転職を繰り返すことはマイナスと取られることがあります。
僕自身も20代で転職を3回しています。これは一般的には多いほうです。
ただ、転職回数が多いことはネガティブなことだけではありません。
ここでは、転職を繰り返してしまっている人に、知っておいて欲しいことをまとめました。
1. 転職回数は何回からが多いのか?
転職回数に決められたルールがあるわけではありません。
あなたの周りでも、何回も転職をしている人も、まったく転職していない人がいるかと思います。
一般的に採用現場では、20代で3回以上、30代で5回以上になると多いと思われます。
目安としては、3年に1回以下くらいのペースで想定されていることが多いです。たとえば、こんなイメージですね。
このペースであれば、そこまで問題にならないことも多いです。
- 大卒22歳:1社目
- 25歳:2社目(転職1回目)
- 28歳:3社目(転職2回目)
- 31歳:4社目(転職3回目)
- 34歳:5社目(転職4回目)
- 37歳:6社目(転職5回目)
2. 転職回数が多いことのメリット
さまざまなスキル・経験が得られる
多くの仕事を経験することで多様なスキルが得られます。
業界や職種が違えばもちろんですが、同じ業界や職種でも会社によって、そこで得られるものは大きく異なります。
僕自身、IT業界を中心に10名以下の会社、100名以下の会社、10,000名以下の会社などさまざまな会社にいました。
会社によって、業務の範囲や深さも変われば、そこで求められる能力も違います。
規模が小さい方がより業務範囲は大きくなりがちですし、規模が大きいとより狭い範囲での専門性や組織内での調整能力が求められます。
アクティブ・積極的な印象がある
相手の見方次第にもなりますが、新しいことへのチャレンジやスキルの獲得に積極的だと思われることもあります。
ずっと1つの会社にいると、どうしても新しいスキルの獲得やチャレンジが停滞することもあります。
あえて1社にとどまらずに、ステップアップしていると認識されると好意的に見られます。
3. 転職回数が多いことのデメリット
忍耐力・継続力がないと思われる
日本では少し不満があっても続けることに価値があると考える人も多いです。
そうした人から見ると、この人はものごとを続けるのが難しい人ではないか、忍耐力がない人ではないかと思われる可能性があります。
スキル・経験が身につきにくい
メリットの反対になりますが、スキル・経験が身につきにくいという可能性もあります。
なぜなら、あなたが特殊なスキルを持っていない限り、入社したばかりの人に難しい仕事や責任の重い仕事をお願いすることは難しいです。
短期での離職を繰り返す場合には、そうしたことから誰にでもできる仕事しか任されていないのではないかと見られるかもしれません。
4. 必ずしもあなたが悪いわけではない
転職回数が多い=悪ということがいわれることもありますが、必ずしもマイナスのことばかりではありません。
また、必ずしもあなたに問題があるわけではありません。
自分がいた職場の一つには、半年で半分の人がやめたことがあるところもありました。
このようなケースはどう考えても職場が異常ですよね。
世間ではブラック企業という言葉もだいぶ浸透しました。
過酷な労働環境や賃金の未払い、社会保険への未加入など法的に問題がある例もあります。
自分の問題か会社の問題かは考える必要があります。
5. あなたに問題があることもある
一方でもちろん、あなた自身に課題があるケースもあります。
3ヶ月での転職を3回繰り返していたら、すべての会社に問題があったというよりはあなた自身の課題についても考えたほうがいいでしょう。
- 会社の問題
- 人間関係の問題
- 仕事内容の問題
- 待遇の問題
これらが辞めたい理由として挙げられることが多いものです。
会社が100%に近く悪いこともありますが、後半3つはあなたにも責任がある場合には多いです。
会社の問題も、もし続くようであればあなたの転職方法に問題があるのかもしれません。
病気のとき
基本的に退職や転職は慎重に考えたほうがいいですが、病気のときには少し別です。
うつ病などの病気のときは、できれば速やかに休職・退職などの手続きをして冷静になれる状況を作った方がいいです。
自分も精神科に行ったりして時期がありますが、病気によってはひどくなる前に対処したほうがいいものもあります。(立ち直りが早くなるので)
6. 自分のことを知っておきたい
企業がどうしようもない場合を除くと、あなたと企業のマッチングが重要です。
あなたの基準が明確であれば、転職エージェントや企業の採用担当などに相談することができます。
転職を繰り返してしまう人の場合には、そこの掘り下げが十分でないことがあります。
自分の中で何が大切かわからずに、ちょっと嫌なことがあると転職してしまうことも目にします。
そこで、過去の経験をもとに自分の価値観を明確化しましょう。
もし続いた会社と続かない会社があったらそれも比較しましょう。
うまくいくパターン・うまくいかないパターンがあったらそれを考えましょう。
- もし人間関係に問題があって退職しているケースが多ければ、人間関係をあまり気にしなくていい仕事を選ぶのも1つです。
- 仕事内容にこだわりが強いのであれば、入社時点で仕事内容が決まっており、それが後から変わることがほとんどないような仕事を選択しましょう。
7. 転職はプロに相談しよう
あなたの価値観を明確化できたのであれば、次は企業について知ることが重要です。
もし、今までの会社の選び方に自信がなければ、転職エージェントに相談しましょう。
大手エージェントであれば、完全にブラックな企業を扱う可能性は低いです。
また、Vorkersや転職会議など会社の評判を調べられるサイトもあるので、そういった情報も参考にしましょう。
8. 企業で働く以外の選択肢もあります
また、会社で働くだけがすべてではありません。
フリーランスとして働いたり、投資家として活動したり、企業に属さない働き方は広がっています。
友人でも会社員としてはパッとしなかった人がフリーランスで活躍していることもあります。
サラリーマンとして働くことがどうしても向いていない人もいるわけです。
ただ、どの働き方も楽ではありません。
安易に選択して少し頑張るという程度ではなく、数年間は土日関係なく働いて結果が出るということもあります。
多くの人は、相当の時間・労力を使って自分なりの生き方を追求しています。
フリーランスに興味がある方はこちらの記事もぜひどうぞ。
9. 夢の選択肢はない
夢の仕事、幸せの青い鳥、そういったものはありません。
たとえば、自由に見えるフリーランスになっても、起業しても種類が変わるだけで大変なことはいろいろあります。
上司がいないことで働きやすくなる人もいるかもしれませんが、顧客を取るのも大変ですし、税金の申告も面倒です。
自分の幸福度を上げるには、奇跡にかけることよりも、自分の好きなことに携わる方が近道かもしれません。
さらに知っておきたいこと
ここでは転職回数が多い人について見てきました。
キャリアは個別事情も多いですが、転職回数が増えるメリットはほとんどありません。
いたずらに増やさないように注意しましょう。
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