40代後半でも転職は可能ですが、相当困難です。
この年代になると、自分が持っている能力も重要ですが、マッチングが肝です。
優秀だからといってすぐに見つかる例はかなり稀でしょう。
簡単ではありませんが、成功確率を上げる方法はあります。
ここでは、そんな40代後半の転職を成功させるために知っておきたいことをご紹介します。
46・47歳転職の基本3つ
1.即戦力以上のなにか
40代の転職は、即戦力以上のなにかが求められます。
すぐに活躍できるような過去の実績・経験・スキルがあることは最低条件です。
ただ、単純な経験者であれば、30代の人でも十分なわけです。
その上でのマネジメント経験だったり、海外での勤務経験や新規事業などのユニークな経験、英語などのスキルがあるかが差別化になります。
あなただからこそできるなにかをアピールする必要があります。
2.マッチングが難しくなる
年齢が上がるほど、ポテンシャルではなく専門性で判断されます。
そのため、自分とマッチする求人の数が一気に減っていきます。
マッチングが難しい理由
- 年齢が上がるほど企業側の要求するスキルが上がる
- 給料や役職などの求職者側の要求する条件も上がる
- 専門的な仕事やマネジメント職など、ポジションの絶対数が減っていく
あなたに合っていない求人ではあっさり落とされます。
「前の転職では、大丈夫だった」という人が転職で苦労するケースは珍しくありません。
それなりの経歴の人でも転職は難しくなります。
たとえば、給料や役職にこだわる人はさらに決まりにくい傾向にあります。
自分にとって本当に大切なものを見極めましょう。
また、40代の転職は長期化する傾向にあります。
1年近くかかることも珍しくないので、あまり焦らずに、転職サイトに登録しておいたり、スキルを伸ばしたりしましょう。
3.若手と同じ方法ではよくない
40代の転職で、20代・30代と同じように転職するとうまくいきません。
それは、彼らの方が圧倒的に有利だからです。
よほど能力を伸ばしていていな限りは、ポテンシャルの下がる分を能力でカバーできないからです。
こんなイメージです。
40代以降は、ポテンシャル評価がありません。
さらに採用枠が圧倒的に減ります。
単純に若手と同じように、しっかり自己分析して、企業を調べて、選考対策をするだけでは通りにくいです。
いかに工夫するかを考える必要があります。
46・47歳転職で考える4つのこと
1.転職のメリットを知っておく
キャリアアップできる
40代にもなれば、社会人として十分な経験があります。
ここで、しっかりと実績・経験・能力を積み上げてきた人にはキャリアアップのチャンスが十分にあります。
とくにマネジメント経験は非常に重要です。
基準が高くなり、枠も限られますが、大企業でも管理職、中小・ベンチャーであれば、役員・部長クラスのチャンスも多数あります。
リクルートエージェントなどの転職エージェントに相談しましょう。
可能性が広がる
同じ会社や同じ仕事が長くなると、停滞しやすくなります。
同じ仕事をずっと同じ熱量で行ったり、新しいスキルを身につけたりは限界があります。
新しい環境に身を置くと、想像以上に多くの変化があります。
とくに、転職や異動の経験が少ない人はさらに顕著に変わります。
仕事で関わる人や仕事で身につく能力も変わります。
後悔はなくなる
どうしてもやりたいことがあるような人は、チャレンジするメリットはあります。
第二の人生として、まったく別のキャリアを歩む人もいます。
知り合いでもコンサルタントから牧師になったような人がいます。
もちろん、自分が必要なお金は稼いだり、ミスマッチがないようにしたり、注意は必要です。
ただ、何歳になっても魅力的な人は、こうした機会を自ら創り出したり、掴んだりしているものです。
転職はそのきっかけの1つになりえます。
2.転職のリスクを知っておく
そもそも転職できない
リスクではないかもしれませんが、そもそも転職をするのは難しいです。
したいと思ってもできない人が増えてきます。
30代は本人次第で、本気で臨めばどうにかなる部分もありますが、50歳に近い年齢では厳しい判断が多くなります。
今よりも悪くなる可能性がある
転職は変化するというだけであって、それがいい変化とは限りません。
40代以降での転職は年収や役職が下がることも多いです。
大手企業出身の人で給料が半分になることもあります。
転職を甘く考えている人ほど現実を知っておく必要があります。
大変なのは転職だけではない
年齢が上がると転職するのも大変ですが、転職後も大変です。
労働条件や待遇のトラブルもありますが、年齢が上がるほど仕事に慣れるのも大変です。
年齢が上がって、プライドが高かったり、素直に聞きにくかったり、コミュニケーションが取りづらかったりすることもあるものです。
期待値も上がっているため、それに見合う成果が上げられるどうかもシビアに周りから見られます。
こうした変化に自分が向いているか・柔軟性が高いかは考えておいたほうがいいでしょう。
3.異動などの転職以外の方法もある
転職は万能な方法でも、唯一の方法でもありません。
会社にどうしても合わないという場合には仕方がありませんが、それ以外の場合には対処方法がほかにあるかもしれません。
