55歳でも転職は可能ですが、相当困難です。
この年代になると、自分が持っている能力もマッチングも肝ですが、運の要素もあります。
優秀だからといって見つかる年齢ではありません。
それでも簡単ではありませんが、成功確率を上げる方法はあります。
ここでは、そんな50代後半の転職を成功させるために知っておきたいことをご紹介します。
55歳転職の基本3つ
1.運の要素もある
50代後半の転職は、運の要素もあります。
そもそもの採用数が少なかったり、ほかの人に比べて年齢的に非常に不利になったりします。
その中でも転職先が見つかるというのは能力というよりも、あなたにぴったりの仕事がたまたま見つかるかどうかの方が大きいです。
この歳であれば、それなりの実績・経験・スキルがあることは当たり前です。
ただ、単純な経験者であれば、30代の人でも十分なわけです。
非常に特別な経験やスキルがない限りは、簡単に決まることはないです。
2.ほかの比べさせない
50代転職で意識したほうがいいのは、ほかの人と自分を比較させないことです。
あなたしかできない圧倒的な強みがある人はいいですが、それ以外の人は正攻法だと厳しいです。
まず、30代・40代の人と比べられない状況を作るのが重要です。
人脈活用
もっとも簡単な方法はあなたの人脈をフル活用しましょう。
転職サイトや転職エージェントに載っていないような求人に出会えるかもしれません。
また、あなたのことを知っている人であれば評価も上がるでしょう。
転職サイト経由で応募して、30人のライバルと同じ枠を争うのは厳しいです。
3.正社員以外の選択肢も
正社員にこだわらなければ、さらに選択肢は広がります。
派遣や契約社員などもあれば、自分で稼ぐ方法もあります。
たとえば、特定領域の経験があれば、コンサルティングなどで収入を得る方法もあります。
この年であれば知り合いも多少いるはずです。
そこ経由で顧客を得れば、1社5万円×6社でも30万円になります。
週に数日を複数社で働くという方法もあるでしょう。
うまくやれば伸ばせますし、定年もありません。
これは一例ですが、60代以降の生き方についても考えておきましょう。
55歳の転職で考える4つのこと
1.転職のメリットを知っておく
可能性が広がる
同じ会社や同じ仕事が長くなると、停滞しやすくなります。
同じ仕事をずっと同じ熱量で行ったり、新しいスキルを身につけたりは限界があります。
新しい環境に身を置くと、想像以上に多くの変化があります。
何歳になっても元気な人は、自分の世界を広げています。
後、数年働くことだけでなく、その後の生き方にもポジティブな影響はあるでしょう。
キャリアアップできる
50代でもしっかりと実績・経験・能力を積み上げてきた人にはキャリアアップのチャンスが十分にあります。
とくにマネジメント経験は非常に重要です。
基準が高くなり、枠も限られますが、大企業でも管理職、中小・ベンチャーであれば、役員・部長クラスのチャンスも多数あります。
ビズリーチやキャリアカーバーなどのハイクラスの転職サイトを活用しましょう。
2.転職のリスクを知っておく
そもそも転職できない
リスクではないかもしれませんが、そもそも転職をするのは難しいです。
したいと思ってもできない人が増えてきます。
30代はまだ本人次第で、本気で臨めばどうにかなる部分もありますが、50歳ではかなり難しいです。
今よりも悪くなる可能性がある
転職は変化するというだけであって、それがいい変化とは限りません。
50代以降での転職は年収や役職が下がることも多いです。
大手企業出身の人で給料が半分になることもあります。
転職を甘く考えている人ほど現実を知っておく必要があります。
3.異動などの転職以外の方法もある
転職は万能な方法でも、唯一の方法でもありません。
会社にどうしても合わないという場合には仕方がありませんが、それ以外の場合には対処方法がほかにあるかもしれません。
いくつか社内でできる解決策をご紹介します。
仕事が合わない
- 上司(やその上司)、人事に相談することで、より合った仕事につける可能性がある
- 同じ部長や役員が干渉している場合には異動しやすいことも
上司が合わない
- 上司のさらに上司に伝えれば、変えてもらえる可能性も十分にある
- 社風やマネジメント方針が合わない場合には難しい
雰囲気が合わない
- 大企業の場合には、部署・部門が違うとまったく雰囲気が異なることも
- 人事などに伝える方法もあり
副業・独立・起業する
そこまで会社に不満がない場合には、副業でやる・起業するといった選択肢もあります。
起業といってもそこまでアグレッシブじゃないものもあります。
フリーランス的に複数のクライアントにコンサルティングをしたり、自分の経験・ノウハウを活かしたりする方法はあるものです。
4.転職力を高める
会社で仕事をすると、さまざまなビジネススキルが身につきます。
