年収370万円というと、日本の平均年収422万円よりは少し低い水準となります。
一人暮らしは問題ありませんし、夫婦でも生活は十分にできます。
ここから少し贅沢をしたり、子育てをしたりするにはやりくりが必要になります。
低いということはありませんが、生活に余裕があるという感じでもないです。
ここでは、年収370万の生活実態をお金や結婚・仕事まで見ていきます。
目次
額面年収370万円の手取り金額
手取り年収・手取り月収はいくらか?
年収370万円でもそのままの金額が手に入るわけではありません。
年収は額面ともいわれる総支給額ですが、ここから
- 税金(所得税、住民税など)
- 社会保険料(健康保険、年金保険、雇用保険、介護保険)
が引かれます。
年収370万円の手取り金額は
- 年収で約290万円
- 月収で約24万円
となっています。
所得税、住民税、社会保険料はいくらか?
年収370万円に対する具体的な税金や社会保険などの内訳を計算したものがこちらです。
単身世帯、東京の協会けんぽ、40歳未満というようないくつかの前提をおいていますので、人によって違います。
月収 | 年収 | ||
額面 | 31.7 | 370.0 | |
社会 保険 |
厚生年金 保険料 |
2.7 | 32.9 |
健康 保険料 |
1.5 | 17.8 | |
雇用 保険料 |
0.1 | 1.1 | |
介護 保険料 |
0.0 | 0.0 | |
税金 | 住民税 | 1.8 | 21.4 |
所得税額 | 0.7 | 7.8 | |
手取り | 24.1 | 289.0 |
年金保険料、住民税、健康保険料などの負担が大きくなっています。
実際には手取りはもう少し多くなるかと思いますが、計算方法の詳細など興味がある方はこちらもどうぞ。
年収370万円の割合・年齢は?
年収370万円の全体に占める男女別割合
370万円の具体的なデータはありませんが、年収400万円未満の割合は以下のようになっています。
- 男性で41.3%
- 女性で79.6%
- 全体で57.1%
男性の場合ではやや低めですが、全体や女性の場合には年収400万円は高いことがわかります。
出典:民間給与実態統計調査 – 国税庁より作成
年収380万円は20代・30代では低いか?
年収380万円程度だとすると年齢との関係性はどうなっているのでしょうか。
国税庁とdodaが年齢別の平均年収データを調査しているため、そちらをご紹介します
国税庁のデータ
国税庁のデータは、結婚や出産に伴って女性が働き方を変えたもの(パートなど)も含むため、平均が下がる傾向にあります。
これを踏まえると、30歳前半の年収水準といえるでしょう。
30歳前後であれば平均程度、年齢がそこより上であれば少なめとなります。
20代後半 (25~29) |
30代前半 (30~34) |
30代後半 (35~39) |
|
男性 | 383 | 457 | 512 |
女性 | 309 | 315 | 300 |
全体 | 351 | 403 | 433 |
出典:民間給与実態統計調査 – 国税庁より作成
dodaの平均年収データ
dodaの場合には正社員限定でフルタイム中心なのでやや高めに出ます。
年収370万円は28歳前後です。
年齢 | 28歳 | 29歳 | 30歳 |
男性 | 408 | 425 | 440 |
女性 | 355 | 359 | 372 |
全体 | 388 | 402 | 416 |
年収370万円の平均貯金額と家賃相場
年収370万円の平均預貯金・金融資産額
預貯金額と金融資産の2つがありますが、
- 預貯金では一人あたり300万円程度
- 金融資産では一人あたり500万円以上
となっています。
年収300~500万の預貯金・金融資産
世帯 種別 |
単身 世帯 |
2人以上 世帯 |
預貯金 | 388 | 887 |
金融 資産 |
789 | 1,027 |
出典:『家計の金融行動に関する世論調査』 金融広報中央委員会
手取り年収から貯蓄する割合
年収のうち、どれくらいを貯蓄に回しているかを見ていきます。
- 1人世帯では4万円前後、2人以上世帯では2万円前後の貯蓄が可能
- 単身世帯の方が全体的に貯蓄が多い
年収300~500万の貯蓄比率
世帯 種別 |
単身 世帯 |
2人以上 世帯 |
平均 | 17.0 | 7.0 |
貯蓄 しない |
19.7 | 35.2 |
10%以下 | 13.9 | 23.0 |
10%~20% | 26.0 | 23.9 |
20%~30% | 17.0 | 8.2 |
30%以上 | 23.5 | 4.1 |
出典:『家計の金融行動に関する世論調査』 金融広報中央委員会
年収370万円の家賃相場
上で見たように年収380万円の手取り月収は24万円前後です。
家賃は手取りの3割程度に収めたいところなので、多くても7~8万円程度がいいでしょう。
年収380万円の生活レベル・家計簿事情
世帯人数別に実際に月間の支出がどのようになるのかを見ていきます。
一人暮らし・実家ぐらしの生活費・家計簿
一人暮らしの生活費内訳はこのようなイメージになります。
収入 | 給料 | 24万円 |
固定費 | 家賃 | 8万円 |
通信費 | 1万円 | |
光熱水費 | 1万円 | |
変動費 | 食費 | 5万円 |
交際費 | 2万円 | |