いくつか社内でできる解決策をご紹介します。
仕事が合わない
- 上司(やその上司)、人事に相談することで、より合った仕事につける可能性がある
- 同じ部長や役員が干渉している場合には異動しやすいことも
上司が合わない
- 上司のさらに上司に伝えれば、変えてもらえる可能性も十分にある
- 社風やマネジメント方針が合わない場合には難しい
雰囲気が合わない
- 大企業の場合には、部署・部門が違うとまったく雰囲気が異なることも
- 人事などに伝える方法もあり
そこまで会社に不満がない場合には、副業でやるといった選択肢もあります。
会社に所属しながら副業としてやって、うまくいったら退職するという方法もあります。
4.転職力を高める
会社で仕事をすると、さまざまなビジネススキルが身につきます。
そのような仕事で身につく能力と、転職で求人を探したり、自分をアピールしたりする能力はまた別です。
40代にもなると、それなりの経験があるからか、プライドが高く、対策が甘い人が多いです。
そして、経験も多いので話が長くなったり、なにもかもを伝えようとして失敗することは非常によくあります。
転職そのものに対する対策が不可欠です。
さらに、以下の2つの理由から転職対策によって差をつけられるチャンスです。
- 実績・経験・スキルで大きな差はつかない
- 周りの人もあまり対策ができていない
この転職力ともいえるような、転職をするための能力を上げることが重要です。
転職の5つのポイント
ここからは転職活動のポイントをプロセスごとに見ていきます。
転職活動のプロセスは大きく5つあります。
- 自己分析をする
- 求人探しをする
- 選考書類を送る
- 面接を受ける
- 内定をもらい、退職する
就職活動を経験している人も多いかと思うので、イメージが掴めると思います。
注意点を中心にそれぞれを見ていきます。
1.自己分析をする
就職活動のときにしっかりしたという方も改めてやりましょう。
退職理由を明確にする
退職理由は面接でも必ず聞かれますし、自分が働いてみたうえでの気づきを考える上で有効です。
転職を考えるということは、多かれ少なかれ不満があるということです。
よくある不満はこのようなものです。
- 業務内容
- 給料や福利厚生
- 労働条件(残業・休日出勤なども)
- 社風、労働環境
- 人間関係
- 会社や職種の将来性
不満だけでなく、満足したことも必ず押さえておきます。
満足した点を見逃していて、次の会社ではそれが退職してしまうといったこともあります。
自分の価値観を考えるきっかけにもなります。
自分の価値観を明確にする
転職理由を考える過程で気づく部分もあると思いますが、自分がどのようなことを大切にするのかは考えましょう。
譲れないものをいくつか考えておくことが重要です。
仕事は物件探しと同じなので、あなたの要求すべてを満たすことは困難です。
もっとも重要な1つか、2つ程度を明確にしましょう。
業務内容なのか、給料なのか、社風なのか、人間関係なのかなどを考えておきましょう。
自分の将来を考える
次の転職というと、今回よりもさらに厳しくなります。
この先のプランに関しても考えておきましょう。
老後に必要なお金やローンなども考えておきたい年齢です。
ほかの記事でも説明していますので、ぜひどうぞ。
2.求人探しをする
40代になると、求人探しも工夫していく必要があります。
リクナビNEXTやマイナビ転職などの転職サイトはもちろん活用します。
求人数が多いので、あらゆる求人をチェックできて効率的です。
ただ、ほかにも活用できるサービスが多数あります。
人脈もフル活用する
この年齢では、正攻法だけではなく、人脈を活用しましょう。
正面から多くの人と勝負するよりも、有利に進められる可能性があります。
親しい人や仕事でお世話になった人とコンタクトを取りましょう。
社長や役員が知り合いの会社に入社したり、以前の取引先の人に求人を紹介してもらったりは珍しくなりです。
すぐに紹介は難しくても、あなたが転職を考えていることを伝えておけば、紹介される可能性が上がります。
ハイクラス求人サイトを使う
年収600万円以上の人は必ず登録しておきたいサイトが、ビズリーチとキャリアカーバーです。
自分の経歴を登録しておくだけで、スカウトが来ますし、高年収の求人を探すこともできます。
40代以降の場合には、ほとんどマネジメント経験は必須ですが、十分な求人数があります。
一般的な転職サイトにはない求人も多く、スカウトの質もいいです。
転職エージェントの提案
40代にもなると、転職エージェントが非常に有効です。
ポテンシャルよりも実務経験になるため、合わないところはいくつ受けても落ちます。
プロに自分にマッチした求人を探してもらう方がいいです。
また、あなたが自分で気づいていないような仕事の提案もあるのがメリットです。
まったくの異業種・異業界への転職も実はありえます。
たとえば、女性のマネジメントという点で共通していたり、ユーザーへの対応方法、商品の売り方などが共通しているということがあるからです。
こうしたものを自分で見つけるのは困難なので、素直に転職エージェントに頼りましょう。