そのような仕事で身につく能力と、転職で求人を探したり、自分をアピールしたりする能力はまた別です。
50代になると、経験も多いので話が長くなったり、なにもかもを伝えようとして失敗することは非常によくあります。
転職そのものに対する対策が不可欠です。
さらに、以下の2つの理由から転職対策によって差をつけられるチャンスです。
- 実績・経験・スキルで大きな差はつかない
- 周りの人もあまり対策ができていない
この転職力ともいえるような、転職をするための能力を上げることが重要です。
転職の5つのポイント
ここからは転職活動のポイントをプロセスごとに見ていきます。
転職活動のプロセスは大きく5つあります。
- 自己分析をする
- 求人探しをする
- 選考書類を送る
- 面接を受ける
- 内定をもらい、退職する
就職活動を経験している人も多いかと思うので、イメージが掴めると思います。
注意点を中心にそれぞれを見ていきます。
1.自己分析をする
やりたいことを明確にする
今さら自己分析と思われるかもしれませんが、やりたいことをしっかりアピールできるようにするのは重要です。
若手のように、熱意だけで決まることはありませんが、熱意が伝えられずに採用されないということは多いです。
2.求人探しをする
50代になると、求人探しも工夫していく必要があります。
リクナビNEXTやマイナビ転職などの転職サイトを活用してもいいですが、ライバルが多く、厳しいです。
ただ、ほかにも活用できるサービスが多数あります。
人脈をフル活用する
この年齢では、正攻法だけではなく、人脈も活用しましょう。
正面から多くの人と勝負するよりも、有利に進められる可能性があります。
親しい人や仕事でお世話になった人とコンタクトを取りましょう。
社長や役員が知り合いの会社に入社したり、以前の取引先の人に求人を紹介してもらったりは珍しくなりです。
すぐに紹介は難しくても、あなたが転職を考えていることを伝えておけば、紹介される可能性が上がります。
ハイクラス求人サイトを使う
年収600万円以上の人は必ず登録しておきたいサイトが、ビズリーチとキャリアカーバーです。
自分の経歴を登録しておくだけで、スカウトが来ますし、高年収の求人を探すこともできます。
50代以降の場合には、ほとんどマネジメント経験は必須ですが、十分な求人数があります。
一般的な転職サイトにはない求人も多く、スカウトの質もいいです。
転職エージェントの提案
50代では転職エージェントが非常に有効です。
ポテンシャルよりも実務経験になるため、合わないところはいくつ受けても落ちます。
プロに自分にマッチした求人を探してもらう方がいいです。
また、あなたが自分で気づいていないような仕事の提案もあるのがメリットです。
まったくの異業種・異業界への転職も実はありえます。
たとえば、女性のマネジメントという点で共通していたり、ユーザーへの対応方法、商品の売り方などが共通しているということがあるからです。
こうしたものを自分で見つけるのは困難なので、素直に転職エージェントに頼りましょう。
リクルートエージェントなどの転職エージェントをぜひ活用しましょう。
3.書類対策をする
選考書類ですが、転職では新卒のときのような変わったエントリーシートや質問が用意されることはありません。
- 履歴書
- 職務経歴書
の2点でだいたいどの企業も書類選考されます。
職務経歴書は超重要
職務経歴書は経験した仕事の詳細を書くもので、履歴書以上に重要な書類です。
履歴書ほどフォーマットが決まっていないため、差がつきやすい書類でもあります。
この職務経歴書がしっかりかけていない人は非常に多いです。
50代では、書類で落ちることも多くなります。
100件応募して、面接が数件のみという人もいます。対策が必須です。
書類はチェックしてもらう
自力で書くのもいいですが、転職エージェントでチェックしてもらった方がいいです。
履歴書も職務経歴書もこまかなルールやポイントが多いです。
「面接にいけば、存分にアピールできる」と思っている人も書類で落ちてしまうと、どうしようもありません。
リクルートエージェントは選考書類対策にも力を入れていて、おすすめなので相談してみてください。
書き方のポイント
このサイトでも別記事で書き方を解説しています。
ただ、これはあくまでも基本的な書き方であって、ベストなものはその人の経歴によっても違います。
受ける企業によって、どの部分を強調するかも考える必要があります。
リクルートエージェントなどの転職エージェントで見てもらう方がいいでしょう。
4.面接対策をする
選考対策の中でもかなり重要なパートです。
どれだけ実務経験があっても、それを面接で伝えられないと仕事ができないとみなされてしまいます。
たとえば、このようなものはかなり典型的な質問ですが、うまく答えられない人もいます。
- なぜ退職したのか・転職を考えたのか?
- 志望動機は? なぜ他の会社ではないのか?