趣味 | 1万円 | |
服・ 日用品など |
3万円 | |
貯金 | 3万円 |
都心でも生活費は20万円くらいあれば、生活はできます。
よほど散財をしない限り、赤字にはならないでしょうし、普通に生活していれば5万円前後は貯金できるでしょう。
一人暮らしでも車を買ったり、家を購入したりすることもできます。
二人世帯の生活費・家計簿
夫婦二人の場合には節約をすれば、貯金はできます。
ぜいたくはできませんが、生活に困るということはないでしょう。専業主婦になるには少し足りなさそうです。
一人暮らしの費用に加えて保険だったり、食費、通信費、日用品だったりの値段が増えます。
試算するとこのようになります。
収入 | 給料 | 24万円 |
固定費 | 家賃 | 6万円 |
通信費 | 1.5万円 | |
光熱水費 | 1.5万円 | |
保険 | 1万円 | |
変動費 | 食費 | 4万円 |
交際費 | 1万円 | |
小遣い | 1.5万円 | |
服・ 日用品など |
1.5万円 | |
貯金 | 6万円 |
これは最低限のお金ですが、化粧品や服などの費用、小遣いや交際費によって生活費は膨らみます。
家や車を購入する場合には、ローンや関連費用で貯金はさらに減ります。医療費や冠婚葬祭などの変動費もあるので、それにも備えましょう。
貯金が5万円できるといいですが、現実的には2~3万円でも継続できるといいでしょう。
子供1人・2人・3人以上の家計
子供1人は節約すれば十分可能ですが、2人以上となるとなかなか厳しいです。
二人のときに加えて、子供関連の費用が増えます。
目安としては、二人暮らしのときに5万円ほど貯金できているかどうかです。
大学に行かせるとしたら国立でも250万円程度、私立なら500万円程度かかります。
私立であれば、毎月5万円の貯金でも500万円貯めるには8年、2人分であれば、16年かかります。
もちろん、子供2人以上も不可能ではないですが、自分がどれくらい節約に耐えられるかを考えたほうがいいです。
年収370万円のマイホーム・住宅ローン事情
ローンは可能か不可能かでいうと、金額によっては可能です。
ただ、上で見たように夫婦でも余裕があるわけではありません。
子供が欲しい場合は無理ですし、並行して車を買うだけで破綻します。
失敗談やいかに無理かという試算もたくさん共有されています。
「家を購入しないのであれば生きている意味がない」という方以外はやめましょう。
年収370万円の車・ローン事情
車に関しては住宅ほど厳しくはありません。維持費と購入費をあわせて考えましょう。
車は維持費(税金、保険、ガソリン、駐車場)だけでも1~2万円かかります。
購入もローンにした場合には、金利もありますし、月々の生活費をさらに圧迫します。
実際の生活に合わせて調整しましょう。
年収370万円の結婚・婚活は?
上で見たように、夫婦だけで暮らす分には問題ありませんが、住宅や車は注意が必要です。
子供が欲しい場合には、収入的には少し心もとないでしょう。
共働きや副業を含めた収入を上げる方法や節約方法を考える必要があります。
参考までに年収別、年齢別の結婚事情のデータも紹介します。
20代・30代の年収ごとの婚姻・交際状況
国土交通省で、年収別の婚姻・交際状況に関しての調査があります。
年収が上がるほど、結婚している比率が上がっています。
200~ 300万円 |
300~ 400万円 |
500~ 600万円 |
|
既婚 | 14.6 | 26 | 36.3 |
未婚 恋人あり |
31.2 | 29 | 20.8 |
未婚 恋人なし |
32.4 | 29.3 | 33.2 |
未婚 交際経験なし |
21.8 | 15.7 | 9.7 |
出典:国土交通省 国土交通白書
年収370万円の仕事・年収を増やす方法
投資・副業は非効率
投資は給料が上がって資産が多くなると、効果が大きくなります。
副業もうまくいけば、月に数万円は追加で稼げる可能性があります。
ただ、年収300万円の場合には、ほかの方法よりも転職の方が確実性が高いです。
会社選びさえ間違えなければ、年収を上げるのは難しくないからです。
転職を成功させる3つのポイント
1.転職サイトに登録しておく
リクナビNEXTやミイダスなどの転職サイトに普段から登録しておきましょう。
登録しておくことで、自分の市場価値がわかります。
また、自分に興味がある企業からスカウトが来るので、気に入った企業があれば、転職する選択肢もあります。
2.若いうちに動く
転職が成功するかどうかは年齢が大きな要因となります。
どんなに優秀な人でも、年齢が上がると大幅に難易度が上がります。
25歳、30歳、35歳、40歳といったタイミングで選択肢は大幅に減っていきます。
今、応募できる仕事の多くは時間が経つと応募できなくなってしまいます。
少しでも早いタイミングで動き出すことが重要です。
3.プロに相談する
最後に、もっとも成功確率を上げる方法は、転職のプロに相談することです。
転職エージェントに相談して、年収が上がりそうな求人を紹介してもらいましょう。
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さらに知っておきたいこと
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