計画だと長期的には、人生の選択肢が減ってしまいます。

ここでは、給料や年収、手取りといったお金に関する言葉の意味に加え、年齢や性別による年収実態を見ていきます。

額面と手取りの違い

会社からもらえる給料は大きく、額面と手取りの2つで語られます。

  • 額面は基本給、諸手当(交通費、家賃手当)、残業代などを含めた総支給額です。
  • 手取りは、その額面から税金や社会保険などを引いた、実際に手元に入ってくる金額です。

募集要項に書かれたり、「年収はいくら?」、「月収はいくら?」と話すときは額面の金額です。

手取りはどちらかというと生活費を考えたり、貯金を考えたりするときに自分の視点で見るときのものです。

手取り金額はどれくらい?

手取りの金額は人によって異なります。これは、

  • 税金(所得税、住民税など)
  • 社会保険(健康保険、年金保険、介護保険、雇用保険など)

などで引かれる金額が人によって異なるからです。

その理由は、たとえばこのようなものです。

  • 所得税のように累進課税のもの(たくさん稼ぐほど税金が高くなる)がある
  • 介護保険のように一定の年齢(40歳以上のもの)が対象のものがある
  • 配偶者や子供、医療費などの控除(税金の対象から引かれる)がある

一般的には80%程度といわれています。

自作のツールで計算した例(独身、40歳未満、東京、協会けんぽ)が以下のものです。

額面月収 手取り月収 手取り比率 額面年収 手取り年収
15 11.9 79.6% 180 143.3
20 15.7 78.6% 240 188.6
25 19.4 77.4% 300 232.2
30 23.3 77.5% 360 279.1
40 30.4 76.0% 480 364.9
50 37.6 75.2% 600 451.2
60 44.2 73.7% 720 530.3
80 57.6 72.0% 960 691.2
90 64.2 71.4% 1,080 770.9
100 70.5 70.5% 1,200 845.5
200 124.6 62.3% 2,400 1,494.9

完全に正確ではありませんが、年収200万あたりでは額面の80%近く、そこからどんどん下がっていきます。

年収600万円で75%くらい、年収1,000万円を超えると70%近くになります。

詳しく知りたい方はツールや計算方法を別記事でも紹介しています。

参考:手取り給料・給与の計算ツール!年収・月収にも対応!計算方法に早見表まで

給与、給料、基本給、手当、賃金の違い

基本的に、日常会話で使う分には給料は上記の額面と同じ意味です。普段使う分には、すべて額面だと考えておいていいです。

ただ、公的な統計データにおいては、もう少し厳密な使い分けをされることもあります。

  • 給与:会社から支給される報酬すべての額面金額
  • 賃金:給与と同じ
  • 収入:給与と同じ。年収、月収など
  • 基本給:毎月決められた基本の給料。交通費や残業代、家賃手当などを含まないもの
  • 給料:基本給と同じ意味
  • 手当:残業手当、通勤手当など。給与=給料(基本給)+手当と説明されることも

詳しく覚える必要はありませんが、基本給と手当を分ける考え方があり、給料と給与は厳密には違うものを指すことを知っておきましょう。

年収とは・月収とは?

年収というときには、年間にもらう給料の支給額をいいます。これは額面の金額です。

月収も同様に、月間でもらう額面の金額です。年収を12で割ったものが月収となります。

月収と月給

これも日常会話では区別する必要がありませんが、厳密には違う意味があります。

  • 月収:月ごとにもらったお金すべて
  • 月給:1ヶ月ごとに決められた金額。基本給や金額が固定された手当(家賃、役職など)

月給には、インセンティブや残業代などの変動するものは含まれません。

年収・月収の実態

ここからいくつかの観点で、年収や月収がどうなっているのかを見ていきます。

年齢ごとの平均年収

まずは、年齢ごとの平均年収です。

  • 日本全体では422万円、男性が521万円、女性が280万円
  • もっとも高いのは50~54歳で全体が504万円、男性が661万円、女性が296万円

わかりやすく、年齢が上がるごとに上がっていきます。

20代前半は、258万円とだいたい月収で20万円前後となっています。女性は30代前半がピークです。

これは出産の時期とかぶります。(平均初産が約31歳)そこから働き方を変える必要があるため、全体で見ると上がっていきません。

出典:民間給与実態統計調査 – 国税庁より作成

性別ごとの年収分布

性別ごとの分布も見てみます。

  • 全体と男性の割合がもっとも多いのが、300~400万円で、女性は100~200万円が多い
  • 女性は約9割が500万円以下、男性は約8割が700万円以下

女性は、旦那の扶養に入る100万円以下の水準も多くなっています。

600万円は稼いで欲しいと言われがちな男性も600万円超えはそんなに多くないことがわかります。

出典:民間給与実態統計調査 – 国税庁より作成

雇用形態による違い

非正規が何割を超えたというようなニュースがよくあります。雇用形態ごとの違いも見てみましょう。

正規と非正規では平均給与に大きな差があることがわかります。

一方で、パートタイムなども含まれますので、実際の差がどの程度かはわからない部分です。

平均給与
(千円)
正規 非正規
男性 5,211 5,397 2,278
女性 2,797 3,733 1,481
全体 4,126 4,869 1,721

女性は非正規の割合が4割近くと、非常に高いです。

給与
所得者数
正規 非正規 非正規率
男性 28,622 21,723 3,477 12.1%
女性 20,069 10,098 8,069 40.2%
全体 48,691 31,822 11,546 23.7%

派遣社員の給料

厚生労働省が「労働者派遣事業報告書」というものを発表しています。

ここでは、日給の情報しかありませんが、

  • 労働者派遣事業 12,624円
  • (旧)特定労働者派遣事業 15,771円

となっています。仮に月間20日働くとすると、こうなります。

日給 月収 年収
労働者派遣 12,624 252,480 3,029,760
特定労働者派遣 15,771 315,420 3,785,040

先ほどの表と照らし合わせるとこのようになります。

こちらのほうが、より実態に近い印象を受けます。

正規 非正規 労働者
派遣
特定労働者
派遣
平均給与 4,869 1,721 3,030 3,785

さらに知っておきたいこと

こちらの記事では、仕事のお金の側面について見てきました。

お金は仕事の一つの側面でしかありませんが、ずっとついて回る問題です。

仕事だけではなく、広い意味でのキャリア・人生設計を考えたときに選択肢が増えることにも減ることにもなります。

ほかにも、お金の面からキャッリアや仕事について書いた記事があります。こちらもぜひ参考にしてみてください。

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