- 自己PR
退職理由⇒志望動機⇒自己PRをちゃんと説明できるだけでも印象はまったく違います。
ちょっとした対策でかなりよくなりますので、可能なら実践練習もしましょう。
このプロセスを軽視している人は多く、かなりもったいないです。
転職エージェント、ハローワーク、知り合いの人事でもだれでもいいので練習しましょう。
こちらもコンテンツがあります。
転職エージェントは必ず利用したい
このように、転職はかなり多くの注意点があります。
すべてを押さえようとすると、時間がいくらあっても足りません。
プロから無料で求人探し、書類対策、面接対策をもらえる機会は必ず活かしましょう。
転職というのは、多くの人は数回しか経験しないものです。
一方で、彼らは毎日のように転職を考えている人と会い、その人たちをサポートしています。
経験地がまったく違います。転職全体に関して、たとえばこのようなサポートが受けられます。
- 転職の進め方のアドバイス
- 該当業界・業種の求人状況
- 自分の希望に合った求人提案
- 行きたい会社に内定する可能性
- 書類・面接対策のアドバイス
あなたが自分だけで考えるよりも、はるかに効率的です。
一番のリスクは意思決定を伸ばした結果、手遅れになってしまうことです。
転職は成功確率を少しでも上げるために、転職エージェントに必ず相談しましょう。
いくつかおすすめの転職エージェントを紹介します。
ただ、50代になると、転職エージェントでサポートが難しいといわれる場合もあります。
もし転職エージェントが難しければ、ハローワークを活用しましょう。
同じような内容で万人向けにサポートしてもらうことができます。
5.内定をもらい、退職する
内定をもらった後の注意点は3つです。
本当に入社して大丈夫かを再確認する
せっかく内定をもらったら、入社前に会社のことを改めて確認しましょう。
1つは、できるだけ多くの人に会わせてもらうことです。
不安に思っていることを聞きましょう。
もう1つは、オンラインで評判を確認する方法です。
検索エンジンで「会社+評判」で検索したり、Vorkersや転職会議などの口コミサイトを使ったりしましょう。
ある程度有名な企業であれば、情報は手に入りますし、比較することも可能です。
自分の感覚だけで決めてしまい、入社後に気づくようなことは絶対に避けましょう。
条件交渉する
給与などの条件は入社してからの不満が大きくなりやすいポイントです。
ただ、年齢的にもあまり強気な交渉は避けたいものです。
時間軸も考慮して、今の給料や役職だけでなく、どのような成果に対して、どのようなリターンがあるのかを話し合いましょう。
言いたいことをいえないで不満をため込むのは一番よくないです。
しっかりと退職する
基本的には、内定をもらった後に上司に伝えるだけです。
「ご相談したいことがありますので、お時間をいただけますか」などと伝えて、MTGルームなどで伝えるのが一般的です。
その後は、退職交渉が入ったり、スケジュールを調整したり、書類を提出したりなどがあります。
初回はよくわからないかもしれませんが、退職者はどの会社もいるのでプロセスはだいたい決まっています。
さらに知りたい方は別記事もありますので、こちらもどうぞ。
よくある疑問
50代後半の女性転職で気をつけることはありますか?
転職自体は男性も女性もそこまでの差はありません。
ただ、50代になると出産や介護などでブランクがある人も増えるでしょう。
ママワークスやはたらこねっとなどでは主婦向け、ブランクありでも大丈夫な求人があるので見てみてください。
女性の転職に関しては別記事でも説明していますので、こちらもどうぞ。
50代後半で未経験の転職は可能ですか?
未経験でやりたいことがあるなら、副業なども検討しましょう。
限られた選択肢から選ぶよりも多少でも過去の経験が活きる方法を考える方がいいでしょう。
こちらで未経験でも転職しやすい職種をご紹介しています。あわせてどうぞ。
50代後半で転職回数が多くても大丈夫でしょうか?
50代では、それなりに転職回数が多い人もいます。
ただ、あまり関係ありません。
企業からすると、どのみちこの先に働ける期間は長くないことがわかっています。
合うところが見つかれば働ける、そうでなければ働けないというだけです。
僕が所属したようなIT系の会社では、40代で7社目、8社目というのはあまり問題になりませんでした。
転職に資格はあったほうがいいですか?
気にする人が多い内容ですが、基本的には必要ないです。
業務に強く結びついているような資格であればいいですが、なんとなく取っておこうという資格はほとんど役に立ちません。
代わりに、しっかり書類や面接の対策をしたり、自分に合った企業を探したりする方がはるかに有効です。
興味がある方は別記事もどうぞ。
さらに知っておきたいこと
ここでは、55歳の転職について見てきました。
50代の転職は工夫をしても、運がなければ難しいです。
あらゆる手を尽くして運を少しでも上げておくようにしましょう。
ほかにもキャリアや50代に関するコンテンツがあります。こちらも合わせてどうぞ。