リクルートエージェントなどの転職エージェントをぜひ活用しましょう。
3.書類対策をする
選考書類ですが、転職では新卒のときのような変わったエントリーシートや質問が用意されることはありません。
- 履歴書
- 職務経歴書
の2点でだいたいどの企業も書類選考されます。
職務経歴書は超重要
職務経歴書は経験した仕事の詳細を書くもので、履歴書以上に重要な書類です。
履歴書ほどフォーマットが決まっていないため、差がつきやすい書類でもあります。
この職務経歴書がしっかりかけていない人は非常に多いです。
40代では、書類で落ちることも多くなります。
100件応募して、面接が数件のみという人もいます。対策が必須です。
書類はチェックしてもらう
自力で書くのもいいですが、転職エージェントでチェックしてもらった方がいいです。
履歴書も職務経歴書もこまかなルールやポイントが多いです。
「面接にいけば、存分にアピールできる」と思っている人も書類で落ちてしまうと、どうしようもありません。
リクルートエージェントは選考書類対策にも力を入れていて、おすすめなので相談してみてください。
書き方のポイント
このサイトでも別記事で書き方を解説しています。
ただ、これはあくまでも基本的な書き方であって、ベストなものはその人の経歴によっても違います。
受ける企業によって、どの部分を強調するかも考える必要があります。
リクルートエージェントなどの転職エージェントで見てもらう方がいいでしょう。
4.面接対策をする
選考対策の中でもかなり重要なパートです。
どれだけ実務経験があっても、それを面接で伝えられないと仕事ができないとみなされてしまいます。
たとえば、このようなものはかなり典型的な質問ですが、うまく答えられない人もいます。
- なぜ退職したのか・転職を考えたのか?
- 志望動機は? なぜ他の会社ではないのか?
- 自己PR
退職理由⇒志望動機⇒自己PRをちゃんと説明できるだけでも印象はまったく違います。
ちょっとした対策でかなりよくなりますので、可能なら実践練習もしましょう。
このプロセスを軽視している人は多く、かなりもったいないです。
転職エージェント、ハローワーク、知り合いの人事でもだれでもいいので練習しましょう。
こちらもコンテンツがあります。
転職エージェントは必ず利用したい
このように、転職はかなり多くの注意点があります。
すべてを押さえようとすると、時間がいくらあっても足りません。
プロから無料で求人探し、書類対策、面接対策をもらえる機会は必ず活かしましょう。
転職というのは、多くの人は数回しか経験しないものです。
一方で、彼らは毎日のように転職を考えている人と会い、その人たちをサポートしています。
経験地がまったく違います。転職全体に関して、たとえばこのようなサポートが受けられます。
- 転職の進め方のアドバイス
- 該当業界・業種の求人状況
- 自分の希望に合った求人提案
- 行きたい会社に内定する可能性
- 書類・面接対策のアドバイス
あなたが自分だけで考えるよりも、はるかに効率的です。
一番のリスクは意思決定を伸ばした結果、手遅れになってしまうことです。
転職は成功確率を少しでも上げるために、転職エージェントに必ず相談しましょう。
いくつかおすすめの転職エージェントを紹介します。
40代後半になると、転職エージェントでサポートが難しいといわれる場合もあります。
もし転職エージェントが難しければ、東京しごとセンター(東京限定)、ハローワークなどを活用しましょう。
同じような内容で万人向けにサポートしてもらうことができます。
5.内定をもらい、退職する
内定をもらった後の注意点は3つです。
本当に入社して大丈夫かを再確認する
せっかく内定をもらったら、入社前に会社のことを改めて確認しましょう。
1つは、できるだけ多くの人に会わせてもらうことです。
不安に思っていることを聞きましょう。
もう1つは、オンラインで評判を確認する方法です。
検索エンジンで「会社+評判」で検索したり、Vorkersや転職会議などの口コミサイトを使ったりしましょう。
ある程度有名な企業であれば、情報は手に入りますし、比較することも可能です。
自分の感覚だけで決めてしまい、入社後に気づくようなことは絶対に避けましょう。
条件交渉する
給与などの条件は入社してからの不満が大きくなりやすいポイントです。
ただ、年齢的にもあまり強気な交渉は避けたいものです。
時間軸も考慮して、今の給料や役職だけでなく、どのような成果に対して、どのようなリターンがあるのかを話し合いましょう。
言いたいことをいえないで不満をため込むのは一番よくないです。
しっかりと退職する
基本的には、内定をもらった後に上司に伝えるだけです。
「ご相談したいことがありますので、お時間をいただけますか」などと伝えて、MTGルームなどで伝えるのが一般的です。
その後は、退職交渉が入ったり、スケジュールを調整したり、書類を提出したりなどがあります。
初回はよくわからないかもしれませんが、退職者はどの会社もいるのでプロセスはだいたい決まっています。
さらに知りたい方は別記事もありますので、こちらもどうぞ。
よくある疑問
46・47歳の女性転職で気をつけることはありますか?
転職自体は男性も女性もそこまでの差はありません。
ただ、40代になると出産や介護などでブランクがある人も増えるでしょう。
ブランクが空くと再就職がなかなか大変です。
ポイントは、この2つです。
- できるだけ会社を退職しないことと、
- 結婚や出産の直前に転職しないこと
今いる会社が女性にとって働きやすい職場であれば、安易に転職しないのがポイントです。
ママワークスやはたらこねっとなどでは主婦向け、ブランクありでも大丈夫な求人があるので見てみてください。
女性の転職に関しては別記事でも説明していますので、こちらもどうぞ。
46・47歳で未経験の転職は可能ですか?
無理ではありませんが、ハードルは高いです。
40歳を過ぎると、選択肢ががくっと減ります。
社内での異動も考えたり、少し小規模の会社を選んだり、工夫しましょう。
未経験で応募する場合でも関連がある業務をアピールしたり、土日に実際に勉強や実務をやってみたりしましょう。
厳しいですが、一刻も早く、動き出したほうがいいです。
こちらで未経験でも転職しやすい職種をご紹介しています。あわせてどうぞ。
46・47歳で転職回数が多くても大丈夫でしょうか?
40代後半では、それなりに転職回数が多い人もいます。
20代で2回まで、30代で4回までといった目安はありますが、40代になるとよほど多い場合を除くとそこまで差はないでしょう。
これから働ける期間が短いのは一緒なので、あまり気にしすぎないようにしましょう。
転職回数がかなり多いという人は、あまり転職回数がネックにならないITや外資系なども考慮した方がいいです。
僕が所属したようなIT系の会社では、40代で6社目、7社目というのはあまり問題になりませんでした。
転職に資格はあったほうがいいですか?
気にする人が多い内容ですが、基本的には必要ないです。
業務に強く結びついているような資格であればいいですが、なんとなく取っておこうという資格はほとんど役に立ちません。
代わりに、しっかり書類や面接の対策をしたり、自分に合った企業を探したりする方がはるかに有効です。
興味がある方は別記事もどうぞ。
個人的な経験
自分は最初の転職のときに、自力で探した会社に転職をしました。
規模の小さい会社だったこともありますが、企業の調査が甘く、十分に会社や仕事のことを把握せずに転職してしまいました。
結果としては、週の半分程度をアルバイトの手伝いのようなことをしなくてはならず、3ヶ月で退職しました。
その後、同じ失敗をしたくなかったので、転職エージェント経由で、自分でも会社の評判を調べて、別の会社に転職しました。
20代後半の時期だったので、致命的にはなりませんでしたが、入社する会社のリスクの大きさを知ることになりました。
必ず活用したいサービス
この経験から、ミスマッチを防ぐために、2つほど必ず活用してほしいサービスがあります。
1つはリクルートエージェントなどの転職エージェント、もう1つはVorkersや転職会議などの口コミサイトです。
自分でも面接官に話を聞いたり、実際に働いている社員に話を聞いたりはできますが、自分以外の人の意見も知るのは大事です。
どちらのサービスも、会社の内情に近い情報が手に入るので、僕のような失敗はかなり防げるかと思います。
さらに知っておきたいこと
ここでは、46・47歳の転職について見てきました。
40代の転職は工夫がポイントになります。
相手の立場にたって、なぜ社外から40代のあなたをわざわざ採用するのかを考えましょう。
これをうまく伝えられれば、採用されます。
ほかにもキャリアや40代に関するコンテンツがあります。こちらも合わせてどうぞ。